金=ゴールド上昇いつまで? 今から買うと高値づかみにならないか【金投信&ETF最安リスト保存用もどうぞ】NISA応援

 2025年10月下旬までの金の値上がりは強烈だった。今後はどれくらい儲かる? 今から金の投資信託をうと高値づかみにならないか? もし買うなら、どれが低コストで損しない?【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025冬号」から抜粋しています】

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「金は守りの資産」というのが定番のセールストーク。2025年10月中旬までの国内金は「守り」どころか超攻撃型といえるほど急騰していた。

 新NISAでも金に投資したほうがいいのか。まずは上がりっぷりを振り返ろう。2015年9月を0%として過去10年間の比較チャートを作った(下の図)。

 金、米国のS&P500、日本のTOPIX(東証株価指数)の指数と指数の推移を比べると、なるほど。2025年に入って、金の上昇率がS&P500を抜いてしまった。ここ何年も世界最強といわれてきたS&P500をあっさりと。異常な感じすらある。

 2004年から2025年9月末までの「1年ごとのリターン」も表(次のページ)にまとめた。データを出してくれたのはSBI証券投資情報部シニア・ファンドアナリストの川上雅人さんだ。

 2024年の1年間はS&P500が39.3%、TOPIXは20.5%、金は39.9%で金が米国株よりわずかに勝った。

 2025年の年初来(9月末まで)で、S&P500が8.0%、TOPIXが15.3%に対して、金は37.9%も。

■ドル建て金46%上昇

「2025年は世界的なドル安が進んだこともあり、円換算で見ると金の37.9%が輝いています。

 表には入っていませんが、新興国株式は中国株の好調で20.0%。国内REIT(不動産投資信託)が20.7%など、S&P500の8.0%を超える資産が続出」

 川上さんに、円建てではなく米ドル建てでも調べてもらった。

「米ドルベースで見ると、ほとんどの資産が好調です。S&P500は14.8%、全世界株式は18.9%、新興国株式は27.5%。そして金は46.6%と強烈です」

 この上昇を見て、金の現物を買う人が増えた。そして金のインデックス投資信託(以下、投信)も売れている。

 金の投信で信託報酬が一番安いのは「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」。販売するSBI証券のデジタル営業部次長・山﨑由美子さんに話を聞くと、やはり非常に売れているという。

「この投信の2025年8月の月間資金流入額は103.85億円でした。前年同月は10.39億円だったので約10倍です。

 資金流入だけでなく金の価格上昇による値上がりもあり、純資産総額は2025年9月19日で1192億円。今年に入ってから9カ月弱で4.5倍、930億円も増えた計算に」

 山﨑さんによると、直近60日間の購入者は40代が28%で最も多い。20代が11%、30代が21%で、若者も買っている。

 金に投資家が集まる理由として考えられるのは「通貨の下落やインフレへのヘッジ」だという。

「金を持っていれば、長期的にインフレ率以上のリターンを期待でき、『インフレ負けしない』点が好感されているのでは。とりわけ日本は実質金利が現状はマイナス2%台と極端に低く、金への資産逃避需要は切実かもしれません」

■金の投信ベスト8

 金の投信の定番といえば「三菱UFJ 純金ファンド」だ。純資産総額5522億円(2025年9月19日現在)で規模としてはトップ。

 ちなみに2位は「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」。ベスト8本を次ページの表にまとめた。

 純金ファンドを運用する三菱UFJアセットマネジメントのカスタマー・コミュニケーション部推進戦略グループマネジャー・野尻広明さんにも数字を聞いた。

「『三菱UFJ 純金ファンド』への資金の純流入額は、2024年の1年間が708億円だったのに対し、2025年は9月22日時点ですでに1470億円と2倍以上に増加していました」

 金への投資手段として、金のETF(上場投信)という手もある。金ETFの王様は、三菱UFJ信託銀行が管理する「純金上場信託(現物国内保管型)」である。ちなみに先ほどの「三菱UFJ 純金ファンド」は「純金上場信託を買うだけ投信」。

 主要ネット証券5社の新NISA口座で2025年6~9月に買われた東証ETFの中で、「純金上場信託」は買い付け金額でトップになった。

 上位が指定席だった野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」に2倍以上の差をつけて、横綱級のトップに。

 純金上場信託なら、一定の口数を超えると、国内に保管された実際の金の現物と交換することもできる(小口転換)。

 小口転換は1回当たり1~5キロ(1キロの整数倍)の単位で受け付けていて、1キロの地金に転換するには1068口が必要(2025年10月3日現在/以下同)。

 これは当日の東証における取引価格ベースで約1800~2000万円相当となる。国内保管の金に裏付けされている点が頼もしい。

 純金上場信託を管理する三菱UFJ信託銀行の証券代行部海外業務推進室調査役・畠山知子さんに聞いた。なぜこんなに金は上がっているのか。素人目には「有事」という感じもせず。

「金の価格上昇には中東紛争やロシア・ウクライナ戦争による『有事の金』で買われた側面以外の理由もあります。

 米国と距離を置く中国などの中央銀行が米ドルの外貨準備を減らして、代わりに金の組み入れを増やしていることも影響しているようです」

 トランプ政権による米国の利下げ圧力で、米ドルを保有していても金利が今ほどつかなくなるのを嫌った「金への代替投資」。

■一括購入? つみたて?

 日本国内の人気からわかるように、インフレ対策としての金の魅力もある。2026年も金人気は続きそうだ。

 これから買ったら高値づかみになるんじゃないの……という気もするが、筆者もそう言い続けて20年。激しく上がっているのはここ数年だが、それより前も緩やかに上がり続けてきた。買うなら目をつぶって買うか、つみたて投資がいいのかも。

 先ほど話を聞いた三菱UFJアセットの野尻広明さんに金の投資比率は何割が最適か聞いたが、論理的な数字は出しづらいという。

 最近のリターンからはじき出そうとすると、金のほうが上がっているので「S&P500や全世界株式(オルカン)より金を多く買っていた人のほうが儲かりましたね」となってしまうらしい。

「インフレ対策という意味では、株式の投信もインフレに強い金融商品です。日本円や米ドルといった貨幣のリスクに備えるという意味合いであれば、つみたての一部を振り分けて投資するなどが考えられるのではないでしょうか」

 金の投信の「変わり種」も売れはじめた。アモーヴァ・アセットマネジメント(旧日興アセットマネジメント)の「Tracers S&P500ゴールドプラス」がそれだ。

 レバレッジを利かせて、S&P500と金にそれぞれ資産の約2倍ずつを投資する。2022年8月の設定以来、基準価額は3倍以上に。ハイリスクで初心者向きではないが(新NISAでも買えない)、中上級者が飛び乗っている様子。

 2025年1月には、このナスダック版「Tracers NASDAQ100ゴールドプラス」も設定され、やはり人気だ。

 ETFの世界では、米国の巨大運用会社ブラックロックが信託報酬(税込み、年率/以下同)0.22%の「iシェアーズ ゴールドETF」を2025年1月に上場させた。

 この人気を見たのか、野村アセットの「NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信」(以下、NF金価格連動型ETF)が9月24日に信託報酬を0.55%から0.22%に引き下げた。

 ここに大和系の運用会社、グローバルXジャパンが切り込んだ。「グローバルX ゴールド ETF」が9月26日に上場(信託報酬0.1775%)。

 11月19日には「ステート・ストリート・スパイダー ゴールドETF」も上場。信託報酬はグローバルXよりわずかに安い0.177%である。

 ステート・ストリートの金ETF上場が発表された直後、さらに野村アセットは動いた。

 NF金価格連動型ETFの信託報酬をこの短期間で再び引き下げ、0.176%と発表したのだ(適用は10月30日~)。

 2025年10月23日現在の情報では、野村の金ETFが最安である。

 しびれる展開になってきた。いや、ありがたい。

取材・文/中島晶子(AERA編集部)、安住拓哉

山﨑由美子/SBI証券 デジタル営業部 次長。対面証券会社の営業を経験後、2014年、SBI証券に入社。貴金属や外国株式のデジタル・プロモーションに従事

野尻広明/三菱UFJアセットマネジメント カスタマー・コミュニケーション部 推進戦略グループマネジャー。2011年に慶應義塾大学大学院卒業後、三菱UFJ投信(当時)入社。投資信託のつみたてなどによる長期投資を普及

編集/綾小路麗香、伊藤忍

『AERA Money 2025冬号』から抜粋

・【どれが一番儲かるか】米国株vs日本株vs金のリターン比較表はこちら(表3点)

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