老齢年金【国民年金・厚生年金】いまのシニア世代の年金受給額は月いくら?
- 日本の公的年金制度「国民年金」と「厚生年金」とは?
- 【1階部分】国民年金
- 【2階部分】厚生年金
- 【2025年度】国民年金・厚生年金の年金額例
- 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
- 働き方・収入で「国民年金・厚生年金」の年金額はこう変わる!5つのケースを紹介
- ケース①:男性・厚生年金期間中心
- ケース②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
- ケース③:女性・厚生年金期間中心
- ケース④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
- ケース⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
- 老齢年金【国民年金・厚生年金】いまのシニア世代の年金受給額は月いくら?
- 国民年金《平均月額の男女差・個人差に着目》
- 厚生年金《平均月額の男女差・個人差に着目》
- 2025年6月13日「年金制度改正法」成立へ
働き方・収入で「国民年金・厚生年金」の年金額はこう変わる!5つのケースを紹介

老齢年金【国民年金・厚生年金】いまのシニア世代の年金受給額は月いくら?
本記事では、厚生労働省年金局が毎年発表する年金受給額データをもとに、「いまのシニア世代が年金を月いくら受け取っているのか」をご紹介します。
いまの現役世代が、将来、年金をいくら受け取れるのかは分かりません。少子化が進み、これから先、給付水準が低下する可能性もあるでしょう。
公的年金に対する不安の声は高まる一方ですが、国民年金や厚生年金は終身で受け取れる貴重な収入源であることは変わりません。
いまのシニア世代の年金月額を眺めながら、自分の老後の暮らしを想像してみましょう。老後対策におけるヒントが見つかるかもしれません。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
日本の公的年金制度「国民年金」と「厚生年金」とは?
日本の公的年金制度は、1階部分の「国民年金(基礎年金)」と2階部分の「厚生年金」から成り立つ、「2階建て構造」となっています。

まずは、それぞれの年金制度について、その違いをおさらいしましょう。
【1階部分】国民年金
加入対象
・原則として日本国内居住の20歳から60歳未満の全員(職業・収入・国籍不問)。
年金保険料
・全員一律。ただし、保険料は年度ごとに改定される(※1)。
老後の受給額
・保険料を全期間(480カ月)欠かさず納付した場合、65歳以降で満額の老齢基礎年金(※2)を受給可能。未納期間分に応じて満額から差し引かれる。
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
【2階部分】厚生年金
加入対象者
・会社員や公務員、またパート等で特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たす人(国民年金に上乗せで加入)。
年金保険料
・収入に応じて決まる(※4)。ただし上限あり。
老後の受給額
・加入期間や納付済保険料によって個人差が出る。
公的年金でも、国民年金と厚生年金では加入対象や年金保険料の決定方法、受給額の計算方法などが異なります。そのため、実際の受給額は人によって違います。
※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など。
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。
【2025年度】国民年金・厚生年金の年金額例
公的年金の受給額は年度ごとに見直しがおこなわれます。2025年4月からの年金額の改定について確認してみましょう。

令和7年度の年金額の例
2025年度の年金額は、前年度から1.9%引き上げられました。
2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
・国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)
・厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
なお、実際に自分が受け取る年金額は、毎年6月に日本年金機構から送付される「年金振込通知書」にて確認できます。
この通知書では、支給額のほか、税や社会保険料といった天引きされる内容なども確認できます。
価値観やライフスタイル、ワークスタイルが多様化する現代。
厚生労働省は、ライフコースにより年金額に違いが生じることを、現役時代の働き方や収入別の年金額例で示しています。次章で詳しく見ていきましょう。
働き方・収入で「国民年金・厚生年金」の年金額はこう変わる!5つのケースを紹介
本章では、現役時代の働き方や収入で、老後に受給できる年金額がどのように変わるかを5つのケースで比較していきます。

多様なライフコースに応じた年金額
ケース①:男性・厚生年金期間中心
男性で厚生年金期間が長いケース
《年金月額》17万3457円
・平均厚生年金期間:39.8年
・平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
・基礎年金:6万8671円
・厚生年金:10万4786円
ケース②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
男性で国民年金の期間が長いケース
《年金月額》6万2344円
・平均厚生年金期間:7.6年
・平均収入:36万4000円
・基礎年金:4万8008円
・厚生年金:1万4335円
ケース③:女性・厚生年金期間中心
女性で厚生年金期間が長いケース
《年金月額》13万2117円
・平均厚生年金期間:33.4年
・平均収入:35万6000円
・基礎年金:7万566円
・厚生年金:6万1551円
ケース④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
女性で国民年金の期間が長いケース
《年金月額》6万636円
・平均厚生年金期間:6.5年
・平均収入:25万1000円
・基礎年金:5万2151円
・厚生年金:8485円
ケース⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
女性で専業主婦の期間が長いケース
《年金月額》7万6810円
・平均厚生年金期間:6.7年
・平均収入:26万3000円
・基礎年金:6万7754円
・厚生年金:9056円
上記はあくまでも年金額の例ではありますが、厚生年金の加入期間と平均収入によって年金月額が大きく変動することは明白です。
とくに、現役時代に国民年金もしくは厚生年金のどちらを中心に加入していたのかによって、老後の受給額は大きく変わっています。
老齢年金【国民年金・厚生年金】いまのシニア世代の年金受給額は月いくら?
本章では、全受給権者(60歳~90歳以降)の年金月額の分布や、男女別の平均年金月額を見ていきます。

面金月額階級別老齢年金受給権者数
国民年金《平均月額の男女差・個人差に着目》
国民年金は、以下のとおり男女で平均月額に大きな違いは見られません。
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
年金月額階級ごとの受給者数
・1万円未満:5万8811人
・1万円以上~2万円未満:24万5852人
・2万円以上~3万円未満:78万8047人
・3万円以上~4万円未満:236万5373人
・4万円以上~5万円未満:431万5062人
・5万円以上~6万円未満:743万2768人
・6万円以上~7万円未満:1597万6775人
・7万円以上~:227万3098人
3万円未満の低年金となる人も一定数存在するものの、ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」。満額に近い受給額を受け取る人が少なくないことがうかがえます。
厚生年金《平均月額の男女差・個人差に着目》
厚生年金は、以下のとおり大きな男女差があります。
〈全体〉平均年金月額:14万6429円
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
年金月額階級ごとの受給者数
・1万円未満:4万4420人
・1万円以上~2万円未満:1万4367人
・2万円以上~3万円未満:5万231人
・3万円以上~4万円未満:9万2746人
・4万円以上~5万円未満:9万8464人
・5万円以上~6万円未満:13万6190人
・6万円以上~7万円未満:37万5940人
・7万円以上~8万円未満:63万7624人
・8万円以上~9万円未満:87万3828人
・9万円以上~10万円未満:107万9767人
・10万円以上~11万円未満:112万6181人
・11万円以上~12万円未満:105万4333人
・12万円以上~13万円未満:95万7855人
・13万円以上~14万円未満:92万3629人
・14万円以上~15万円未満:94万5907人
・15万円以上~16万円未満:98万6257人
・16万円以上~17万円未満:102万6399人
・17万円以上~18万円未満:105万3851人
・18万円以上~19万円未満:102万2699人
・19万円以上~20万円未満:93万6884人
・20万円以上~21万円未満:80万1770人
・21万円以上~22万円未満:62万6732人
・22万円以上~23万円未満:43万6137人
・23万円以上~24万円未満:28万6572人
・24万円以上~25万円未満:18万9132人
・25万円以上~26万円未満:11万9942人
・26万円以上~27万円未満:7万1648人
・27万円以上~28万円未満:4万268人
・28万円以上~29万円未満:2万1012人
・29万円以上~30万円未満:9652人
・30万円以上~:1万4292人
厚生年金(国民年金を含む)の場合、月額1万円未満の少ない年金となる人から、20万円以上の高額受給者まで、個人差が大きいのがポイントです。
前述のライフコースごとの年金額例で確認したように、厚生年金保険に加入していても加入期間や年収によって「差」が出ます。
年金制度は定期的に財政検証といって「健康診断」のようなものが行われます。この結果をもとに、現代、そしていま予測できる将来において最適な年金制度にするために、改正が行われます。
2025年6月13日、年金制度改正法が成立しました。次章で、その内容を確認しておきましょう。
2025年6月13日「年金制度改正法」成立へ
2025年6月13日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が参議院本会議で可決され、法律として成立しました。
この改正は多様化する働き方や家族構成、ライフスタイルを踏まえた年金制度を目指すものです。また、私的年金制度の拡充や所得再分配の強化などによって、シニアの暮らしの安定に繋げることなども大切な狙いです。
今回の改正の全体像を見ておきましょう。
主な改正内容

年金制度改正の全体像
社会保険の加入対象の拡大
・中小企業において短時間で働く人などが、厚生年金や健康保険に加入し、年金増額などのメリットを受けられるようにする
在職老齢年金の見直し
・年金を受け取りながら働くシニアが、年金を減額されにくくなり、より多く働けるようにする
遺族年金の見直し
・遺族年金の男女差を解消。子どもが遺族基礎年金を受給しやすくする
保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ
・月収が一定以上となる人が、賃金に応じた年金保険料を負担し、現役時代の賃金に見合った年金を受給しやすくする
その他の見直し
・子どもの加算などの見直し、脱退一時金の見直し
・私的年金の見直し:iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)加入年齢の上限引き上げなど
上記の改正内容からも、公的年金は「老後の受給額」だけの話ではなく、現役世代の働き方やキャリアプラン、人生設計とも深い関わりを持つことが分かります。
まとめにかえて
本記事では、公的年金制度のしくみをおさらいし、厚生労働省が提示する年金額例をご紹介しました。
また、いまのシニア世代の年金受給額が月いくらかも確認しました。
現役世代の人たちがいま納めている年金保険料は、いまのシニア世代の年金給付の原資となります。
しかし、いまの保険料納付状況、働き方、年収などが、将来自分が受け取る年金額に繋がります。
将来、年金をいくらもらえるかは明確にはわかりませんが、これまでの年金加入記録にもとづく見込額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できますので、チェックしてみましょう。
参考資料
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・日本年金機構 年金用語集「た行 特定事業所」
・日本年金機構「厚生年金の保険料」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」