SNSで話題呼ぶ元金担保型の福袋、1万9000袋は完売でも「あきらめるのはまだ早い」

グラフィック・石毛杉太郎
物価高のなか、購入額と同等か上回る額の食事券や割引券などが入った飲食チェーン店の「元金担保型」の福袋が人気を呼んでいる。セット内容の情報がSNSを賑(にぎ)わせ、事前予約分は完売が相次ぐ。しかしあきらめるのはまだ早い。これから店頭販売がある福袋をまとめた。
正月ならではのワクワク感

「大戸屋ごはん処」の福袋に入っている七味は老舗メーカー「八幡屋礒五郎」とのコラボ商品
「大戸屋ごはん処」の福袋(5000円)は、6000円分の割引券と、生のりの佃(つくだ)煮や、しそひじきなどのご飯のお供、七味など総額5250円相当の自社商品のセットを保冷バッグ入りで販売。インターネットでの事前予約分1万9000袋は1週間ほどで完売したという。26日からは各地の店頭で1万3000袋を販売。例年、発売初日に売り切れる店舗もあるという。「人気商品なので今年も早期に完売するかもしれません」(担当者)

「大戸屋ごはん処」の福袋に入っている総額5250円相当の自社商品と6000円分の割引券
ケンタッキーフライドチキンの福袋(3500円)にはオリジナルチキンやバーガーなどの総額5350円相当の引換券が入っている。人気メニューの一つ、ビスケットの形のお昼寝枕つきで、担当者は「福袋限定のオリジナルグッズによって正月ならではのワクワク感や特別感も感じてもらえれば」と語る。事前予約はすでに締め切っていて、元日に店頭販売を開始する。

「ケンタッキーフライドチキン」の福袋に入っているビスケットの形のお昼寝枕
人気キャラクターとコラボ
人気キャラクターのグッズと組み合わせた福袋もある。サンリオのマイメロディとクロミのグッズ入りの福袋(5000円)を販売するのは、ハンバーガーチェーンの「モスバーガー」だ。同額の食事券のほかに、マイメロディとクロミの顔をかたどったポーチつきのエコバッグや、絵柄入りの皿などが、かわいい巾着に入っている。
モスフードサービスによると、インターネットでの事前予約分は過去最速の約1週間で完売したという。30日から一部の店舗で店頭販売を予定している。
ゼンショーホールディングス傘下のハンバーガーチェーン「ロッテリア」と「ゼッテリア」では、癒やし系キャラクター、リラックマとのコラボグッズを福袋(4900円)に。ほぼ同額の食事券も封入している。同じく傘下の「なか卯」も福袋(3000円)を19日に発売。担当者は「来店の機会が増え、気軽にメニューを注文してもらうきっかけになればと考えています」と語った。
「購入できたら見せたくなる」
飲食店の「元金担保型」の福袋が注目される背景について、「3、4年ほど前から圧倒的な支持を得るものが目立つようになった」。こう話すのは、インターネットサイト「福袋カレンダー」を運営する、福袋研究家の米倉勝巳さんだ。その時期はちょうどコロナ禍で飲食店から遠のいていた利用客が戻り始めた時期と重なる。「あの頃、店舗に来てほしいと願う飲食店が集客の策を懸命に練った時期だった」と米倉さんは語る。
物価高の中、お得感で注目されたことも大きい。
「すぐ完売するため、購入できた人はSNSで見せたくなる。期限つきの券も多いけれど、店によく行く人にとっては、すごくメリットがあるはず」。年末にかけて飲食チェーン以外の福袋も発売が相次ぐ。SNSが戦利品自慢の投稿でさらに賑わいそうだ。(竹中文)