タイニーハウスで育児をして、私たち夫婦は週に3日だけ働く。それで収入の半分を貯蓄している

都市で住まう、もっと安い選択肢が欲しかった, 私たちは貯金を使って小さな家を建てた, 小さな家で育児するのは、最初は大変だった, 支出が少ないので、週に3日だけ働いている

ヨス・ファン・デル・ムーレンとフェナ・ウィットの夫婦が住む狭小住宅。

  • ともに29歳のヨス・ファン・デル・ムーレンとフェナ・ウィットは、約7万5000ユーロ(約1370万円)で小さな家を建てた。
  • 住宅ローンを借りず住居費を抑えたことで、収入のかなりの部分を貯蓄に回している。
  • 週に3日だけ働けば良いので、2人の子どもと過ごす時間が増えた。

本稿は、データアナリストのフィナ・ウィット(Fenna Wit)と、ミニトピア財団(the Minitopia Foundation)で働くヨス・ファン・デル・ムーレン(Jos van der Meulen)へのインタビューをもとに編集した。2人はオランダのアイントホーフェンにある同財団のタイニーホーム村で暮らしている。2人の家計状況についてはBusiness Insiderが確認済みである。

ヨス:資金を借りなくても約7万5000ユーロ(約1370万円)で自分たちの小さな家(タイニーハウス)を建てられたことをとても誇りに思っている。

住宅ローンがないので、住居費は、保険料、光熱費、ミニトピアに支払う土地の借地権など月額およそ800ユーロ(約12万6000円)で抑えられる。夫婦の月収は合計で約5500ユーロ(約87万円)だが、生活費を支払い後で毎月平均3000ユーロ(約47万5000円)を貯蓄している。

29歳で収入の6割近くを貯蓄できる人は珍しい。しかも、週3日しか働いていないのだ。これほどの経済的自由をもたらしてくれたのがこの小さな家だ。

都市で住まう、もっと安い選択肢が欲しかった

フェナ:家を持ちたいと思った大きな理由は、生活費を安く抑えたかったからだ。オランダでは家賃が高く、都市部で大きな家を買おうとするとさらにお金がかかる。お金のことで常にストレスを抱えたくなかったし、生きるためだけに働いていると感じたくなかった。

ヨス:友人の多くは家を購入できるようになるまで親と同居している。また、毎月の給料をほとんど使いきってしまう人もいる。そうはなりたくなかった。そこで、自分たちの家を建てることも含め、別の選択肢を探し始めた。

フェナ:インスタを見ている時に、自分で建てるタイニーハウスの存在を知り、すぐに「これは自分たちにぴったりかもしれない」と思った。見た目も可愛らしく、価格は手頃そうで、自分たちで家を設計できる点にも魅力を感じた。

調べていくうちに、ミニトピアのように土地を借りて自分で家を建てられるタイニーホーム村があることを知った。実際に現地を見てこのアイデアを膨らませ、自分で家を建てるということに夢中になった。

私たちは貯金を使って小さな家を建てた

都市で住まう、もっと安い選択肢が欲しかった, 私たちは貯金を使って小さな家を建てた, 小さな家で育児するのは、最初は大変だった, 支出が少ないので、週に3日だけ働いている

アイントホーフェンにあるヨスとフェナの家の外観。

ヨス:2022年5月にタイニーハウスの建築を始めた時、節約のために私の実家の裏庭にある大きな物置に引っ越した。当初は半年だけのつもりだったが、結局1年半暮らすことになった。その間の収入はすべて建築費に回した。

それほどストレスを感じなかったは、いざとなれば親に支援を求められるとわかっていたからだ。結局その必要はなかった。ただ、完成までに予定より半年ほど長くかかったので、その間に資金を貯めることができた。

小さな家で育児するのは、最初は大変だった

フェナ:2023年5月に引っ越したときはまだ家が完全にでき上っておらず、当時長男のフィリップ(Flip)も生後7カ月だった。2024年10月には次男キク(Kik)が生まれ、4人家族になった。

最初は大変だった。ベビーカーやベビーベッド、育児用品などが一気に増え、限られたスペースに収納しなければならなかったからだ。キクが少し大きくなり、不要になったものを手放せるようになると、だいぶ窮屈さは和らいだ。

都市で住まう、もっと安い選択肢が欲しかった, 私たちは貯金を使って小さな家を建てた, 小さな家で育児するのは、最初は大変だった, 支出が少ないので、週に3日だけ働いている

幼い2人の子どもと小さな家に暮らす夫婦。

ヨス:自分たちの荷物がどれほど多いか甘く見ていた。特に幼い子供が2人もいると、小さな家をきれいに保つのはなかなかに大変だ。

フェナ:スペースが限られているため、親族に家に来てもらうのが難しい。これは、小さい家に住むデメリットだ。でも、年に数回のお祝いのために、もっと広いキッチンにする価値があるとは思えない。

支出が少ないので、週に3日だけ働いている

フェナ:小さい家の最大のメリットは、2人とも週3日だけ働けば良いことだ。子どもが生まれる前は週に4日働いていたが、子育てをしながらだとそれではきつかった。子育ては本当にエネルギーがいるし、いつも疲れているので、いまフルタイムで働かなくて良いのはとてもありがたい。

その気になれば、どちらか一方は完全に仕事を辞めることができる。私たちは「働きたいから」働いているのであって、「働かなければならないから」働いているのではない。週に3日しか働かないので、子どもたちと家で過ごす時間をたっぷりとれる。それはとても大事なことだ。

もうひとつのメリットは、仕事がなくなっても家までは取られないことだ。住宅ローンはないし、収入の3分の1ほどしか使っていないのだ。

ヨス:支出が少ないと、それだけで多くのストレスがなくなる。いまでも家計管理はしているが、それはお金が足りなくなる不安からではなく、単に支出を抑えたいからだ。お金に余裕がなくて何かを諦めたことは一度もない。

退職基金にもっと貯蓄した方が良いと言われることが多いが、40年先の退職年齢まで待ちたくない。そもそも、自分が70歳まで働いている姿は想像できない。

今は、貯蓄を使ってもう1軒家を建て、それを売却しようと考えている。利益を上げられるし、そのプロセスが楽しい。エネルギーを与えてくれるのだ。

フェナ:ときどきもっと大きな家に引っ越そうかと話すことがある。だが、少なくとも子どもたちが学校に通うようになるまでは、働く時間を増やしてまでそうしようとは思わない。