国民健康保険の「資格確認書」を渋谷、世田谷区が一律に発行へ 「マイナ保険証」トラブル懸念

 今年9月に従来の健康保険証の有効期限が切れ、マイナンバーカード一体型保険証(マイナ保険証)か資格確認書しか使えなくなることにともなう混乱を避けるため、東京都渋谷区と世田谷区は、マイナ保険証を持っている人にも資格確認書を一斉に発送することを決めた。資格確認書はマイナ保険証を持たない人に送るのが原則だが、2区は住民の不安などを背景に独自に判断した。(宮畑譲)

マイナちゃん

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◆2枚持ちは「例外的な措置」とされているものの

マイナンバーカード(画像一部加工)

 マイナ保険証と資格確認書の2枚持ちは「要配慮者」と認められた高齢者や障害者に対する例外的な措置とされている。両区とも「マイナ保険証を否定しているわけではない」とするが、厚生労働省国民健康保険課は本紙の取材に「方針とは異なる」と困惑する。

 東京23区の国民健康保険の加入者の多くは、9月末に有効期限を迎える。渋谷区は8月1日から使える資格確認書約4万枚を7月中旬から、世田谷区は10月1日から使える16万人分送付する予定となっている。

◆政府が対象とするのは75歳以上…「74歳との違いは何?」

 渋谷区の担当者は「高齢の人を中心に、マイナ保険証に不安を感じる人がいることなどから総合的に判断した」と理由を説明する。国は75歳以上の高齢者には、マイナ保険証を持っていても資格確認書を送る方針だが、世田谷区の担当者は「74歳と75歳の違いは何なのか。制度が変わる時期で理解が浸透していない部分もある。対応が難しく、速やかに対応できない可能性もある。きちんと保険証を使って医療を受けられるための判断だ」と話す。

国民健康保険・後期高齢者医療保険加入者向けポスター。厚生労働省のホームページから

 本紙の取材に、保坂展人世田谷区長は「国保の保険者は区。区のシステムにマイナ保険証を取得した人を除外するシステムはない。92万区民の問い合わせに応じることを想定すると、全員に送付するのが合理的だと思う」と話した。

 自治体独自の動きについて、マイナ保険証のトラブルなどを調べている全国保険医団体連合会の本並省吾事務局次長は「この動きが広がれば、保険証を発行するのと同じことで、法改正した意味がなくなってしまう。国としては望ましくないかもしれないが、住民に対応するのは自治体。一斉に送ったほうが、行政コストも楽になるとの判断もあるだろう」と推測する。

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