《申請しないともらえないお金7選》シニア世代を支える「年金・雇用・介護」の公的給付まとめ

年の差夫婦や賃金低下、要支援・要介護になったときの手当から、気になる「106万円の壁」撤廃の行方まで分かりやすく解説!

申請必須!もらい忘れに注意したい「老齢年金」関連のお金3選, その1「加給年金」, その2「振替加算」, その3「老齢年金生活者支援給付金」, 申請必須!働き続けるシニアを支える「雇用保険」関連のお金3選, その1:65歳未満がもらえる「再就職手当」, その2:60歳以上65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」, その3:65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」, 申請必須!暮らしと家族を守る「介護保険」のお金, 自宅のバリアフリー化に使える「住宅改修費支給」, 【2025年年金改正】どうなる「年収106万円の壁」?社会保険の適用拡大を解説, 「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

《申請しないともらえないお金7選》シニア世代を支える「年金・雇用・介護」の公的給付まとめ

2026年度(令和8年度)の年金額改定が公表されました。支給額の数字自体は引き上げられたものの、長引く物価高には追いつかず、家計の「実質的な目減り」にシビアな現実を感じている方も多いのではないでしょうか。

一方で、在職老齢年金の支給停止基準の大幅引き上げ(働き損の緩和)や、「年収106万円の壁」撤廃に向けた動きなど、シニアがより長く、損をせずに働き続けられるよう就労環境は確実な変化の波を迎えています。

こうした状況下で、老後の資金を1円でも無駄にしないために知っておきたいのが、日本の公的支援における「申請主義」の壁です。

公的年金や給付金の多くは、受給資格を満たしていても自ら手続きをしなければ振り込まれず、何十万円ものお金を取りこぼしてしまう恐れがあります。

本記事では、年金生活を始めた方やパートで働くシニア世代に向けて**「申請しないともらえないお金7選」**をピックアップ。今後の働き方を左右する2026年最新の年金制度改正のポイントとあわせて分かりやすく解説します。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

申請必須!もらい忘れに注意したい「老齢年金」関連のお金3選

老齢年金を受給中のシニアが一定要件を満たす場合、通常の老齢年金に上乗せして受け取れるお金を「3種類」紹介します。

その1「加給年金」

加給年金は「年金の扶養手当(家族手当)」と例えられることがある制度です。

一定要件を満たした場合、老齢厚生年金を受給中の人が年下の配偶者や子どもを扶養する場合に年金に上乗せして受け取ることができます。

加給年金《支給要件》

厚生年金加入期間が20年(※)以上ある人:65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)

65歳到達後(もしくは定額部分支給開始年齢に到達した後)に被保険者期間が20年(※)以上となった人:在職定時改定時、退職改定時(または70歳到達時)

(※)または、共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が40歳(女性と坑内員・船員は35歳)以降15年から19年

それぞれ、上記で示したタイミングで、「65歳未満の配偶者」または「18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子」がいる場合、年金に上乗せされます。

ただし、配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上あるもの)、退職共済年金(組合員期間が20年以上あるもの)を受給する権利がある場合、または障害厚生年金、障害基礎年金、障害共済年金などを受給している場合、配偶者加給年金額は支給停止されます。

加給年金《2025年度の年金額》

申請必須!もらい忘れに注意したい「老齢年金」関連のお金3選, その1「加給年金」, その2「振替加算」, その3「老齢年金生活者支援給付金」, 申請必須!働き続けるシニアを支える「雇用保険」関連のお金3選, その1:65歳未満がもらえる「再就職手当」, その2:60歳以上65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」, その3:65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」, 申請必須!暮らしと家族を守る「介護保険」のお金, 自宅のバリアフリー化に使える「住宅改修費支給」, 【2025年年金改正】どうなる「年収106万円の壁」?社会保険の適用拡大を解説, 「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」

「加給年金」の年金額(2025年度の年額)は以下のとおりです。

・配偶者:23万9300円

・1人目・2人目の子:各23万9300円

・3人目以降の子:各7万9800円

なお、老齢厚生年金を受給中の人の生年月日により、配偶者の加給年金額に3万5400円~17万6600円の特別加算額が支払われます。

その2「振替加算」

配偶者が65歳を迎えると加給年金の支給は終わりますが、その後は配偶者自身の老齢基礎年金へ一定額が加算される仕組みになっています。

対象となるのは昭和41年4月1日以前に生まれた方で、生年月日が若いほど加算される金額が少なくなるよう設定されています。

基本的には自動で切り替わりますが、配偶者が65歳になった後に、ご自身(夫または妻)が厚生年金の加入期間20年を満たして年金を受け取り始めた場合などは例外です。

このケースでは、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」を提出しないと、一生もらい損ねてしまいます。手続き漏れが非常に多いポイントですので、ご夫婦で年金を受け取り始めるタイミングにズレがある場合は特に注意が必要です。

振替加算《支給要件》

・大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれていること

・妻(夫)が老齢基礎年金の他に老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合は、厚生年金保険および共済組合等の加入期間をあわせて240月未満であること

・妻(夫)の共済組合等の加入期間を除いた厚生年金保険の35歳以降の(夫は40歳以降の)加入期間が、生年月日に応じた一定期間であること。

加算額《2025年度の目安額》

・最大:年額23万4800円(大正15年4月2日〜昭和2年4月1日生まれ等)。

・昭和40年度生まれの場合:年額1万5600円程度。

生年月日が若いほど加算額は少なくなり、昭和41年4月2日以降生まれの方には振替加算はつきません。

その3「老齢年金生活者支援給付金」

年金生活者支援給付金は、基礎年金を受給する人が一定の所得要件を満たす場合に受け取れるお金です。「老齢」「障害」「遺族」それぞれに給付金があり、支給要件が設けられています。

ここでは「老齢年金生活者支援給付金」にフォーカスしていきます。

老齢年金生活者支援給付金の支給要件

申請必須!もらい忘れに注意したい「老齢年金」関連のお金3選, その1「加給年金」, その2「振替加算」, その3「老齢年金生活者支援給付金」, 申請必須!働き続けるシニアを支える「雇用保険」関連のお金3選, その1:65歳未満がもらえる「再就職手当」, その2:60歳以上65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」, その3:65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」, 申請必須!暮らしと家族を守る「介護保険」のお金, 自宅のバリアフリー化に使える「住宅改修費支給」, 【2025年年金改正】どうなる「年収106万円の壁」?社会保険の適用拡大を解説, 「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

・65歳以上の老齢基礎年金の受給者

・同一世帯の全員が市町村民税非課税

・前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は80万6700円以下(※2)である

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれない

※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される

老齢年金生活者支援給付金の給付基準額

申請必須!もらい忘れに注意したい「老齢年金」関連のお金3選, その1「加給年金」, その2「振替加算」, その3「老齢年金生活者支援給付金」, 申請必須!働き続けるシニアを支える「雇用保険」関連のお金3選, その1:65歳未満がもらえる「再就職手当」, その2:60歳以上65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」, その3:65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」, 申請必須!暮らしと家族を守る「介護保険」のお金, 自宅のバリアフリー化に使える「住宅改修費支給」, 【2025年年金改正】どうなる「年収106万円の壁」?社会保険の適用拡大を解説, 「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

老齢年金生活者支援給付金の給付基準額

2026年度、老齢年金生活者支援給付金の給付基準額は月額5620円で、前年度より3.2%増額されました。

この基準額をもとにして、保険料納付状況等により給付金額が算出されます(下記①と②の合計額)。

老齢年金生活者支援給付金の給付額の計算式

・①保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5620円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月

・②保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1551円× 保険料免除期間 / 被保険者月数480月

例)国民年金保険料を全期間(40年間)納付した場合、2026年度は「月額5620円=年額7万7440円」の給付金が支給されます(昭和16年4月1日生まれまでの人は計算が異なります)。

なお、保険料免除期間に乗ずる金額は、毎年度の老齢基礎年金の額の改定に応じて変わります。

申請必須!働き続けるシニアを支える「雇用保険」関連のお金3選

働き続けるシニアが気になる、就労に関連する給付金や手当についても見ていきます。

シニアの就労を支援する制度は整いつつありますが、一般的には60歳を境に収入が下がる傾向があります(※)。また、就職活動や就労継続が、若い頃のようにスムーズに進む人ばかりではないでしょう。

そこで、シニアが知っておきたい雇用保険に関連する手当や給付金についても「3種類」紹介します。

※国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」による年齢階層別の平均給与:50歳代後半男性735万円、女性356万円、60歳代前半男性604万円・女性294万円、60歳代後半男性472万円・女性240万円

その1:65歳未満がもらえる「再就職手当」

再就職手当は、早期の再就職を促進するための手当で、「失業~再就職」「失業~事業開始」までの期間が短いほど、支給額が多くなります。

再就職手当【支給要件】

・対象者:雇用保険受給資格者で基本手当の受給資格がある人

・支給要件:対象者が雇用保険の被保険者となる、または事業主となって雇用保険の被保険者を雇用する場合で、基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給

再就職手当【給付率】

・手当の額:就職等をする前日までの失業認定を受けた後の基本手当の支給残日数により下記のとおり給付率が異なります。(1円未満の端数は切り捨て)

申請必須!もらい忘れに注意したい「老齢年金」関連のお金3選, その1「加給年金」, その2「振替加算」, その3「老齢年金生活者支援給付金」, 申請必須!働き続けるシニアを支える「雇用保険」関連のお金3選, その1:65歳未満がもらえる「再就職手当」, その2:60歳以上65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」, その3:65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」, 申請必須!暮らしと家族を守る「介護保険」のお金, 自宅のバリアフリー化に使える「住宅改修費支給」, 【2025年年金改正】どうなる「年収106万円の壁」?社会保険の適用拡大を解説, 「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

再就職手当の額

なお、再就職手当を受け取り再就職先で6カ月以上雇用され、かつ再就職先での6カ月間の賃金が離職前の賃金よりも少ない場合は「就業促進定着手当」の対象となります。

その2:60歳以上65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」

高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満の人が就労を続ける際、賃金が60歳到達時よりも減少した場合に支給される給付金です。

高年齢雇用継続給付【支給要件】

・対象者:雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者

・支給条件:賃金が60歳時到達時の75%未満となった状態で働き続ける場合

高年齢雇用継続給付【支給率】

・支給額:最高で賃金額の10%(※)相当額

※2025年3月31日以前に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たす人は15%

申請必須!もらい忘れに注意したい「老齢年金」関連のお金3選, その1「加給年金」, その2「振替加算」, その3「老齢年金生活者支援給付金」, 申請必須!働き続けるシニアを支える「雇用保険」関連のお金3選, その1:65歳未満がもらえる「再就職手当」, その2:60歳以上65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」, その3:65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」, 申請必須!暮らしと家族を守る「介護保険」のお金, 自宅のバリアフリー化に使える「住宅改修費支給」, 【2025年年金改正】どうなる「年収106万円の壁」?社会保険の適用拡大を解説, 「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

【早見表】高年齢雇用継続給付(2025年4月1日以降)

老齢年金を受給しながら、厚生年金に加入して「高年齢雇用継続給付」を受け取る場合、在職による年金の支給停止に加え、最大で標準報酬月額の4%(※)に相当する金額が支給停止となる点に留意しておく必要があります。

※2025年3月31日以前に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たす人は6%

その3:65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」

高年齢求職者給付金は、65歳以上の人が失業した際に支給される給付金です。

高年齢求職者給付金【支給要件】

・対象者:高年齢被保険者(65歳以上の雇用保険加入者)で失業した人

・支給要件:下記の全ての要件を満たした人

高年齢求職者給付金【いくらもらえる?】給付金額

申請必須!もらい忘れに注意したい「老齢年金」関連のお金3選, その1「加給年金」, その2「振替加算」, その3「老齢年金生活者支援給付金」, 申請必須!働き続けるシニアを支える「雇用保険」関連のお金3選, その1:65歳未満がもらえる「再就職手当」, その2:60歳以上65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」, その3:65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」, 申請必須!暮らしと家族を守る「介護保険」のお金, 自宅のバリアフリー化に使える「住宅改修費支給」, 【2025年年金改正】どうなる「年収106万円の壁」?社会保険の適用拡大を解説, 「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

高年齢求職者給付金の額

・支給額

なお、65歳未満が受け取る「失業手当」は4週間に一度ずつ失業認定を受けてから給付されるのに対し、この高年齢求職者給付金は一括で支給されます。

申請必須!暮らしと家族を守る「介護保険」のお金

年金や就労のほかに、シニア世代が目をそらせないのが健康面の変化、つまり「介護」の問題でしょう。

介護保険を適切に活用することは、ご自身の暮らしを守るだけでなく、家族が安心して働き続けられる環境づくりにも直結します。ここでは、そんな生活環境の変化に合わせて知っておきたい給付金を紹介します。

自宅のバリアフリー化に使える「住宅改修費支給」

シニア世代が長く安心して自宅で暮らすために、ぜひ知っておきたいことの一つが、介護保険制度の「住宅改修費支給」です。

年齢とともに自宅の階段やお風呂場などが危険に感じたとき、要支援・要介護の認定を受けていれば、リフォーム費用の一部を国が負担してくれます。

【対象となる主な工事】

・手すりの取付け

・段差の解消

・滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更

・引き戸等への扉の取替え

・洋式便器等への便器の取替え

・その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

【支給される金額】

・生涯20万円(要支援、要介護区分にかかわらず定額)

【注意点・手続き】

申請必須!もらい忘れに注意したい「老齢年金」関連のお金3選, その1「加給年金」, その2「振替加算」, その3「老齢年金生活者支援給付金」, 申請必須!働き続けるシニアを支える「雇用保険」関連のお金3選, その1:65歳未満がもらえる「再就職手当」, その2:60歳以上65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」, その3:65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」, 申請必須!暮らしと家族を守る「介護保険」のお金, 自宅のバリアフリー化に使える「住宅改修費支給」, 【2025年年金改正】どうなる「年収106万円の壁」?社会保険の適用拡大を解説, 「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

出所:厚生労働省「介護保険における住宅改修」

この制度の最大の落とし穴は、「必ず工事を着工する前に申請しなければならない」という点です。すでに工事が終わってから「領収書があるので払ってください」と事後報告しても、1円も受け取ることができません。

住宅改修費を利用する際は、必ず工事前に事前申請を行い、市区町村ごとの運用や必要書類の違いに注意しながら、担当のケアマネジャーや地域包括支援センター、自治体窓口に確認して進めることが大切です。

【2025年年金改正】どうなる「年収106万円の壁」?社会保険の適用拡大を解説

2025年6月13日に成立した「年金制度改正法」には、パートなどで働く人の社会保険加入対象の拡大が盛り込まれました。

いわゆる「106万円の壁」の撤廃に繋がる大きな動きと言えます。

「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

申請必須!もらい忘れに注意したい「老齢年金」関連のお金3選, その1「加給年金」, その2「振替加算」, その3「老齢年金生活者支援給付金」, 申請必須!働き続けるシニアを支える「雇用保険」関連のお金3選, その1:65歳未満がもらえる「再就職手当」, その2:60歳以上65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」, その3:65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」, 申請必須!暮らしと家族を守る「介護保険」のお金, 自宅のバリアフリー化に使える「住宅改修費支給」, 【2025年年金改正】どうなる「年収106万円の壁」?社会保険の適用拡大を解説, 「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

2025年6月現在、パートタイムなどで働く短時間労働者の人が社会保険に加入する要件は、以下の5つをすべて満たす必要があります。

・週の所定労働時間が20時間以上

・2か月を超える雇用の見込みがある

・学生ではない

所定内賃金が月額8万8000円以上(←いわゆる「106万円の壁」に関連)

従業員数51人以上の企業で働いている

今回の改正では、このうち「賃金要件の撤廃」と「企業規模要件の撤廃」が盛り込まれました。これにより、全国の最低賃金の引き上げ具合を見極めながら、いわゆる「106万円の壁」が3年以内に廃止されることになります。

また、社会保険に加入する企業規模も、10年かけて段階的に拡大され、最終的には働く企業の規模に関わらず加入するようになります。

まとめにかえて

日本の公的給付の多くは、自ら手続きをしないと恩恵を受けられない「申請主義」が基本です。

年金の上乗せや雇用・介護の給付金も、待っているだけでは1円も振り込まれず、制度を知らないだけで本来もらえるはずのお金を取りこぼしてしまう恐れがあります。

物価高や制度改正など変化の多い時代こそ、正しい知識がご自身の家計と家族を守る最大の武器になります。少しでも要件に当てはまると思ったら、迷わず窓口へ相談し、確実にもらい忘れを防ぎましょう。

参考資料

・日本年金機構「初めて老齢年金を請求するとき」年金請求書(国民年金・厚生年金保険 老齢給付)様式第101号

・日本年金機構「か行 加給年金額」

・日本年金機構「加給年金額と振替加算」

・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」

・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」

・厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」

・厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」

・日本年金機構「年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整」

・厚生労働省「再就職手当のご案内」

・厚生労働省「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」

・国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」

・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」

・厚生労働省「介護保険における住宅改修」

・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

・政府広報オンライン「パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。」

関連記事

【後期高齢シニア夫婦】75歳以上のふたり暮らしの生活実態とは?家計収支や年金額、貯蓄状況をデータで解説

住民税非課税世帯が受けられる公的支援5選!社会保険料の負担軽減・子育て世帯向けの支援制度を紹介

ディズニーランドで何が起きている?オリエンタルランド株価下落の裏にある「投資家の入れ替わり」と「人口動態」【イズミダイズム】