トランプ関税ショックの中で逆行高を演じる食料品関係の内需銘柄 山崎製パンは過去最高業績を更新見込み、円高進行も追い風に

円高進行も山崎製パンの業績向上の追い風に(時事通信フォト)
トランプ米大統領の関税政策によって、株式市場は不安定な状況が続いている。その中で、注目セクターの一つとなっているのが、食料品だ。今回は、好決算を出している食料品の企業をピックアップ、個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が解説する。
米国の貿易摩擦や関税の影響を受けにくい銘柄とは
トランプ関税ショックによりマーケットは依然、不安定な状況が続いている。関税政策の影響によって、特に外需企業の株価下落は甚大なものとなっている。
その一方で、関税の意義として忘れてはならないものが、「国内産業の保護」である。米・トランプ大統領の関税政策の目的も、自国の製造業の復権だと考えられる。
この問題が起こる前までは、日本株では利上げ基調の恩恵を受ける金融セクターに投資妙味があると見られていた。しかし、このような大きなショックが起こり、株価が軒並み下がる事態になってしまうと、利上げは株価上昇の障壁になるとも言われ、なかなか実行しづらくなる。つまり、金融セクターも投資対象から一歩遠ざけて見る必要があるだろう。
そのような状況下で、株式投資においては「休むも相場」という格言さながら投資にも消極ムードが漂い、環境的に厳しい状況が続いている。
しかし、このショックが関税に端を発するものであることに立ち返れば、米国との貿易摩擦や関税の影響を受けにくい内需型ビジネスで、好業績を出しているセクターや銘柄を探すことでチャンスを見つけることができる。
今回は、トランプ関税ショックでも逆行高を見せている、内需銘柄を食料品関係からピックアップして紹介したい。
円高が輸入原材料コスト低下につながる製パン大手
製パン最大手・山崎製パン(2212)は和洋菓子なども人気。コンビニも展開しており、子会社に不二家、東ハトなどがある。
同社はこのトランプ関税ショックにも逆行高をし、株価上昇を続けている。2024年12月期の本決算において、前期業績は売上、利益ともに過去最高となっており、2025年12月期も売上、利益ともにさらなる成長を見込み、最高業績をさらに更新する計画を発表している。
同社の株価が好調な理由としては、国内市場を主なターゲットとする内需型企業であり、景気変動や国際的な関税の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄であることが挙げられる。これは、トランプ関税ショックのような外部要因による市場の混乱時にも、比較的安定した業績を維持しやすい特徴と言えるだろう。
また、トランプ関税ショックにより、為替が円高に振れてきており、同社のビジネスにとって必要な小麦の輸入原材料コストが低下する。同社は前期において、原材料価格の高騰や物流費の上昇といったコスト増に対応するために、主力製品である食パンや菓子パンなどの価格の段階的引き上げを実行してきている。
トランプ関税ショックによる円高進行は同社の売上、利益を想定よりも増加させる可能性もあり、さらに円高に振れる局面が来れば、上方修正期待も高まるだろう。2025年12月期第2四半期決算は、8月上旬に発表予定である。
まとめ
トランプ関税ショックで株式相場は大荒れながら、影響を受けにくく、内需ディフェンシブ銘柄にスポットがあたっている。さらに価格の上昇を味方にできるセクターが食料品セクターは注目といってよい。
「There’s always a bull market somewhere」(いつもどこかに強気マーケットはある)の相場格言を体感するのも、投資の楽しみの一つである。
【プロフィール】
古賀真人(こが・まさと)/個人投資家、経済アナリスト、会社経営者、投資系YouTuber。1978年、埼玉大学経済学部卒業後、国内大手金融機関、外資系金融機関勤務を経て独立し、株式会社ライフサポートを設立。25年以上の株式投資経験を活かし、チャート分析からはわからない経済分析、個別企業分析をYouTube「カブアカちゃんねる」で展開。全決算を最速分析しているnote「カブアカマガジン」()を日々更新中。