「じっとしていられない子」の聞く力を伸ばす方法とは?【脳専門医が解説】

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脳には8つのタイプがあり、それぞれに得意・不得意がある。大切なのは、不得意な部分を鍛えること。タイプ別に弱点を見極めてそこを補っていくことで、あなたや子どもの可能性は大きく広がっていくだろう。自分がどの脳タイプかを知り、眠った力を引き出すトレーニングに挑戦してみてほしい。※本稿は、加藤俊徳『子どもの脳は8タイプ 最新脳科学が教える才能の伸ばし方』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。
「脳番地」を鍛えれば
自分の理想像に近づける
脳の発達具合は固定的ではなく、今の脳で将来が決まるわけでもありません。
変化することこそ脳の個性であり、誰でも自分の意思でもって変えることができる。それには、まず「こうなりたい」「こうなろう」という指向性を脳に与えること。
そうして初めて、狙った脳番地のトレーニングが効いてくる。
特定の脳番地を鍛える、ちょっとした習慣を取り入れることで、「現在のタイプの脳特性をさらに伸ばす」ことも、「現在のタイプの脳特性を、なりたいタイプの脳特性に寄せていく」こともできます。
(編集部注/筆者は以下8つの脳タイプを紹介している)
(1)「リーダータイプ」――周りに広く目配りができ、人を引き付ける力を持つ
(2)「論理タイプ」――記憶力がよく、理詰めで考える
(3)「クリエイティブタイプ」――好奇心が強く、何かを「好きになる力」が高い
(4)「癒やしタイプ」――周囲の状況、人に対する感受性が強い
(5)「バランスタイプ」――脳の変化の振り幅が一番大きい
(6)「フレンドリータイプ」――天然のポジティブ思考と協調性で友達が多い
(7)「多動タイプ」――経験値が溜まりやすく、物事を極めやすい
(8)「エキスパートタイプ」――特定のことに対する好奇心が強い
各タイプが持つ強みを理解することにより、自分や他者の能力をより深く把握できるようになります。
「どのような脳になりたいのか」「どのような特性を伸ばしたいのか」という指向性を持っているという前提のもと、それぞれの脳番地を効果的に鍛える方法を紹介していきます。
各タイプの強みを最大限に引き出すためには、単に強みを伸ばすだけでは不十分です。強みを活かしやすくするために、その裏側にある弱み、すなわち各タイプが苦手とする脳番地を強化していくことが大切です。
たとえば、ある特定の分野で優れている一方で、別の分野に弱みがある場合、その弱みを補うことで全体的なバランスが取れ、強みがより際立つようになります。

同書より転載
これは、子を持つ親にとっても非常に重要な視点です。子どものタイプに応じた強みを理解しつつ、同時に弱みとなる脳番地をサポートすることで、子どもが持つ本来の力を十分に発揮できるようになります。
弱みを補うサポートを通じて、子どもとの信頼関係を強化し、より円満で健全な親子関係を築くことができるでしょう。
強みを伸ばすことと同時に、弱みを改善する取り組みを行うことで、親子のコミュニケーションもスムーズになり、双方にとってより充実した日々を送っていけるはずです。
情報のアウトプット能力に
優れているリーダータイプ
リーダータイプの子どもは、情報をインプットする力とアウトプットする力において、特にアウトプット能力に優れていることが多いです。彼ら・彼女らは自分の意見を述べたり、他者を導いたりすることが得意ですが、どのようにして情報を得るか、すなわちインプットの仕方を工夫することで、さらに成長することができます。
記憶力を強化することで、リーダータイプはより効率的に情報を整理し、正確に他者に伝えることができるようになります。記憶系脳番地を鍛えるためには、以下のような習慣を取り入れてみましょう。
(1)待ち合わせの時間の5分前に到着し、余裕を持って行動することで、時間管理能力と記憶力を高める
(2)英単語を覚えて、その単語を使って短い文章を作ることで、単語の定着率を上げ、記憶力を強化する
(3)自分の部屋の不要なものを捨て、整理整頓することで、記憶力を妨げる無駄な情報を排除する
(4)毎日短い文章を音読し、それを暗記することで、短期記憶と長期記憶の両方を鍛える
(5)その日の出来事を簡単な日記にまとめることで、1日の情報を振り返り、記憶の定着を図る
論理タイプに足りない
共感力の高め方
脳の中で記憶を司る海馬と感情を司る扁桃体は、隣り合って存在していますが、記憶力が強い子どもはしばしば感情面が弱い傾向が見られます。特に論理タイプの子どもは、記憶力に長けている反面、共感力が欠けていることが少なくありません。
このような子どもは、論理的に物事を考えられる一方で、感情を表現したり他者の感情に共感したりすることが苦手なことが多いです。
共感力を鍛えるためには、以下のような日常の習慣を取り入れてみてください。
(1)毎朝、鏡の前で笑顔を作り、ポジティブな気持ちを意識的に持つように心がける
(2)朝起きたら「今日も楽しい1日になる」と自分に言い聞かせ、前向きな姿勢で1日をスタートする
(3)人の話を聞いた際には、「それって面白そうだね」などと共感の言葉をかけ、相手との距離を縮める
(4)過去1週間の中でワクワクしたことや嬉しかった出来事を家族や友人に話す
(5)好きな映像作品のキャラクターの言動を真似して、自分の感情表現の幅を広げる
アイデアは湧き出るものの
説明が苦手なクリエイティブタイプ
クリエイティブタイプの子どもは、突如としてさまざまなアイデアや発想が湧き上がることが多く、自分の中で独自の世界を広げるのが得意です。
しかし、そのアイデアや創作物を他者にうまく説明することは不得意ということがよくあります。彼ら・彼女らは絵や音楽といった創作物を通して自分を表現するのは得意ですが、それを言葉で伝えるとなると、どう言えばよいか思案してしまいがちです。
また、記憶力にも偏りがあり、興味のあることはしっかり記憶している一方、興味のないことや過ぎたことにはあまり関心を持たない傾向もあります。
このタイプの伝達力を強化するためには、次のような方法が効果的です。
(1)好きな絵や楽曲を選び、そのどこが特に好きなのかを説明する
(2)絵本を声に出してゆっくり読んでみることで、言葉のリズムや表現力を養う
(3)英会話を学び、異なる言語でのコミュニケーション能力を鍛える
(4)自分の作品を大会やコンクールに出品し、他者からのフィードバックを得る機会を作る
(5)何かの分野で尊敬できる先生や先輩を見つけ、学びを深めるためのガイドラインを手に入れる
耳からの情報収集は得意だが
視覚情報の注意を欠く癒しタイプ
癒やしタイプの子どもは、家族やグループの中で非常に大切な存在です。このタイプの人は、優しさにあふれ、周囲の人々に安心感を与えるため、自然と場の雰囲気を和らげる役割を果たしています。癒やしタイプがいることで、まるで潤滑油のようにチーム全体が円滑に動くようになります。
しかし、問題は、癒やしタイプ本人やその周りの人々が、その価値に気づきにくい点にあります。さらに、癒やしタイプは耳からの情報収集が得意ですが、視覚情報に対する注意がやや不足しがちです。そのため、視覚系脳番地を強化することで、よりバランスの取れた情報処理ができるようになるでしょう。
視覚系脳番地を鍛えるためには、次のような活動を日常に取り入れてみましょう。
(1)日常的に散歩をしたり、歩く距離を少しずつ増やしたりして、周りの景色を楽しむ
(2)旅行を通じてさまざまな景色や文化に触れることで、視覚から新しい情報を得る
(3)球技の部活動に参加し、視覚と体の連携を高めるスポーツを体験する
(4)部屋の本棚を整理して、目に見える環境を整える
(5)玄関の靴を揃えるなど、日常の小さな整理整頓を意識して行い、生活空間を視覚的に美しく保つように心がける
「可もなく不可もなく」に見えて
実は悩んでいるバランスタイプ
バランスタイプの子どもは、可もなく不可もない性格のため、表面的には問題がないように見えることが多いです。しかし、親としては気づかないうちに、子どもが悩んでいたり、将来やりたいことが決まらず、漠然と日々を過ごしてしまったりすることが少なくありません。
もう少し自分の意見や考えを強く主張したり、使命感を持って行動したりすればよいのに、いつの間にか淡々と物事を終わらせてしまうのがこのタイプの特徴です。そのため、バランスタイプは、特に思考力をもう一歩伸ばして、自分の考えをもっと鋭く磨くことが求められます。
思考系脳番地は、15歳から16歳の時期に徐々に発達し始め、伸びやすくなるので、このタイミングを逃さずに鍛えていきましょう。
思考系脳番地を鍛える具体的な行動習慣はたとえば、次のようなものです。
(1)1カ月ごとに明確で具体的な目標を立て、達成に向けて計画的に行動する
(2)ボランティア活動に積極的に参加し、他者との交流を通じて新しい視点を学ぶ
(3)算数や数学の問題に取り組むことで、苦手を克服し得意分野に変える努力をする
(4)柔軟体操を毎日少しずつ行い、体の動きを意識することで、集中力を高める
(5)自分の興味を広げる習い事に挑戦し、さまざまな経験を積む
親しみやしさを持っているが
話を理解しないフレンドリータイプ
フレンドリータイプの人は、天性の親しみやすさを持ち、周囲の人々と自然に打ち解けて楽しい時間を共有する能力があります。この特性は、努力で身につけられる部分もありますが、生まれ持った才能による部分も大きいです。
ただし、フレンドリーなだけでなく、もっと深く相手の話を理解し、記憶に留めて対応できるようになることで、より深い信頼を得られるようになります。
理解力を鍛えるためには、次のようなステップを取り入れてみてください。
(1)検定試験に挑戦して、知識を深める努力をする。目標を持つことで集中力も高まる
(2)次の1週間のスケジュールを書き出し、予定をしっかり把握して行動に移す習慣を持つ
(3)勉強においては、予習を積極的に行い、学習内容を前もって理解しておく
(4)1冊の小説をじっくりと読み込み、物語を通じて多様な視点を理解する
(5)提出物は余裕を持って前もって準備し、期日を守る習慣を身につける
じっとしていられず
失敗が多い多動タイプ
多動タイプの子どもは、まるで回遊魚のように常に動き回り、1つの場所にじっとしていることが少ないです。このタイプは、一見したところ人の話を聞いていないように見えることもありますが、実はしっかりと内容を聞き取っていることもあります。
また、多動であるため、複数のことを同時進行したがる傾向があり、欲張りな一面もあります。このような子どもは、自発的で行動力(旺盛な行動力は、リスクの高さとも言えます)があるため、失敗も多いですが、その分成功のチャンスもたくさんあります。
結果として、多動タイプの人生は激動のものになりやすいです。
しかし、人の話をもっとじっくりと聞き、内容をよく理解してから行動すれば、不要な失敗を減らし、成功への道をよりスムーズに進むことができるでしょう。
聴覚系脳番地を鍛え、聞く力を高めるために、次の方法を実践してみましょう。
(1)今聞いた話をすぐに復唱することで、内容を確認し、記憶に残しやすくする
(2)授業や講義では、先生の話をノートにしっかりとメモし、情報を整理する習慣をつける
(3)楽器を演奏することで、聴覚を使いながらリズム感を鍛え、集中力を高める
(4)テレビよりもラジオを聴くようにし、耳から入る情報を意識して受け取る練習をする
(5)ゆっくりと深呼吸しながら、1から5まで数えることで、リラックスしながら集中力を高める
好奇心が旺盛でのめり込みやすく
運動不足になりやすいエキスパートタイプ
エキスパートタイプの子どもは、興味のあることに強く惹かれ、それに夢中になってしまう傾向があります。好奇心が旺盛で、好きなことにはとことんのめり込みますが、その反面、座ったまま長時間作業を続けることが多く、運動不足になりやすいという特徴もあります。
たとえば、釣りが趣味であれば外に出かけることもあるかもしれませんが、基本的には座っていることが多く、運動の習慣がつきにくい傾向があります。頭脳労働に偏りすぎてしまい、体を動かす機会が少ないと、行動力が伴わず、体力が落ちてしまう可能性があるのです。
そこで、運動系脳番地を鍛えるために、日常生活の中に少しずつ運動を取り入れていきましょう。以下を試してみてください。
(1)毎日ゆっくりとしたペースで腕立て伏せを5回行い、筋力を少しずつつける
(2)スクワットを5回行うことで、下半身の筋力を強化し、体のバランスを整える
(3)日常生活でできるだけ歩く距離を増やし、階段を使うなどの工夫をして、意識的に体を動かす
(4)格闘技や個人競技を習うことで、全身の筋力と持久力を鍛え、自己防衛の技術も身につける
(5)卓球やテニスなど、瞬発力と集中力を必要とするスポーツに挑戦し、体と頭の両方を使って鍛える

同書より転載

同書より転載

同書より転載

同書より転載

同書より転載

同書より転載

『子どもの脳は8タイプ 最新脳科学が教える才能の伸ばし方』 (加藤俊徳、SBクリエイティブ)