懐石料理のマナー完全版|「懐石 辻留」に学ぶ作法と、迷わない上座・下座の基本

懐石料理のマナー完全版|「懐石 辻留」に学ぶ作法と、迷わない上座・下座の基本
冠婚葬祭のような特別な日のしきたりではなく、食事のシーンの決まり事など、日常生活のマナーとして知っておきたいことをまとめます。
ここでは、会食時のマナーをご紹介します。周囲の人と気持ちよく過ごすために、立場や場所に応じた振る舞いや、会食のシーンで心得たいことをおさらいしましょう。
上座・下座を知る
上座というのは、よい席のこと。眺望のよいレストランであれば景色が最も美しく眺められる席、足の悪い方なら出入り口に近かったり、スペースが広く座りやすい席が上座となり、左利きの方なら左端の席など、時々の状況に応じて判断する必要があると心得ましょう。
上座に座るのは、その日のゲストや目上の人です。ホストは下座に座ります。通常、上座・下座を決めるのは出入り口の位置となります。出入り口から最も遠い席が上座になりますが、ただし和室の場合には床の間の前が上座になります。「奥の席へどうぞ」と上座へ案内されたら、一度は遠慮し、さらにすすめられたら「それでは失礼いたします」とひと言添えてから座るのがマナーです。
料亭の座敷

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和室で上座と下座を決定するのは、床の間の位置。床の間の前が必ず上座となり、出入り口の位置よりも優先される。
寿司店のカウンター

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寿司を握る職人の仕事ぶりを見るのも楽しみのひとつのカウンターでは、出入り口から遠く、カウンター中央寄りの席が上座となる。
中華レストランの円卓

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出入り口から最も遠く、壁を背にした席が上座。上座から見て左、右の順が席で、出入り口に最も近い席が下座となる。
タクシー

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運転席の真後ろがお客さまや目上の人の座る上座。4人で乗るなら次に助手席の真後ろ、後部座席の中央、助手席となる。ふたりが乗車する場合は目下の者は助手席に座る。
エレベーター

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乗り合わせることも多いので、エレベーターの場合には出入り口に遠い場所が上座で、末席の人は操作盤の前に立つという基本を押さえて。
和食のテーブルマナー
格式のある料理店やレストランにふさわしいゲストであるためには、メイクや装い以上に食事のマナーが問われます。献立の流れとポイントを知りましょう。
懐石 辻留編
お話を伺った人…辻育子さん(女将)
懐石は「調和に始まり調和に終わる」といっていいほど、季節に合わせて床の間から花、器の色、かたち、味つけ、料理をお出しするタイミングに至るまでそのハーモニーに心を砕きます。ですから、お客さまにはまず、温かいものは温かいまま、おいしく召し上がっていただきたいと思います。
緊張した雰囲気のなかで静かに過ごすのではなく、出汁の具合や盛り付け、掛け軸に対してのご質問など会話を通じてその場に楽しい調和が生まれるようにするのが私どもの務めです。和室に入ったら最初に床の間の花や掛け軸を鑑賞してみましょう。料理の味を左右するような香水をつけない方や、お食事中、苦手なものや食べられないものがあって、さりげなく袋に入れて持ち帰る方には料理人への気遣いが感じられます。嗜みの深い方は、最後にお出しする抹茶の味や器まで楽しんでいます。
1.向付(むこうづけ)

撮影=高嶋佳代
折敷(おしき)の「向こう側」に置くことから命名。お酒とともにいただくお造りなど。
(以下引用)
あいなめ細造り 胡瓜 松菜 莫大(ばくだい)
(以上引用)
ポイント 箸の扱い

撮影=高嶋佳代
右手で箸を上から取り上げる。

撮影=高嶋佳代
左手を箸の下に添えて受ける。

撮影=高嶋佳代
上から持っていた右手を箸に沿って右方向にすべらせながら、下から受けるようにする。右手のみで持ち直す。
2.煮物椀

撮影=高嶋佳代
懐石のなかの一番のご馳走。
(以下引用)
はも葛たたき つる菜 長ひじき 青柚子
(以上引用)
3.冷物(ひやしもの)
夏季ならではの冷たいひと品。
(以下引用)
素麺 錦糸玉子 車海老 椎茸 三つ葉
(以上引用)
4.焚合(たきあわせ)

撮影=高嶋佳代
数種類を盛り合わせた煮物のこと。
(以下引用)
小茄子 揚ゆば 絹さや 刻み柚子
(以上引用)
5.焼物

撮影=高嶋佳代
旬の食材を焼いたもの。魚のほか野菜なども。
(以下引用)
鮎塩焼 蓼酢(たでず)
(以上引用)
6.酢物

撮影=高嶋佳代
旬の食材を酢で味つけしたもの。
(以下引用)
胡瓜もみ あわび 寿海苔 紅蓼(べにたで) 生姜酢
(以上引用)
7.留椀(とめわん)

撮影=高嶋佳代
最後に出る椀もの。汁、飯、香の物。
(以下引用)
赤出汁 貝柱御飯 香物
(以上引用)
ポイント 蓋物の扱い

撮影=高嶋佳代
汁と飯が出てきたときには両手で同時に開ける。

撮影=高嶋佳代
蓋の内側同士を合わせるようにする。

撮影=高嶋佳代
食事中は折敷の外右横中央あたりに置く。煮物椀など裏側に蒔絵などがある蓋は、糸底を下にして折敷の外に置く。
8.菓子、抹茶

撮影=高嶋佳代
懐石とは、抹茶をおいしくいただくための料理。
(以下引用)
薄茶 水ようかん
(以上引用)
抹茶のいただき方

撮影=高嶋佳代
茶碗を持ち上げて感謝し、飲み口の正面を避けて口をつけるのがマナー。

撮影=高嶋佳代
飲み終わったら飲み口を指で軽く拭い、ずらした正面をもとの位置に戻す。

撮影=高嶋佳代
そもそも懐石はお茶をおいしくいただくための料理。茶碗もしっかりと拝見を。
撮影=高嶋佳代 編集・文=吉岡博恵
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