【2位は王子HD5.06%】10万円で買える高配当株ベスト30/NTT154円、ソフトバンク220円…新NISA応援

 一部ネット証券では1株から株が買えるが、昔から「10万円以下で買える株」は個人投資家に好まれる。安かろう、悪かろうを回避した低位高配当株ベスト30。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025秋号」から抜粋しています】

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 株に何百万円も投資できない人に「10万円株」はありがたい。金融ジャーナリストの岡村友哉さんに取材した。

「2025年4月、東証が上場企業に対して『最低投資金額を10万円程度に引き下げるように』要請しました。今後、低位株のバリュエーションが高まりそうです」

 新NISAで人気の高配当株として常に上位なのがNTTだが、株価154.3円(2025年6月19日現在/以下同)。

 買いやすさと知名度は個人投資家に人気の鉄板キーワードである。

 ソフトバンク(ソフトバンクグループではなく携帯キャリアのほう)の株価は220円。100株=2万円台で買えてしまう。

■安定株主が欲しい

「20年前は株価100円、200円の銘柄はイメージが悪いとまでは言いませんが『王道』ではなかった。業績不振や破綻(はたん)懸念のある銘柄も多かったですね。

 最近は分割がはやっていますし、単純に『株価が安いから危ない』とはいえない。投資金額10万円以下=株価1000円以下だと複数銘柄を買って分散できるのもいい」

 新NISAではバイ&ホールドの長期投資志向が強い。「モノ言う株主」の圧力にさらされやすい企業サイドとしては、安定株主として長期保有の個人投資家を味方につけたい思いもある。

 一時期、下火だった株主優待の新設が増えているのも、同じ背景だという。

「安かろう、悪かろうにならないために最低限の『ふるい』にはかけましょう。今回は今期の増益率がプラスで株価1000円以下の銘柄を母集団としました。

 トランプ関税の影響もあって、TOPIX(東証株価指数)採用銘柄の2026年3月期決算銘柄の期初予想平均値は3.5%減益という集計結果があります。

 そんな中で増益予想を打ち出せているだけで不安が薄まります」

 アナリストが「中立=0以上から最大=2.0」のレーティングをつけている銘柄、という条件も追加した。

「株価1000円以下でアナリストが高いレーティングを付与している銘柄=投資対象として『プロに相手にされている』銘柄です」

 さらに日経平均株価が「1」動いたとき、どの程度、値動きの影響を受けるかを示した「β(ベータ)値」でも絞り込んだ。

「日経平均株価に対する過去90日間のβ値が1以下だと、値動きが比較的落ち着いた銘柄といえます。配当狙いで長期保有するのであれば、値動きの荒い株を除く意味で。初心者は穏やかな銘柄のほうが」

 これらの「10万円株」を配当利回りの高い順に並べた(本記事上の表参照)。

■1位利回り5.08%

 1位は自動車ディーラーのVTホールディングスで、アナリストスコアは1.5(最高は2.0)。

 今期は32%の増益予想で日経平均株価に対するβ値は0.32と、全体相場の影響を受けにくい。それでいて配当利回りは(予想/以下同)5.08%。

「VTはホンダ車や海外での販売が伸びています。直近1年間の騰落率(2025年6月19日現在)もマイナス4.6%で、暴落ゆえの高配当利回りではなく『緩やかな右肩下がり』ぐらい」

 岡村さんが目を向けたのは7位のタウンズ。新型コロナとインフルエンザの同時検査キットの販売が好調で、業績と株価が共に堅調。

「2025年6月期も増配予想。新型コロナ以降、何かと感染症がはやりやすく、心配する人も増えました。検査キットに強いタウンズには追い風となります」

 18位のフリューはプリントシール機で高シェア。クレーンゲームのぬいぐるみなども手がけ、海外展開も積極的だ。

※編集部注:プリントシール機、クレーンゲームはセガの「プリント倶楽部(プリクラ)」「UFOキャッチャー」といえばイメージしやすいはず

「フリューは2025年3月期が減益になったことで下落し、配当利回りが3.92%まで上がっています。底値圏での買いのつもりで」

 時価総額大きめのところも少し。2位の王子ホールディングスはアナリストスコアが2.0の最高評価で、今2026年3月期は40%超の増益予想、β値が0.32で値動き安定と三拍子そろっている。

「王子ホールディングスは2025年度以降、配当性向を50%以上に引き上げる中期経営計画(2027年度まで)を5月末に発表し、アナリスト評価が上がりました。

 向こう3年間で1200億円の自社株買いの計画もあります」

 株主還元策では、23位のヤマダホールディングスも。今期から2030年3月期までの5年間で配当性向40%と自社株買いなどで合計1900億円の株主還元計画を打ち出した。「ヤマダデンキ」でおなじみの家電量販店だ。

「株価はどっちつかずの展開で配当利回り3.80%。株主優待があって(店舗で使える買い物券)、長期保有しやすい」

■100円から株

 ネット証券ユーザーなら1株投資サービスを使えば値がさ株も余裕で買えるが、100株単位での自由な売り買いは株式投資の妙味。

 と言いつつ最近では「1株から買えます」ではなく「ワンコインから株を買えます」という新サービスが登場している。楽天証券の「かぶピタッ」がそれだ(2025年7月16日サービス開始、現在は新NISA口座限定)。

 株数ではなく、金額を指定して日本株を買える。なんと最低100円から。こちらの対象銘柄数は1011銘柄(2025年9月5日現在)で順次拡大予定という。

 株価にこだわらずに投資できる時代がやってきた。

取材・文/中島晶子(AERA編集部)、安住拓哉

岡村友哉(おかむら・ゆうや) 金融ジャーナリスト。国内大手証券、投資情報会社を経て独立。日本株を20年以上ウォッチ。2010年から経済番組のキャスターを務める

編集/綾小路麗香、伊藤忍

『AERA Money 2025秋号』から抜粋