中古マンション価格の上昇止まらず 人口増加率23区最下位の区で高騰が続くワケとは?

中古マンション価格の上昇止まらず 人口増加率23区最下位の区で高騰が続くワケとは?
平均上昇率 3位「江東区」、2位「港区」、1位は何区?
今回参考にするのは東京23区の中古マンションを対象にしたマンションリサーチ株式会社による調査。最初にエリア別で見た中古マンション価格の平均上昇率から見ていこう。
同調査によれば、2024年1月から12月にかけて東京23区で最も平均上昇率が高かったのは「中央区」で9.2%。次いで「港区」(8.7%)、「江東区」(8.3%)と続く。いずれも、いわゆる都心エリアだ。この勢いは今年に入ってからも変わらず、同社が集計した2025年1月から6月15日までの間でもトップスリーの顔ぶれは同じだった。

出所:マンションリサーチ株式会社 【東京都】中古マンション価格上昇エリア 港区は人口増加率最小でも高騰、中央・港・江東が“3強”
「中央区、江東区」と「港区」では上昇の背景が違う
なぜ都心エリアで中古マンション価格の上昇が顕著なのか。同調査では需要の強さに注目。価格上昇率でトップスリーだった中央区、港区、江東区は、いずれも需要が旺盛でそのことが高い価格上昇率や活発な購買活動につながっているのではないかと分析している。
また、同社は東京23区の人口動態と価格上昇率の関連についても考察している。まず、価格上昇率1位と3位だった中央区と江東区の2024年末時点の人口増加率は23区内で最も高い水準にあることが分かった。両区では、人口増加率とマンション価格の上昇が明確にリンクしていると同社では分析している。実際に両区においては、湾岸エリアのタワーマンション群の建設を含め、大規模な再開発やインフラ整備が進んでおり、住宅地としての利便性と快適性が高く評価されていると指摘している。

出所:マンションリサーチ株式会社 【東京都】中古マンション価格上昇エリア 港区は人口増加率最小でも高騰、中央・港・江東が“3強”
少し事情が異なるのが港区だ。価格上昇率は中央区に次ぐ2位だが、人口増加率では東京23区で最下位なのである。人口は増えていないが価格は上がる。一見、矛盾しているように思える現象が起こる背景要因とは何だろうか。
そもそも調査によれば25年現在の港区における中古マンションの平均坪単価は約970万円/坪と一般の給与所得者では容易には手が出せない水準だ。ゆえに外部からの人口流入は限定的だった。
ではなぜ中古マンション価格が押し上げられているのか。同社はその理由は港区というエリアの特性に求められるとしている。すでに港区に居住している高所得層が同区内で住み替えや資産の入れ替えを積極的に実施。こうした内部取引が活発化することで価格を押し上げているというのが同社の見立てだ。
●安定的な強さが続く都心の3強だが、今後新たに注目されるエリアもあるようだ。後編「中央・港・江東“3強”に迫る勢いで中古マンション価格が上がる区はどこか? その人気の理由に迫る」で詳しく取り上げる。
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。