今、パリで「日本のおにぎり」が大流行している理由。フランス人が好きなおにぎりの3大特徴は?

パリでは今、日本の「おにぎり」が大流行中です。手頃でヘルシーで便利……とフランス人からも評判のおにぎりですが、フランスの人々におにぎりはどう映っているのでしょうか。パリ在住の筆者が現地からリポートします!
誰もが愛する日本のソウルフード、おにぎり。そんなおにぎりが、遠く離れたフランス・パリで今、大ブームになっています。おにぎりを扱う専門店は、数年前からパリに存在していました。しかし現在では、フランス人が利用する普通のスーパーマーケットでも見かけるほどに。サンドイッチと並ぶ「軽食」として、その知名度をどんどん上げています。
値段は1個が3ユーロ(約470円)前後と高めですが、健康志向のパリジェンヌを中心に、すしやラーメンに代わる日本食として人気を集めています。
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日本のアニメでじわりと広まったおにぎり
少し前までは、おにぎりを知るフランス人は「少数派」でした。彼らの多くは、小さい頃に慣れ親しんだ日本のアニメや漫画の影響を受けたといいます。それでも、おにぎりは「アニメに登場する小さな三角の食べもの」という認識でしかなかったのです。そんな彼らも成長し、今では30~40代の経営者世代に。バカンスを利用して訪れた日本での経験を元に、パリで「おにぎり専門店」をオープンし、母国のフランス人に向けて「日本のリアル」を伝えるようになりました。
パリのカフェで見かけたおにぎり。具材はツナ柚子(左)と、照り焼きチキン(右)
もちろん、パリで専門店を営む日本人経営者の努力、尽力もあります。おにぎりは、こうして少しずつその知名度を上げていきました。フランス人に人気のおにぎり。3つの大きな特徴は?
パリにある「ONIGIRIZ(オ二ギリズ)」も、フランス人が経営するおにぎり専門店の1つです。
モダンな内装の「ONIGIRIZ(オ二ギリズ)」
「ONIGIRIZ(オ二ギリズ)」のオーナーは、フランス人のトムさん。トムさんによれば、「5年前はおにぎりを誰も知らなかった」とのことです。しかしトムさんは試行錯誤を繰り返し、フランス人好みのおにぎりを作ることに成功しました。
「ONIGIRIZ(オ二ギリズ)」に並ぶおにぎり
フランス人の好みとはズバリ、「のりなし」「ヴィーガン向けの具材があること」、そして「2つ以上の具材」です。形はもちろん、三角形で!「ONIGIRIZ(オ二ギリズ)」の具材は日替わりで、1日4種類ずつ販売していますが、筆者が訪れた際には「卵×ソーセージ」「チキン×レモングラスとオニオンソース」「ネギ×みそ」「ツナマヨ×わさび」がありました。なお、この日の最も人気だったのは「卵×ソーセージ」ということでした。
人気の「卵×ソーセージ」。のりは巻かず、ゴマやふりかけをON
のりを巻かない理由は、「海藻が苦手なフランス人が多い」ため。確かに、フランス人には海藻を食べる習慣がありません。「ONIGIRIZ(オ二ギリズ)」ではのりを巻く代わりに、フランス人にも人気のゴマ(ふりかけ)をまぶし、見栄えを良くしたそうです。おにぎりブームは健康志向が後押しに

「ONIGIRIZ(オ二ギリズ)」のランチメニュー。おにぎり2つとみそ汁のセット
パリでおにぎりがブームになった理由については、「ヴィーガン向けにアレンジ可能」ということと、「グルテンフリー」の2つが大きかったようです。これらは今、パリの飲食シーンでは欠かせないこと。おにぎりはそんな時代のニーズに応えていたのでしょう。おいしさと目新しさ、ヘルシーさが現代パリジャン、パリジェンヌの心をがっちりとつかみました。
スーパーマーケットには「酢飯」のおにぎりも

スーパーマーケットの「BENTO(弁当)」コーナー
一方で、フランスのスーパーマーケットにもおにぎりが並ぶようになっています。スーパーマーケットの軽食コーナーといえば、以前はサンドイッチやサラダといったシンプルなものばかりだったのですが、現在ではアジア系の食材を扱う「BENTO(弁当)」コーナーを設けるところがかなり増えてきました。ただスーパーマーケットのおにぎりは、ほとんどが「酢飯」ベースです。その味は日本のコンビニで販売されている、手巻きずしのご飯に少し似ていました。
実際、フランス人は「酢飯」が大好きです。筆者が日本の手料理を振る舞ったときも、「ちらしずし」など酢飯を使った料理がフランス人に大好評でした。
このようにパリでは、日本のおにぎりがトレンド食になっています。多少アレンジされてはいるものの、ステレオタイプではない「日本の日常食」が広まるのはうれしいことです。
この記事の筆者:大内 聖子 プロフィール
フランス在住のライター。日本で約10年間美容業界に携わり、インポートランジェリーブティックのバイヤーへ転身。パリ・コレクションへの出張を繰り返し、2018年5月にフランスへ移住。2019年からはフランス語、英語を生かした取材記事を多く手掛け、「パケトラ」「ELEMINIST」「キレイノート」など複数メディアで執筆を行う。
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