スシローが中国で50店舗超 消費不振の中、コスパで定評の日系飲食チェーンが存在感増す

中国浙江省杭州市で30日にオープンする回転ずし大手「スシロー」の1号店=25日(三塚聖平撮影)
【杭州=三塚聖平】日本の回転ずし大手「スシロー」が中国で躍進している。30日には東部の浙江省で初出店を予定しており、中国本土進出から4年足らずで50店舗超の規模になった。景気低迷で〝消費不振〟が続く中国で、コストパフォーマンスに定評のある日系飲食チェーンが存在感を増している。
開店初日10時間待ちも
スシローは25日、浙江省杭州市の1号店で内覧会を開き、地元メディアやインフルエンサーら30人以上が集まった。杭州はインターネット通販のアリババ集団や、新興AI(人工知能)企業「ディープシーク」などハイテク産業の集積地として経済に勢いがある。
新店舗には大型ディスプレーにすしが流れる様子を再現して画面に触れて注文できる「デジロー」や、日本の回転ずし店では珍しい個室を設置。価格は1皿10元(約200円)からだ。

回転ずし大手「スシロー」1号店の内覧会には中国のインフルエンサーらが集まった=25日、中国浙江省杭州市(三塚聖平撮影)
スシローは2021年9月に南部の広東省広州市に中国本土1号店を開いた。出店地域を着々と拡大させ、昨年夏には北京市1号店で初日に10時間を超える待ち時間となるなど中国人客をつかんでいる。今月には広東省珠海市にも進出し、杭州1号店は中国大陸で53店舗目になる。
原発事故の逆風和らぐ
スシロー運営会社の現地法人、北京寿司郎餐飲の松田一成董事総経理は「コストパフォーマンスや鮮度、メニューの豊富さに加え、デジローなどで『楽しい』といった評価をもらっている」と手応えを語った。
中国では不動産不況を背景に消費不振が続く。24年の消費者物価指数(CPI)は前年比0・2%上昇で、伸び率は14年ぶりの低さを記録した23年と同じだった。デフレ懸念を払拭できず、消費者が財布のひもを締めているため特に飲食店への逆風は増している。
そうした環境下でコスパを武器に日系回転ずし大手が都市部を中心に受け入れられており、「くら寿司」や「はま寿司」も中国各地で出店を進める。23年の東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を受けて海鮮など日本食への風当たりが増したが、昨年9月に日中両政府が規定に合致した日本産水産物の輸入を段階的に再開することで合意したこともあり逆風も和らいだ。

提供されるメニューの一部。手前は中国で人気という「フォアグラキャラメリゼ」=25日、中国浙江省杭州市(三塚聖平撮影)
回転寿司以外でも日系飲食チェーンが店舗展開を進めている。今年2月には焼き鳥チェーン「鳥貴族」が上海市に1号店をオープン。03年に中国本土に進出したイタリア料理レストラン「サイゼリヤ」は400店舗以上を展開している。