「耐えられない人は来なくてOK」。怒号にハードな飲み会…全て見せる「ゾス社」に採用担当が学ぶべきこと

社内の様子をSNS上に公開することで低い離職率を誇るグローバルパートナーズ。同社の手法は、これからの採用の「勝ち筋」なのか。「ゾス山本」こと山本康二社長に聞いた。
「企業から発信される情報は、正直疑っています」―――。これが、今の就活生たちの本音らしい。
売り手市場が続くなか、多くの企業は“良い会社”に見せることに力を入れている。一方で、その結果として入社後のギャップが生まれ、早期離職につながっているケースも少なくない。また、新卒採用においては現代らしい効率意識も相まって、1人あたりの応募社数も減少傾向だ。
人事マネジャーの筆者は、これからの採用は「応募数を増やすこと」よりも、「合わない人に無理に応募してもらわないこと」が重要なのではないかと考えている。
実際、厳しい働き方を隠さず発信することで、低い離職率を実現している企業もある。
厳しい働き方の“ゾス社”が低離職率なのはなぜか

池袋に本社を構えるグローバルパートナーズ。オフィスには、同社の合言葉「ゾス」の文字があった。
企業の海外進出支援などを手がけるグローバルパートナーズは、いわゆる昭和的な社内風土を包み隠さずYouTubeやSNSで公開している。挨拶は「ゾス!」。大声で社訓を叫び、営業会議では怒号にも近い厳しい言葉が飛び交う。夜中までの社内飲み会も日常茶飯時で、社員一同で踊る「ゾス飲みダンス」も息ぴったり。先日、ドキュメンタリー番組「ザ・ノンフィクション」で賛否を集めたことも記憶に新しい。
現代のスタンダードに逆行する打ち出しも多く、ネット上では批判的な声も多い同社。積極的な情報開示姿勢の裏には何があるのか。
通称「ゾス山本」としても知られる山本康二社長は
「うちはRJPを大事にしているから、広報にも『綺麗な言葉を並べるな』と伝えている。綺麗な写真もいらない。半目でも、鼻水が垂れていてもいい。今の世の中の採用広報って、おかしいよね。詐欺とまでは言わないけど、綺麗な広告ばかりで」
と、昨今の採用市場に問題提起する。RJPは「Realistic Job Preview」の略で、会社の良いことも悪いこともすべて求職者に開示することだ。
山本社長によると、こうした情報開示の甲斐あってか、同社の離職率は「2%くらい」と低水準だ。社員数は現在約60人で、単純計算では年間で辞める人は1人いるかいないかということになる。
炎上しても「ありのまま」発信するわけ

グローバルパートナーズの山本康二社長。日本最年少最短で上場した光通信の取締役に28歳で就任。複数の上場会社の代表やアリババの日本事業の立ち上げを経て現職。日本一給料の高い会社を目指し、若者向け教育事業、ベンチャー企業支援、グローバル人材事業などを手掛ける。
同社が社内の状況を赤裸々に発信し始めたのは約5年前。きっかけは、山本社長がSNSで「うちは250名応募が来て1名採用している」と、採用倍率の高さを発信したことだったという。
すると、あるユーザーからこんな反応が届いた。