チョコザップ、失速で「フランチャイズ式」に転換へ。「黒字化」の背景にある痛み【ライザップG通期決算】

「全店直営」にこだわってきたチョコザップが、ついにフランチャイズ展開を始める。

低価格ジム「chocoZAP(チョコザップ)」の勢いに陰りが見えている。

チョコザップを展開するライザップグループは5月15日、2025年3月期通期決算を発表した。3期ぶりに営業黒字を回復したものの、想定していた成長には届かなかった。

売上高は1710億9000万円(前期比+5.2%)、営業利益18億8200万円(前期は営業損失6億4800万円)。最終益は2億6400万円の黒字(同 43億円の最終損失)。表面上は黒字転換を果たしたように見えるが、実際には親会社のライザップGが子会社のライザップに対して約114億円の債権を放棄したことによって黒字化した、という構造になっている。

通期予想の営業利益63億円、最終利益20億円には大きく届かず、営業利益は予想比3割、最終利益も1桁台にとどまった。

ついにフランチャイズ展開

ライザップグループの瀬戸健社長。

「直営だけで全てやっていくには、さすがに限界がある」

ライザップグループの瀬戸健社長は、2025年3月期の決算説明会でこう語り、チョコザップのフランチャイズ展開を2025年度から始める方針を明らかにした。チョコザップは、ブランド立ち上げから「全店直営」を掲げてきた。この方針について、瀬戸社長は以前のBusiness Insider Japanの取材で「新サービスやマシンの導入にはオーナーの理解が必要になるため、直営のほうが素早く決断できる」と語っていた。

ここへきて、フランチャイズへ舵を切るのはなぜか。

「直営にこだわってきたのは、自ら課題に向き合い、改善しながらノウハウを蓄積できるから。実績も出てきましたが、そのぶん資金負担が非常に大きい」(瀬戸社長)

実際、2024年度下期からは戦略の軸を「出店拡大」から「店舗の質改善」へとシフト。設備の安定稼働やアプリ機能の強化など、顧客体験の向上にリソースを集中させた結果、出店ペースと会員数の伸びはともに鈍化した。

ブランド開始時からの四半期ごとのチョコザップ店舗数・会員数の推移。急拡大した初期と比べ、直近は拡大ペースが緩やかになっている。

問題はそれだけではない。

サービス開始から3年が経とうとする中、24時間営業かつ全店直営がゆえの弱点が、徐々に顕在化した。例えば、夏場はエアコンの故障で月間で億単位の緊急対応費用が発生。加えて、マシンの入れ替えや廃棄、それに伴う物流コストなど、想定以上のコストが財務を圧迫した。「10億、20億では足りない無駄なコストが出た」(瀬戸社長)という。

こうした背景もあり、ライザップグループは2024年3月期通期決算で、チョコザップを運営する子会社への債権の一部(約114億円)を放棄。帳簿上は黒字化を果たしたが、その裏側には“実質的な損失処理”がある。