【日本市況】株大幅反落、米株安やスペースX上場重し-長期金利上昇
(ブルームバーグ): 10日の日本市場は株式が反落、午後に下げを拡大した。米国市場で過熱感のあったハイテク株が再び売られた上、中東情勢の不透明感が増したことが重しになった。債券は中長期債が下落(利回りは上昇)。
日経平均株価の下げは一時1683円(2.6%)に達した。前日の大幅上げのほぼ9割を失って取引を終えた。人工知能(AI)・半導体関連で売りが先行して任天堂も安かった。中東情勢悪化によるインフレ懸念から長期金利(10年国債利回り)は上昇した。30年利付国債入札は弱い結果となった。円は対ドルで160円台前半でもみ合った。米軍は9日にイランへの「自衛攻撃」を実施、完了した。原油相場は高止まっている。

Japan Stocks As Asian Stocks Pulled Back From A Record High
米ナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が過去最高値圏から下落し、国内外のAI関連株を巡っては米スペースXの大型上場を控えた需給面の悪影響も懸念されている。
大和アセットマネジメントの建部和礼チーフストラテジストは、今週は米消費者物価指数(CPI)などの経済指標やスペースXの上場が控える中、日本株は「来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)までAI・半導体関連株を中心に不安定な展開が続きそうだ」と話した。
| 日経平均株価の終値は前日比1.9%安の6万4179円27銭東証株価指数(TOPIX)は1.2%安の3847.6 |
| 長期国債先物6月物の終値は12銭安の128円69銭新発10年国債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.675% |
| 円は対ドルでニューヨーク終値比横ばいの160円37銭 |
株式
株式は反落。TOPIX業種別では電気機器や情報・通信、非鉄金属が指数を押し下げた。
米国株市場では半導体関連や大手ハイテク株が指数を下押しした。スペースXの12日の新規株式公開(IPO)を前に投資家が他のテクノロジー関連株を売却して投資資金を捻出する動きが見込まれ、国内でもテクノロジー関連が売られやすかった。
取引プラットフォームであるトラドゥのシニアストラテジスト、ニコス・ツァブーラス氏は「米CPIが高水準となれば、利上げへの市場の予想が固まり、株式にとって不利な金融環境への懸念がさらに強まる」と指摘する。
TOPIX構成銘柄の半分以上は上昇した。AI関連でも東京エレクトロンなど半導体製造装置株の一角は続伸、不動産や小売りも買われた。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、日本銀行の利上げ織り込みが進み、利上げが将来のインフレ抑制と長期金利の安定につながるとの見方が不動産株の追い風になっていると話す。

日経平均株価の日中足推移 | 午後に下げを拡大
債券
債券は中長期債が下落。米国がイランを空爆したことを受けて、供給制約が長期化してインフレ要因になるとの見方から売りが優勢だった。この日の30年利付国債入札が弱い結果となったが、イベント通過による材料出尽くしで超長期債は買い戻された。
30年利付国債入札で投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.94倍と、2025年6月以来の低水準となった。最低落札価格は97円40銭は市場予想(97円65銭)を下回り、大きいと不調を表すテール(落札価格の平均と最低の差)も38銭と前回(22銭)を大きく上回った。
SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは「30年債入札は弱い結果だった」と指摘。前日引け際の「大幅な金利低下により妙味が薄れたことが影響した」と語る。
明治安田アセットマネジメント債券運用部の大﨑秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャーは超長期債について「日銀のターミナルレート(利上げ到達点)が2%だとすれば利回りは良い水準にあることに加え、次の利付国債入札まで2週間ほど期間が空くこともあり、入札後に買い戻された」と話す。
日銀が10日に公表した国内企業物価は、5月に前年比6.3%上昇した。東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジストは「円建ての輸入物価が2カ月連続で前年比20%以上上昇しており、この先、第2の価格転嫁が始まる」と指摘。債券相場には重しになると語る。
新発国債利回り(午後3時時点)
| 1.420% | 1.935% | 2.675% | 3.555% | 3.845% | 3.760% | |
| 前日比 | +0.5bp | +1.0bp | +1.0bp | -0.5bp | -2.0bp | 横ばい |

債券先物の日中足推移
為替
円は対ドルで160円台前半でもみ合い。米軍のイラン攻撃を受けて有事のドル買いが入る一方で、介入を警戒したドル売りも出ている。
みずほ銀行国際為替部の長谷川久悟マーケット・エコノミストは「米国のイラン空爆により停戦への懐疑的な見方が強まっており、ドルが強い」と語る。今夜発表される米CPIの結果次第で米利上げ観測が高まれば、ドル・円相場は介入前の高値である「160円72銭が視野に入ってくる」と言う。
三菱UFJ信託銀行ニューヨーク支店資金証券室のシニアバイスプレジデント、横田裕矢氏も「イラン情勢が再びエスカレートすれば、ドル・円相場は160円72銭をあっさり抜ける可能性も否定できない」と話す。日銀が来週の会合で利上げするとの報道が相次いでいることについては「すでに織り込み済みでさほどインパクトがなく、円は買いにくい」と語る。

ドル・円相場の日中足推移
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:アリス・フレンチ.
More stories like this are available on bloomberg.com
©2026 Bloomberg L.P.