天皇陛下と皇后雅子さま「ご成婚33年」愛子さまの幸せを願い、プロポーズの“約束”を守り続けた夫婦の絆

■天皇陛下と雅子さまの重なる歌のテーマ, ■愛子さまの幸せを願うお二人, ■雅子さまのフォローに天皇陛下が, ■天皇陛下は「友」、雅子さまは「愛」

 6月9日は、天皇陛下と皇后雅子さまのご成婚記念日。1993年に執り行われた「結婚の儀」から33年がたつ。いまも仲睦まじいお二人のこれまでのエピソードを振り返ると、深い信頼関係が浮かび上がる。

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 1993年1月19日、皇室会議を経てご婚約が正式に決まった当時の皇太子殿下(32歳)と小和田雅子さん(29歳)。同年6月9日に「結婚の儀」が執り行われ、今年で33回目のご成婚記念日を迎えるが、年を重ねるにつれ、仲睦まじさが増しているようにすら感じられる。

 そんな両陛下の仲睦まじいエピソードはたくさんある。愛子さまがお生まれになった頃から皇室番組の放送作家を務めるつげのり子さんは「近年は公の場にお出ましになるとき、陛下のネクタイの色と雅子さまのお召し物の色をそろえていらっしゃる。仲の良さが一目瞭然ですね」と話す。そのつげさんにお二人の心が温まるシーンをあげてもらった。

■天皇陛下と雅子さまの重なる歌のテーマ

 つげさんが挙げてくれた一つ目は、「歌会始の儀」の和歌だ。

「歌会始の儀で、天皇陛下と雅子さまは、似たテーマで歌を詠まれることが多いんです。たとえば、ご結婚された翌年がそうでした」

 94年の「歌会始の儀」のお題は「波」だった。天皇陛下(当時は皇太子さま)は【我が妻と旅の宿より眺むればさざなみはたつ近江の湖に】、雅子さまは【君と見る波しづかなる琵琶の湖さやけき月は水面おし照る】で、共に同じ場所(近江・琵琶湖)での情景を詠まれた。

「93年にお二人が滋賀県をご訪問されたときに、宿泊されたホテルの部屋からご覧になった琵琶湖の景色を詠まれたものでした。詠まれる過程で、会話を重ね、思い出話をふくらませておられるのでしょう。お歌ひとつとっても、仲睦まじくお暮らしになっているということがありありと伝わってきます」

■愛子さまの幸せを願うお二人

 愛子さまがお生まれになって2年余りが経った2004年のお題「幸」では、わが子の幸せを願う思いが込められていた。天皇陛下は【すこやかに育つ幼なを抱きつつ幸おほかれとわが祈るなり】、雅子さまは【寝入る前かたらひすごすひと時の吾子の笑顔は幸せに満つ】。

 お二人で見た美しい景色、家族3人で過ごす幸せなひととき――。歌のお題をきっかけに思い出を語り合われる両陛下のお姿が目に浮かぶようで、温かな気持ちになる。

■天皇陛下と雅子さまの重なる歌のテーマ, ■愛子さまの幸せを願うお二人, ■雅子さまのフォローに天皇陛下が, ■天皇陛下は「友」、雅子さまは「愛」

 即位後、令和になってからも似たテーマのことがあった。21年のお題「実」では、両陛下が新型コロナウイルス感染拡大の収束を願う気持ちを歌に込められた。天皇陛下は【人々の願ひと努力が実を結び平らけき世の到るを祈る】、雅子さまは【感染の収まりゆくをひた願ひ出で立つ園に梅の実あをし】。

「日頃から会話が多くていらっしゃるからなんだろうなと、仲の良さが本当に伝わります」とつげさんはいう。

■雅子さまのフォローに天皇陛下が

 つげさんが、次にあげるのは雅子さまの“とっさの行動”だ。22年9月、ロンドンで執り行われたエリザベス女王の国葬に参列した天皇陛下と雅子さまは帰国の途に就かれていた。

「空港に向かう車に乗られる時、雅子さまが何かに気づかれて、陛下にそっと声をかけられたんです。その後、イギリスの関係者らしき方々に、お二人でごあいさつをされました。最初はそのまま車に乗られるように見えたのですが、雅子さまが気づいて陛下にお伝えになったのだと思います。あの場面を見ると、雅子さまの細やかな心配りと、お二人の息の合ったご様子を感じます。何気ない場面でも、雅子さまがさりげなくフォローされる。まさに、阿吽の呼吸なんだろうなと思いました」

 公務の場でも、両陛下がうなずき合ったり、さりげなく目を合わせられたりするお姿を見かけることは少なくない。

「両陛下をよく知る方に取材しても、お二人はいつも阿吽の呼吸だそうです。雅子さまが『あのときのコンサート、素晴らしかったですね』と話しかけると、陛下も『あのときは良かったよね』と応じられる。『あの』だけで通じ合うほど、同じ時間や感動を共有されているのだと思います」

■天皇陛下は「友」、雅子さまは「愛」

 つげさんが最後に挙げたのは、昨年7月、天皇陛下と雅子さまが国賓としてモンゴルを訪問された際の場面だ。両陛下がホスタイ国立公園で、最古の野生馬とされるタヒ(モウコノウマ)を観察されたときのことだった。

■天皇陛下と雅子さまの重なる歌のテーマ, ■愛子さまの幸せを願うお二人, ■雅子さまのフォローに天皇陛下が, ■天皇陛下は「友」、雅子さまは「愛」

「国立公園の所長から依頼され、両陛下は誕生したタヒの子馬2頭に名前を付けられました。陛下は『友』、雅子さまは『愛』と名付けられました。どちらもまっすぐで温かな言葉ですが、モンゴルとの友好関係を大切に思われていることの表れでもあると思います。お二人から、そうした言葉が自然に出てくるところに、同じ方向を向いて歩まれているご夫婦の姿を感じました」

 大きな愛情で結ばれていると感じるシーンばかりだが、つげさんは、愛情以上にお二人の信頼関係の強さを感じると話す。

「お二人が大きな愛情で結ばれていることは、多くの人が感じていると思います。お二人の関係性を見ていると、陛下も雅子さまも、互いに交わした約束を大切に守り続けてこられたのだと感じます。陛下は有名なプロポーズの言葉の通り、雅子さまを一生全力でお守りし、そのお気持ちを貫いてこられた。そして雅子さまも、長い年月、陛下を支えてこられた。お二人が心をひとつにし、それぞれの思いを果たそうと歩まれてきた33年間だったのではないでしょうか。その絆は、これから先も変わらず続いていくのだと思います」

 33回目のご成婚記念日も、天皇陛下と雅子さまは愛子さまも交え、会話を重ね、笑顔でお過ごしのことだろう。

(AERA編集部・太田裕子)

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