【消えゆく国鉄型機関車】さようなら、重連運用...東も“残り3機”「山男」EF64の今

EF64形 2025年01月31日撮影

1980年に登場したEF64形1000番台。奥羽本線の板谷峠や中央本線といった中程度の勾配線区向けに開発されたEF64形0番台の改良形で、現在もJR貨物とJR東日本の2社が保有しています。今回は、ダイヤ改正からおよそ2か月が経過した、各社のEF64の現状をご紹介します。

【JR貨物】

愛知機関区に30機が在籍する、JR貨物のEF64。2025年3月のダイヤ改正では、愛知区EF64の名物とも呼ぶべき中央西線での重連運用が消滅。中京圏での定期運用は1仕業を除き全てがEH200形などへ置き換えられ、ダイヤ改正で変更のなかった伯備線の4仕業がメインとなっています。同時に、2024年ごろから若い番号の車両を中心に廃車の動きも本格化しており、現在残る30機はいずれも「EF64 1020」以降の車両。ダイヤ改正で運用数が大幅に減少したこともあり、今後廃車が進展するものと見られます。

EF64形 2025年05月20日撮影

©レイルラボ Muchikoさん

【JR東日本】

JR東日本には、2025年4月時点でぐんま車両センターに2機、新潟車両センターに4機の合計6機が在籍。一部は、長岡車両センター所属時代に寝台特急「北陸」や「あけぼの」を牽引した実績を持ちます。2025年3月までは甲種輸送や廃車回送を中心に稼働していましたが、4月から5月にかけて、ぐんま車両センター所属のトップナンバー機「EF64 1001」とラストナンバー機「EF64 1053」の2機が長野車両センターへ回送。EF64形1000番台の“トプナン”・“ラスナン”ということで、展示保存などについて今後の動向が気になるところです。

JR東日本のEF64で残るのは、「EF64 1030」「EF64 1031」「EF64 1032」の3機。この3機はいずれも客車や貨車で使用される自動連結器と、電車で使用される密着連結器の双方に対応した「双頭連結器」を備える車両たち。貨車や客車だけでなく電車の牽引も可能なことから、甲種輸送や廃車回送に使用。特に、廃車となった車両を解体施設がある秋田や長野へ牽引することから「死神」の愛称で親しまれています。一方これまでに廃車されたEF64は、いずれも自動連結器のみを装備した車両。装備する連結器の種類がその明暗を分けていると言えます。残る3機に関しては、「EF64 1032」が5月に配給輸送を担当、同月には「EF64 1030」がお召し機「EF81 81」と重連でカシオペア紀行を牽引し話題に。現時点では稼働しているものの、活躍が安泰であるとは言い切れず、その今後が注目されます。

EF64形 2025年05月18日撮影

©レイルラボ お殿様さん

E217系の廃車回送を行うEF64形 2025年03月26日撮影

©レイルラボ よこくら131さん

以上、JR東日本・貨物で活躍するEF64の現状をご紹介しました。重連運用の消滅や運用削減、廃車の進展など4月以降に寂しい話題が続くEF64形1000番台。登場から約45年にわたって活躍を続けていますが、その姿が伝説となるのもそう遠くない話かもしれません。勾配線区へ挑む「山男」の足跡が過去のものとなる前に、その活躍を記録や記憶にとどめてみてはいかがでしょうか。