【2026最新】全世界株式、S&P500、金=ゴールド「過去30年で最大いくら暴落したか」ワースト4・投信と同じく円建て検証/NISA応援

 NISAで投資中に相場が暴落したら、どれくらい損する? 過去の値動きから「最大の損失」「どれくらいで元に戻るか」をギリギリ直近まで検証した暴落最新版。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2026春号」から抜粋しています】

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 2025年の株価的に悪いニュースといえばトランプ関税ショックで、それも短期間でいったん落ち着いた。全世界株式やS&P500のインデックス投資信託(以下、投信)も概ね順調。時折訪れる「そよ風」のような急落は底値買いのチャンスに見えるほどだ。

 ただ、上がりっぱなしの相場はない。調子がいいときこそリスク点検を。なぜか? いざ下落相場になるとリスクを減らしづらいからだ。現金比率を増やすためには投信を売却しなければならない。

 急落して含み損を抱えた投信を売却するのは、つらい。よってリスク点検は好調相場のときがいい。利益が出ているときの一部売却は精神的にずっとラクだから。

■6割下落で戻り7年

 次に暴落の知識編。過去にどれくらい下がったかを知っておこう。

 全世界株式、S&P500に加え、2025年は米国株以上に爆騰した金(ロンドン金価格)を過去30年分調査し、下落率ワースト4を表にまとめた。

 データ分析をしてくれたのはアモーヴァ・アセットマネジメント(旧日興アセットマネジメント)チーフ・ストラテジストの神山直樹さん。

「全世界株式とS&P500が最も下落したのは2008年秋のリーマン・ショック。2番目は2000年のITバブル崩壊でした」

 リーマン・ショック時の全世界株式は1年4カ月下がり続けて、61.6%も下落。回復するまで6年2カ月もかかった。

 S&P500は1年9カ月下落が続き59.9%下落で、元の水準までは丸6年。

「金に関しては、リーマン・ショックはワースト2位で下落率28.6%。

 ワースト1位は欧州などの中央銀行が金を大量売却した1996年1月から3年7カ月続いた下落で、下落率は35.6%でした。

 元の水準まで回復するのに7年を要しています」

 金は少し特殊だが、全世界株式やS&P500などの場合、リーマン・ショックという最悪のケースでざっくり「資産6割減、回復に約6年」というのが最大損失と回復期間の目安になる。

 ただ、リーマン・ショックも今から数えて17〜18年前の話。国や中央銀行も「かつての◯◯ショック」を検証し、同じ悲劇が起こらないように対策を取ってきた。

「米国のFRB(連邦準備制度理事会)をはじめ各国中央銀行も過去の暴落から学んでいます。危機発生時に銀行の貸し渋りや流動性の枯渇が起きないよう、昔よりしっかりした制度になっています」

■リーマン級の暴落

 問題は米国のお上。トランプ第2次政権のベッセント現財務長官は金融機関の自己資本規制を緩和する方向だ。規制緩和が行きすぎればリーマン級の暴落もありうる。

 ワースト2位のITバブル崩壊では全世界株式が4年8カ月にわたって38.7%下落。回復までに7年1カ月かかった。

 S&P500は3年3カ月で37.7%の下落。回復まで6年9カ月の期間を要している。

 下落率はリーマン・ショックほどではないものの、下落期間と回復までに要した期間はリーマン・ショックよりも長い。

「下落率6割、回復まで6年」というリーマン型だけでなく「下落率4割、回復まで7年」というITバブル崩壊型も想定したリスク管理が必要だろう。神山さんは続ける。

「2000年のITバブルはインターネット関連に投資していればみんな儲かるという雰囲気でした。お⾦を借りてまで投資して、その資⾦を回収できなくなり、バブル崩壊となった形です。

 今のAI・半導体関連株の隆盛はそれとは異なります。ただ競争激化などにより、今はまだ⼩さい負債が⼤きく拡⼤すれば同じような道筋をたどる可能性もないとはいえません」

 では、2025年に60%以上も上昇した金の場合はどうか?

「金がここ最近上昇していたのは、米国と仲が悪くなった中国やロシアが『米国の制裁で保有しているドル資金を凍結されるぐらいなら、ドルを売って金を買ったほうがいい』と思いはじめたからです。

 金は平時に上昇しにくい性質がありましたが、中国、ロシア、インドなど中央銀行の機械的な買いで2026年も下値が切り上がっていく展開が考えられます。

 ある意味、『キャラ変した(キャラクターが変わった)』と言ってもいいですが、金はあくまで資産全体のバランスをとる程度に少額保有するべきもの。

 やはり資産運用のメインは、人間の努力や工夫がリターンを生み出す株式中心のほうがいい気がしています」

 最大6割マイナスの最長6〜7年待ちと聞けば、どんよりする。でも「6割減っても、6〜7年で元に戻るわけだから、7年間は取り崩す予定のない余裕資金で運用すれば問題ない?」とも思える。

「余裕資金とは、もし投資したお金が一瞬で消えたとしても(嫌は嫌でも)がまんして待てるお金といえます。初心者とそうでない人の違いは、自分がどれくらいの損失に耐えられるかをわかっているか、いないかが分かれ目です」

 ところで最近は60歳以上の投資初心者が周囲の儲け話を聞いて遅ればせながら投資デビューするケースも増えたらしい。

「先進国では子どもが独立して住宅ローンも払い終えた定年退職前後の50代から60代が最もリスク許容度が高いという調査報告もあるほどです。老後も運用を続ける場合、生活費と年金収入のバランスをチェックしておきましょう」

 インデックス投信以外の余裕資金は、どういった金融商品にプールしておけばいいのだろう。

 以前はどこに預けてもゼロ同然のため預貯金でも変わりなかった。

 だが! 日本には金利のある世界が戻ってきた。おすすめは個人向け国債の「変動10年」だ。

 2025年8月以降は6カ月連続で上昇。2026年2月募集分の金利は1.48%(年率、税引き前)だ。

 国が元本を保証しているので銀行預金以上に安心。預けてから1年以上たてば、いつでも引き出せる。

 証券各社の「MRF」という公社債投信を復活させる動きも出てきた。MRFは安全な投信の一種で、いつでも自由に株式や投信の購入に使える。利回りも高め。

 楽天証券が取り扱いをはじめた「楽天・マネーファンド」の2026年1月26~2月1日の平均利回りは0.682%(年率、税引き前)。銀行の普通預金に比べて有利だ。

 マネーファンドというと「安心とはいえ投信でしょ?」と不安になるかもしれないが、低リスクな公社債での運用は安全性が高い。

 たとえば個人向け国債や預貯金(預貯金も「運用」だ)など、元本保証のある金融商品と株式インデックス投信に50:50で投資していたとする。

 ◯◯ショックが来て、株式インデックス投信が半額になった。そうすると、全体で100あった資産が75まで減ることに。こうなっても夜、スヤスヤ眠れるかどうか?

 なお、個人向け国債か預貯金と株式インデックス投信を半分ずつ保有するのは本誌が以前から「標準的におすすめ」としてきた割合だ。

 投信が値上がりしすぎたら、一部を売って現金に戻し、再び50:50にする。これが「相場が好調なときならやりやすい、リバランス」である。

取材・文/中島晶子(AERA編集部)、安住拓哉

神山直樹(かみやま・なおき)アモーヴァ・アセットマネジメント チーフ・ストラテジスト。日興證券、ゴールドマン・サックス証券、モルガン・スタンレー証券などを経て2015年より現職。 ※一部社名は当時

編集/綾小路麗香、伊藤忍

『AERA Money 2026春号』から抜粋

・【図表4点】全世界株式オルカン「資産半減どころじゃない」歴代1位の暴落は?

・【図表3点】NISAで買う投資信託「この6本」から選べばOK!

・一番ラクで得なNISAの始め方「年6000ポイント確実にもらうには」「ネット証券はココ、投信はコレ」【NISA応援】