衝撃の特急自由席全廃、ダイヤ改正からJR北海道の新時代到来!利点と課題を考察

キハ261系 2025年05月12日撮影
JR北海道が2026年3月14日(土)に実施するダイヤ改正で、これまで道内で“当たり前”の存在であった特別急行列車(特急)の普通車「自由席」が全て廃止されます。同日以降、特急列車は全車指定席のみで運用されるため、JR北海道は駅構内、車内、テレビCMなどあらゆる媒体を通じて、この内容を告知。より広く浸透させるため、道内で人気のプロ野球球団「北海道日本ハムファイターズ」エース投手の山﨑福也選手を引き続き、広告塔に起用しています。

車内に掲出されている案内
©Maoair (レイルラボ ニュース)
2年前の2024年3月のダイヤ改正では、まず「北斗 (札幌〜函館間)」、「すずらん (札幌〜室蘭間)」、「おおぞら (札幌〜釧路間)」、「とかち (札幌〜帯広間)」4特急の自由席を廃止。「カムイ (札幌〜旭川間)」と「ライラック (札幌〜旭川間)」でも自由席車両を減車し、段階的に供給を減らしていました。今回、自由席車両が減車されていた「カムイ および ライラック (札幌〜旭川間)」のみならず、「宗谷 (札幌〜稚内間)」、「サロベツ (旭川〜稚内間)」、「オホーツク (札幌〜網走間)」の3特急からも自由席を廃止することで、全廃が完了する形に。今後設定される臨時特急列車や、繁忙期の増結車両も全車を指定席にする方針で、今後自由席は快速列車および普通列車のみになります。

特急車内でも各席に案内リーフレットが用意されています
©Maoair (レイルラボ ニュース)
「自由席」に関連した割引乗車券なども、同時に廃止が発表されています。2016年3月のダイヤ改正では、都市間輸送でライバル関係にあった高速バスに対抗し、優位性を保っていた“4枚綴り・3か月有効の回数券型自由席割引券”「Sきっぷフォー」が廃止されたことにも驚きましたが、今回はついに残存していた「自由席往復割引きっぷ (Sきっぷ)」も発売終了に。ほか自由席関連の割引きっぷとして、札幌快得きっぷ、旭川・名寄4枚回数券、札幌往復限定きっぷ、富良野・札幌往復きっぷ、ふらの・びえいフリーきっぷ、旭山動物園きっぷ、旭山動物園アクセスきっぷ、についても発売が終了します。特急の普通車自由席が7日間乗り降りし放題になり、かつ指定席が6回発券可能な「北海道フリーパス」は、自由席部分のみが削除され、発売を継続する予定です。自由席代替として、座席の指定を受けない「座席未指定券」の発売も引き続き行われます。
また、特急の自由席を利用できた特急定期券「かよエール」は、「かよエール + (プラス)」として空席利用もしくは事前の指定席確保が可能に。サブスク特急券「特急e-Pass」の新規導入など、利用しやすい料金体系の構築も進めています。

札幌駅ホームに掲げられた特急列車の乗車位置案内
©Maoair (レイルラボ ニュース)
JR北海道は自由席廃止について、「早くからホームでお並びいただく不便さ」「始発駅に近い方が座れるという不公平感」が無くなり、着席機会が高まる点を挙げています。また、指定された席に着席している場合は車掌による声掛け(車内改札)が省略となるため、ゆっくりと車内で過ごすことができるとしています。
たしかに、「ライラック (札幌〜旭川間)」を例に挙げると、平日朝ラッシュ時などでは旭川始発で自由席は満席になり、途中の深川駅や滝川駅からは自由席を確保することは困難でしょう。大型連休などの繁忙期では顕著にその傾向が現れ、列車を1本見送るなどの対応が必要になるため、全員公平に指定席をあらかじめ確保するメリットではあります。
一方で、事前に乗車予定の列車を決めていない場合や、座席移動のしやすさ、座席指定の手続きが面倒、などの需要には応えられません。特に雪の影響を受けやすい厳寒の北海道では、バスや航空便など他の交通機関が乱れた際、乗り継ぎをする特急列車が流動的という場面も多々あります。また、えきねっと予約分を発券する必要がある際に、対応する券売機が1台しか無く、希望の列車に乗り遅れることや、急な利用(飛び乗り)に対応できないというデメリットも発生します。
しかし、全国的に特急の全車指定化は進んでいる点と、車内検札の省略による乗務員運用の効率化、インターネット・アプリや電子決済の普及による「えきねっと」利用の推進などの観点から、2026年に至るまで「自由席」という選択肢を提供してくれていたことは、むしろ利用者目線に寄り添った判断だったのかもしれません。指定席化によって、1乗車/1人あたり530円(参考:快速エアポートなど普通・快速列車の座席指定料金は800円〜1,000円)程度の増収が見込まれますが、物価高騰の観点、さらには利用者目線として“着席保証”が確かなものになることから、時代の変化とともに我々利用者も適応していくのではないかと考えます。

チケットホルダーに乗車券類を挟む光景も珍しいものになりそうです
©Maoair (レイルラボ ニュース)
関連記事
2026年3月14日 ダイヤ改正、駅の廃止・新駅など路線の動きは?
博多駅留置の787系がホテルに!JR九州、嵐&ドリカムのライブで「夜間滞在イベント」
小田急電鉄、ロマンスカー「EXE」30周年記念でヘッドマーク・乗車券の販売も