70歳代、おひとりさまの貯蓄額はいくら?〈厚生年金+国民年金〉「ほんとうの金額」から老後生活を考える

70代世帯の平均貯蓄額・年金受給額をデータで検証

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70歳代、おひとりさまの貯蓄額はいくら?〈厚生年金+国民年金〉「ほんとうの金額」から老後生活を考える

朝晩の冷え込みが強まり、光熱費や医療費の上昇が家計を圧迫しやすい季節になりました。

高齢世帯の姿は大きく変化しており、厚生労働省の調査によると「おひとりさま世帯」が最も多くなりました。

家族と暮らすのが当たり前だった時代から一転し、「おひとりさま」で老後を迎える人が増えています。そんななか、70歳代単身世帯の貯蓄額を見る限り、決してゆとりがあるとは言えません。

さらに年金額も男女差や個人差が大きく、物価上昇や医療費の増大を踏まえると、老後の生活設計はますます重要になります。

本記事では、おひとりさまシニアの貯蓄額や年金の平均受給額を整理し、人生100年時代に備えるための視点をお届けします。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

「65歳以上の単身世帯」はどのくらいあるのか

厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、高齢世帯の構成に大きな変化が見られます。

かつて主流だった「三世代世帯」は減少を続ける一方で、「単身世帯」は増加傾向にあり、以下のような割合となっています。

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高齢世帯の構成に大きな変化

・単身世帯:32.7%

・夫婦のみ世帯:31.8%

・親と未婚の子のみの世帯:20.4%

・三世代世帯:6.3%

・その他の世帯:8.8%

単身世帯の割合は32.7%と、全体でもっとも多く、「夫婦のみ世帯」を上回る結果となりました。

この背景には、配偶者との死別や離婚、未婚率の上昇、子どもと別居するライフスタイルの定着など、家族のあり方の多様化があると考えられます。

【70歳代のお金事情】単身世帯の平均貯蓄額はいくら?

続いて、70歳代・単身世帯の平均貯蓄額もチェックしていきましょう。

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70歳代・単身世帯の金融資産保有額(金融資産非保有世帯含む)

・金融資産非保有:27.0%

・100万円未満:5.1%

・100~200万円未満:5.7%

・200~300万円未満:4.9%

・300~400万円未満:3.9%

・400~500万円未満:2.2%

・500~700万円未満:7.3%

・700~1000万円未満:5.9%

・1000~1500万円未満:8.9%

・1500~2000万円未満:4.7%

・2000~3000万円未満:6.1%

・3000万円以上:15.9%

・無回答:2.4%

70歳代・単身世帯の貯蓄額は、平均値1634万円、中央値475万円となっています。実態をより反映しているのは中央値であり、この水準では長寿化に伴う生活リスクへの備えとしては不十分とも言えます。

また、「金融資産を保有していない世帯」が全体の27.0%を占めており、老後に向けた準備はできるだけ早いうちに始めることが重要です。

国民年金と厚生年金の平均月額はどのくらい?

厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金と国民年金の平均月額を見てみましょう。

※厚生年金の金額は、国民年金部分を含む

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厚生年金・国民年金の平均月額

〈全体の平均年金月額〉

・厚生年金:14万6429円

・国民年金:5万7584円

〈男性の平均年金月額〉

・厚生年金:16万6606円

・国民年金:5万9965円

〈女性の平均年金月額〉

・厚生年金:10万7200円

・国民年金:5万5777円

基礎年金部分を含めた厚生年金の平均月額は14万6429円となっており、男女間では約6万円の差が見られます。

また、厚生年金の受給額は収入と加入期間に大きく左右されるため、1万円未満~30万円以上と個人差が大きくなります。

【老後の悩み】還暦以降の不安は「健康」と「お金」

70歳代の貯蓄額や年金額について見てきましたが、実際にシニア世代が老後に対してどのような不安を抱いているのかも気になるところです。

PGF生命の「2025年の還暦人に関する調査」によれば、60歳以降の人生で不安に感じていることの上位は、次のような内容でした。

還暦以降(60歳以降)の不安ランキング

・1位:身体能力の低下(病気や寝たきりなど)……48.5%

・2位:収入の減少(雇用形態の変化など)……35.8%

・3位:物価上昇……34.4%

・4位:自分の介護……34.1%

・5位:判断能力の低下(認知症・車の運転など)……32.8%

健康とお金に関する不安が、上位を占めていることがわかります。

また、同調査では「人生100年時代への備え」として、具体的に取り組んでいることについても聞いています。

人生100年時代に向けた備えとして行っていること(複数回答)

・1位:健康診断の受診……32.2%

・2位:体力づくり……31.5%

・3位:貯蓄……30.8%

・4位:食生活の見直し……18.4%

・5位:資産運用(新NISAなど)……17.0%

ここでも「健康」と「お金」への対策が多く挙がっており、老後を見据えた生活設計が重視されていることがわかります。

特に単身で老後を迎える「おひとりさま世帯」にとっては、収入や支出のバランス、体調管理のすべてを自分ひとりで担う必要があります。

だからこそ、健康維持と資金準備は、早い段階から考えておきたいテーマといえるでしょう。

民間の医療保険で備える高齢者も多い

生命保険文化センターの「令和4年 生活保障に関する調査」によると、医療保障を生命保険などの民間保険で準備している人は、60歳代では男性が75.4%、女性が77.2%にのぼります。

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【年齢別】医療保障に対する私的準備状況

一方、70歳代ではいずれも65%前後にとどまり、60歳代と比べて加入率はやや低下しています。

長年加入していた保険を「保険料負担の軽減」や「保障の見直し」を理由に解約する人が増えるほか、公的医療制度による自己負担軽減や高齢者医療制度への移行を踏まえ、民間保険の必要性を感じにくくなるケースがあるためです。

持病があっても保険に入れる?メリットとデメリットまとめ

高齢になると、持病や既往症があるために保険へ加入できないと思う人は少なくありません。

しかし、実際には健康状態に不安がある人でも比較的加入しやすい「引受基準緩和型保険」と呼ばれる商品があります。

この保険は、一般的な医療保険に比べて加入時の告知項目が少なく、審査のハードルが低い点が特徴です。

一方で、このような持病があっても入れる保険は、保険会社や商品によって加入条件や保障内容が異なります。保険料が割高になる場合や、一定期間は保障が制限されることもあるため、事前によく調べておく必要があります。

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持病があっても入れる保険のメリットデメリット

このように、民間の保険で備えることも検討しつつ、老後に向けた準備を少しずつ始めていきましょう。

参考資料

・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」

・金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」

・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」

・PGF生命「2025年の還暦人に関する調査」(2025年5月13日公表)

・生命保険文化センター「令和4年 生活保障に関する調査」

・ほけんのコスパ「【プロが解説】持病があっても入れる保険は?メリット・デメリットや賢い選び方」