【シニア向け給付金5選】申請するだけで得をする!働くシニア・年金暮らしの人が国からもらえる「給付金・手当」があるってホント?

対象者は誰?「年金生活者支援給付金」「高年齢雇用継続給付」など《再就職・退職・年金関連》で役立つお金をご紹介

【シニアが対象】申請しないと受け取れない!国から支給される「お金」とは?, 【年金関連】申請しないともらえない「公的なお金」2つ, 年金関連1:年金生活者支援給付金, 年金関連2:加給年金, 【仕事関連】申請しないともらえない「公的なお金」3つ, 仕事関連1:再就職手当(65歳未満), 仕事関連2:高年齢雇用継続基本給付, 仕事関連3:高年齢求職者給付金(65歳以上), 給付金制度は取りこぼしなく活用しよう, 《参考》【働くシニア向け】年金改正で「在職老齢年金」が変わる!?

【シニア向け給付金5選】申請するだけで得をする!働くシニア・年金暮らしの人が国からもらえる「給付金・手当」があるってホント?

長寿化が進む現代では働くシニアが増え、60歳を過ぎても働き続ける方も少なくありませんが、エアコン代や冷房対策など、何かと出費がかさむこの季節。少しでも家計の助けになる制度があるなら見逃したくないものです。

しかし、その多くは「申請しなければもらえない」ものばかり。例えば、年金受給者を対象にした「年金生活者支援給付金」や、再就職時に支給される「再就職手当」、退職後の支援としての「高年齢求職者給付金」など、知っておくだけで受け取れる可能性のあるお金があるのをご存知でしょうか。

本記事では、こうしたシニア層向けの支援制度について、対象者や支給要件をわかりやすく解説します。見逃している制度がないか、ぜひチェックしてみてください。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【シニアが対象】申請しないと受け取れない!国から支給される「お金」とは?

公的年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)は、私たちの生活に欠かせない制度ですが、自動的に支給されるわけではありません。

受給するためには、自ら申請手続きを行う必要があります。

また、国や自治体が実施している「給付金・補助金・手当」なども、公的年金と同様に「申請しなければ受け取れない」仕組みです。

中には、期限内に申請しないと受け取れなかったり、支給額が減ってしまうケースもあるため注意が必要です。

そこで今回は、シニア世代に向けた「申請しないともらえない」公的なお金を5つご紹介します。

【年金関連】申請しないともらえない「公的なお金」2つ

はじめに紹介するのは、シニア世代を対象とした「申請しなければ受け取れない」公的なお金のうち、公的年金と特に関連の深い2つの制度についてです。

年金関連1:年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金は、老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金を受給しており、かつ所得が一定基準を下回る方を対象とした支援制度です。

ここでは、シニア世代にとって特に身近な「老齢年金生活者支援給付金」に焦点を当てて解説していきます。

【老齢年金生活者支援給付金の支給要件】

・65歳以上の老齢基礎年金の受給者

・同一世帯の全員が市町村民税非課税

・前年の公的年金等の収入金額※1とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下※2である。

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。

※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

2025年度の年金生活者支援給付金の給付基準額は、前年度よりも140円引き上げられて5450円となりました。

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年金生活者支援給付金の給付基準額

なお、上記はあくまで基準額であり、実際の支給額は月額5450円を基準として、保険料の納付済期間などに応じて算出されます。

実際の支給額は、以下の①と②の合計によって決まります。

①保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5450円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月

②保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1333円 × 保険料免除期間 / 被保険者月数480月

年金関連2:加給年金

年下の配偶者や子どもを扶養している年金受給者がぜひ知っておきたいのが、「加給年金」という制度です。

これは、いわば年金における家族手当のような位置づけです。

厚生年金の加入期間が20年以上ある方が、65歳に達した時点(または定額部分の支給開始年齢に達した時点)で、以下の条件に当てはまる配偶者や子どもを扶養している場合に、加給年金が支給される可能性があります。

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加給年金の対象者と年齢制限

・配偶者:65歳未満

・子:18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子

※ただし、配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上あるもの)、退職共済年金(被保険者期間が20年以上あるもの)を受給する権利がある場合、または障害厚生年金、障害基礎年金、障害共済年金などを受けている場合、配偶者への加給年金は支給されません。

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加給年金の加給年金額

2025年度における「加給年金」の年金額(年額)は以下のとおりです。

・配偶者:23万9300円

・1人目・2人目の子:各23万9300円

・3人目以降の子:各7万9800円

老齢厚生年金を受給している方の生年月日に応じて、配偶者に支給される加給年金には、特別加算が上乗せされる場合があります。

なお、加給年金は配偶者が65歳に到達すると支給が停止されます。

ただし、その配偶者が老齢基礎年金を受給する際に、一定の条件を満たせば「振替加算」が支給される可能性があります。

【仕事関連】申請しないともらえない「公的なお金」3つ

働くシニアを支援する制度が整備されてきているとはいえ、60歳を迎えると収入が減少するケースは珍しくありません。

また、年齢を重ねてからの再就職が順調に進むとは限らないのが現実です。

ここでは、「申請しなければ受け取れない公的なお金」の中から、とくにシニアの就労と関わりの深い3つの制度を紹介します。

仕事関連1:再就職手当(65歳未満)

再就職手当は、早期の再就職を促進するために設けられた制度です。

「失業から再就職」あるいは「失業から起業」までの期間が短いほど、支給される金額が高くなる仕組みになっています。

・対象者:雇用保険受給資格者で基本手当の受給資格がある人

・支給要件:対象者が雇用保険の被保険者となる、または事業主となって雇用保険の被保険者を雇用する場合で、基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給

・手当の額:就職等をする前日までの失業認定を受けた後の基本手当の支給残日数により下記のとおり給付率が異なる

所定給付日数のうち、3分の1以上を残して再就職した場合は「残り日数の60%」、3分の2以上を残して再就職した場合は「残り日数の70%」が再就職手当として支給されます。※支給額の計算において1円未満の端数は切り捨てとなります。

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再就職手当の額

【再就職手当の金額】ケース1

・基本手当日額:4000円

・所定給付日数:270日

・就職:受給資格決定日以後50日目

参考までに、上記の表と照らし合わせながら見ていきましょう。

・基本手当の支給残日数は228日(待機期間が受給資格決定日を含めて7日となる)→給付率は70%

・再就職手当=4000円×228日×70%=63万8400円

【再就職手当の金額】ケース2

・基本手当日額:4000円

・所定給付日数:270日

・就職:受給資格決定日以後100日目

こちらも同様に、上記の表と照らし合わせて計算していきます。

・基本手当の支給残日数は178日(待機期間が受給資格決定日を含めて7日となる)→給付率は60%

・再就職手当=4000円×178日×60%=42万7200円

仕事関連2:高年齢雇用継続基本給付

高年齢雇用継続給付は、60歳から65歳未満のシニアが引き続き就労し、かつ60歳時点の賃金よりも収入が減少した場合に支給される制度です。

なお、2025年4月からはこの給付金の支給額が段階的に縮小されているため、今後の制度変更にも注意が必要です。

・対象者:雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者

・支給要件:賃金が60歳時到達時の75%未満

・支給額:最高で賃金額の10%相当額(2025年4月から)

・申請先:在職中の事業所を管轄するハローワーク

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【早見表】高年齢雇用継続給付

なお、老齢年金を受給しながら厚生年金に加入し、「高年齢雇用継続給付」を受け取る場合は注意が必要です。

在職による老齢年金の支給停止に加えて、最大で標準報酬月額の6%相当分が高年齢雇用継続給付から減額される仕組みとなっているため、この点をあらかじめ理解しておくことが大切です。

仕事関連3:高年齢求職者給付金(65歳以上)

高年齢求職者給付金は、65歳以上の方が離職し、再就職を目指して求職活動を行う場合に支給される給付金です。

・対象者:高年齢被保険者(65歳以上の雇用保険加入者)で失業した人

・支給要件:下記の全ての要件を満たした人

・支給額:被保険者であった期間に応じて次の表に定める日数分の基本手当相当額

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高年齢求職者給付金の額

なお、65歳未満の方が受け取る失業手当と異なり、高年齢求職者給付金は分割ではなく、一括で支給されるのが特徴です。

給付金制度は取りこぼしなく活用しよう

この記事では、60歳以降も働く人や年金暮らしのシニア層を対象に、申請しないと受け取れない給付金制度について解説してきました。

所得が少ない方向けの「年金生活者支援給付金」、離職後の生活を支える「高年齢求職者給付金」、早期再就職を促す「再就職手当」など5つの給付金・手当を紹介してきました。

これらは自動的には支給されず、申請が必要なお金です。対象条件や申請方法を理解し、取りこぼしのないように活用することが、安心した老後生活につながります。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

《参考》【働くシニア向け】年金改正で「在職老齢年金」が変わる!?

内閣府が公表した「令和7年版高齢社会白書」によると、65歳以上の就業者数と就業率はいずれも上昇傾向に。

男女別に見た、各年齢層での就業者の割合は以下の通りです。

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出所:厚生労働省「令和7年版高齢社会白書」

・65~69歳:男性62.8%、女性44.7%

・70~74歳:男性43.8%、女性27.3%

・75歳以上:男性17.3%、女性8.5%

一般的な年金受給スタート年齢である「65歳以降」も、働き続けるシニアは増加中です。

なお、2025年6月13日に成立した「年金制度改正法」には、在職老齢年金制度の見直しが盛り込まれました。

これにより、2026年4月から、厚生年金をもらいながら働く際に「年金が減額される基準額」が月51万円(※2025年度の金額)から62万円へ引き上げられます。

収入増による年金カットを懸念していたシニアの「働き控え」が緩和され、より柔軟な働き方が可能になると期待されており、厚生労働省の試算では、新たに約20万人が年金を全額受給できるようになるとされています。

参考資料

・厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」

・厚生労働省「再就職手当のご案内」

・厚生労働省「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」

・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」

・日本年金機構「か行 加給年金額」

・日本年金機構「加給年金額と振替加算」

・厚生労働省「令和7年版高齢社会白書」

・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」