新NISAで迷ったらどっち?「オルカン」と「S&P500」の過去実績と100万円長期投資シミュレーション

新NISAで迷ったらどっち?「オルカン」と「S&P500」の過去実績と100万円長期投資シミュレーション
卒業シーズンの足音が聞こえ、街中には「旅立ち」の空気が漂う時期となりました。3月は年度末ということもあり、家計の総決算を行うとともに、4月からの新年度に向けてポートフォリオの「衣替え」を検討する絶好のタイミングです。
2024年に始まった新NISAも、早いもので3年目に突入しました。
新NISAのスタート以降、長期の積立投資を始める人が増えるなか、「オルカン」と「S&P500」は代表的な投資先として注目を集めています。
どちらも低コストのインデックスファンドとして人気がありますが、投資対象や値動きの特徴には違いがあり、選び方に迷う人も多いでしょう。
本記事では、それぞれの基本的な特徴から最新の運用実績、長期保有を想定したシミュレーションまでを確認しながら、自分に合った選択のヒントを探っていきます。
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「オルカン」と「S&P500」とは?まずは基本を整理
NISAの積立投資でよく候補に挙がるのが、「オルカン」と「S&P500」です。
どちらもインデックスファンドとして高い人気がありますが、投資対象や値動きの特徴は大きく異なります。
なかには「名前は聞いたことがあるものの、違いまではよく分からない」という人も多いのではないでしょうか。
まずは、それぞれがどのような市場に投資する商品なのか、基本的な特徴から整理していきましょう。
オルカン(全世界株式)の特徴
「オルカン(オールカントリーの略)」は、全世界の株式に分散投資するファンドを指します。
日本、米国、欧州に加え、新興国も含めた数千銘柄に分散投資されており、1本で世界経済全体の成長を取り込める点が特徴といえます。
最大のメリットは、国際分散が自動的に行われることです。
特定の国や地域の景気に左右されにくく、どこかの市場が不調でも、別の地域が補う構造になっています。
また、世界経済の構造変化に応じて、ファンド内の構成比率が調整されるため、「どの国が今後成長するか」を個人で判断する必要がありません。
このように、オルカンは安定感を重視しながら、長期で着実な成長を狙いたい人に向いた投資対象といえるでしょう。
S&P500の特徴
S&P500は、米国を代表する約500社で構成される株価指数です。
アップルやマイクロソフト、エヌビディアなど、世界的な影響力を持つ企業が多く含まれており、米国経済の成長をダイレクトに反映する点が特徴です。
過去の運用実績を見ると、S&P500は長期的に高いリターンを上げてきました。
特にIT企業を中心とした成長が株価を押し上げており、「資産を大きく増やしたい」と考える投資家から高い支持を集めています。
一方で注意したいのは、投資先が米国に集中している点です。
米国経済が好調な局面では大きな成果が期待できますが、景気後退や株式市場の調整局面では、資産の変動幅が大きくなる可能性もあります。
成長性の高さと引き換えに、値動きの大きさを受け入れられるかどうかが、選択のポイントになるでしょう。
「オルカン」vs「S&P500」過去の運用成果を比較
「オルカン」や「S&P500」をベンチマークとするファンドは複数ありますが、今回は三菱UFJアセットマネジメントが設定している下記2本の運用実績を比較してみましょう。
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の運用実績
三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、米国を中心としつつも、欧州・日本・新興国など世界中の株式市場に分散投資しています。
米国株が好調な局面ではS&P500にやや劣るものの、他の地域が下支えとなるため、値動きは比較的緩やかです。
三菱UFJアセットマネジメントが公表している月次レポートを見ると、以下のような騰落率になっています。
【2026年3月6日現在】
・設定日:2018年10月31日
・設定来リターン:+238.88%
・直近5年リターン:+146.80%
・直近3年リターン:+95.30%
・直近1年リターン:+28.16%
・直近6カ月リターン:+14.80%
・直近3カ月リターン:+3.43%
・直近1カ月リターン:+0.62%

出所:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の運用実績
これに対して「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、米国を代表する約500社に集中投資するファンドです。
米国企業は成長力が高く、特にIT・ハイテク分野の拡大を背景に、長期的に高いリターンを上げてきました。
こちらも同じく三菱UFJアセットマネジメントが公表している月次レポートを見ると、以下のような騰落率になっています。
【2026年3月6日現在】
・設定日:2018年7月3日
・設定来リターン:+293.97%
・直近5年リターン:+174.07%
・直近3年リターン:+102.38%
・直近1年リターン:+24.61%
・直近6カ月リターン:+12.29%
・直近3カ月リターン:+1.07%
・直近1カ月リターン:+0.98%

出所:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
2018年に設定されてからほぼ右肩上がりに上昇しており、設定来リターンは293.97%にまで達しています。
幅広い国や地域の株式に分散投資するオルカンに比べると、リターンの大きさは米国市場に集中投資するS&P500に軍配が上がります。
とはいえ、米国市場の動向によっては大きく値下がりするリスクもあるため、どちらが良いとは一概には言えません。
「オルカン」vs「S&P500」100万円を長期投資したらどうなる?
「オルカン」と「S&P500」の運用実績は前述のとおりですが、今後も同じパフォーマンスが続くとは限りません。
投資には価格変動リスクが伴うため、あくまで過去データをもとにした参考シミュレーションとして考えておきましょう。
ここでは、最新の設定来騰落率(2026年3月6日時点)をもとに年平均成長率(CAGR)を算出し、100万円を長期保有した場合の資産額を試算しました。
※騰落率を年平均成長率(CAGR)に換算してシミュレーション
※CAGR(パーセント)=[(X年目の数値÷1年目の数値)^ {1 ÷(X-1)}-1]×100
※野村證券「資産運用シミュレーション「みらい電卓」」を使用
「オルカン」100万円を長期投資した場合
騰落率から年率を換算すると、年平均成長率はおよそ18.0%となります。
仮にこの利回りで運用が続いた場合、資産額の目安は以下のとおりです。
・10年後:約523万円
・20年後:約2739万円
・30年後:約1億4337万円
「S&P500」100万円を長期投資した場合
同様に年率換算すると、年平均成長率はおよそ19.5%となります。
仮にこの利回りで運用が続いた場合、資産額の目安は以下のとおりです。
・10年後:約594万円
・20年後:約3529万円
・30年後:約2億964万円
自身のリスク許容度や投資目的に合わせた選択を
シミュレーションのとおり、年率の差はわずかでも、長期になるほど資産額には大きな開きが生まれます。
複利の効果は時間とともに強く表れ、10年程度では数十万円の差でも、30年スパンでは数千万円規模に広がる可能性があります。
もっとも、ここで示した数値はあくまで過去の騰落率をもとにした試算に過ぎません。株式市場は景気や金利動向、地政学的リスクなどの影響を受けるため、将来も同じ利回りが続くとは限らない点には注意が必要です。
特にS&P500は米国市場への集中度が高いため、米国株が調整局面に入った場合には値動きが大きくなる可能性もあります。
一方で、オルカンは世界全体に分散投資する構造から、急激な上昇は抑えられやすいものの、地域分散によって下落局面の影響を緩和しやすい特徴があります。
長期投資では、単純なリターンの高さだけでなく、値動きへの耐性や継続しやすさも重要な視点といえるでしょう。
どちらが優れているかを決めるのではなく、自身のリスク許容度や投資目的に合わせて考えることが大切です。
参考資料
・三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
・三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
・野村證券「資産運用シミュレーション「みらい電卓」」
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