【1世帯あたり3万円】進行中の「住民税非課税世帯」対象の給付金をおさらい!所得割・均等割の両方が非課税となる世帯の要件は?
【2人以上世帯の貯蓄事情】20歳代~70歳代の「平均貯蓄額・中央値」の一覧表も掲載

【1世帯あたり3万円】進行中の「住民税非課税世帯」対象の給付金をおさらい!所得割・均等割の両方が非課税となる世帯の要件は?
2025年7月現在、物価高による家計の負担を軽減する目的で、住民税非課税世帯などを対象に「1世帯あたり3万円の給付金」が全国の自治体で実施されています。
多くの自治体では申請期限が迫っており、すでに締切が過ぎた地域もありますが、一部ではまだ受付中。該当する方は、早めの確認と手続きが必要です。
本記事では、住民税非課税世帯対象の給付金のおさらいと、給付対象となる「非課税世帯」の条件を解説します。記事後半では20歳代~70歳代の貯蓄事情も一覧表で紹介しますので、参考にしてみてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【概要をおさらい】住民税非課税世帯対象の給付金とは?
2024年11月22日に「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」が閣議決定されました。
12月に可決・成立した2024年度補正予算には、物価高騰の影響を受けやすい低所得者世帯、特に「住民税非課税世帯」を対象とした給付金が盛り込まれています。
給付作業は各自治体が担当し、給付額は1世帯あたり3万円です。18歳以下の児童がいる世帯には、児童1人あたり2万円が加算されます。
例えば、「夫婦+対象となる子ども2人」の世帯であれば、支給額は合計7万円です。

住民税非課税世帯が対象《3万円給付金》は子ども加算あり
今回の給付金の対象となる世帯
対象となるのは「住民税非課税世帯」です。
【ご注意】給付金の申請方法や申請期限、細かい支給要件などは市区町村により異なります。お住まいの自治体の最新情報を、ホームページや広報誌などでご確認ください。LIMOでは個別のお問い合わせへのお答えはいたしかねます。
次章では住民税についておさらいし、「住民税非課税世帯」の要件について詳しく解説します。
住民税非課税世帯の基本と非課税の要件
まずは住民税の仕組みを確認し、住民税非課税世帯となる要件を見ていきましょう。
住民税の基本

住民税は「均等割」と「所得割」の2層構造
住民税は、住んでいる都道府県や市区町村に支払う地方税です。地方自治体の重要な財源であり、公共サービスやインフラ整備に使われます。
個人住民税は、均等割と所得割の2つの部分から成り立っています。
・均等割:所得に関係なく一律に課税される部分
・所得割:所得に応じて税額が決まる部分
均等割・所得割ともに免除になることを「住民税非課税」と言います。「住民税非課税世帯」は、世帯全員が住民税非課税となる世帯を指します。
なお、「住民税の所得割のみ非課税」となる区分もあります。ただし今回の給付金の対象となるかどうかは自治体により異なるため、必ずお住まいの市区町村などの基準をご確認ください。
住民税が非課税となる<3つの要件>
では、住民税が非課税となる要件を詳しく見てみましょう。
以下のいずれかに該当した場合、住民税が非課税となります。
・生活保護を受けている
・障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で、前年の所得が135万円以下である
・前年の所得が各市区町村の基準を下回る
1と2の要件は全ての市区町村で共通ですが、3の所得要件は市区町村ごとに異なる基準があります。
次章では札幌市を例に挙げて、具体的に基準について確認していきましょう。
【札幌市の場合】所得割・均等割の両方が非課税となる世帯の要件
「住民税非課税世帯」に該当する所得の限度額を確認していきます。
基準は市区町村ごとに異なりますので、ここでは札幌市の例を見てみましょう。

住民税非課税世帯に該当する世帯(札幌市の場合)
・扶養親族を有さない方:45万円
・扶養親族を有する方:35万円×家族数(本人+同一生計配偶者+扶養親族数)+31万円
所得割のみが非課税の世帯

住民税非課税世帯に該当する世帯(札幌市の場合)
・扶養親族を有さない方:45万円
・扶養親族を有する方:35万円×家族数(本人+同一生計配偶者+扶養親族数)+42万円
「収入」から控除や経費を差し引いたものが「所得」ですが、具体的な所得金額の基準は、自治体によって大きく異なります。
ご自身が住民税非課税世帯に該当するかどうか知りたい場合は、お住まいの自治体の広報やホームページで確認しましょう。
続いて、年齢層ごとの住民税課税世帯の割合を見ていきます。
【年齢層別】住民税が「課税されている世帯」の割合はどれくらい?
厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」の資料から、年齢層別に住民税が「課税される世帯」の割合を見てみましょう。

住民税課税世帯の年代別割合
・30歳代:88.0%
・40歳代:90.0%
・50歳代:86.4%
・60歳代:78.3%
・70歳代:64.1%
・80歳代:47.5%
・65歳以上(再掲):61.9%
・75歳以上(再掲):50.9%
※ 全世帯数には、非課税世帯及び課税の有無不詳の世帯が含まれます。
※ 総数には、年齢不詳の世帯が含まれます。
※ 住民税課税世帯には、住民税額不詳の世帯を含む。
住民税が課税される世帯の割合は、30~50歳代では約90%でしたが、60歳代で78.3%となります。その後65歳以上は61.9%、75歳以上は50.9%となっています。
年齢が高くなるにつれて、住民税が課税される世帯の割合は低くなっています。
一般的に年金生活に入ると現役時代よりも収入が減少し、それに加えて65歳以上の方には公的年金に対する所得控除が大きく、また遺族年金が課税対象とはなりません。
そのため、高齢者の年金生活者は「住民税非課税世帯」に該当しやすい傾向があるのでしょう。
続いて、各年代別の貯蓄額に関するデータを紹介します。
【2人以上世帯の貯蓄】20歳代~70歳代の「平均貯蓄額・中央値」の一覧
各年代別に二人以上世帯の貯蓄額について見ていきましょう。
平均と中央値、ならびに「100万円未満の世帯の割合」を、金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとに紹介します。

2人以上世帯の貯蓄額《平均・中央値・世帯差》
全体
・平均1374万円 中央値350万円
・貯蓄100万円未満の割合33.1%(うち貯蓄ゼロ世帯24.0%)
20歳代
・平均382万円 中央値84万円
・貯蓄100万円未満の割合46.2%(うち貯蓄ゼロ世帯22.8%)
30歳代
・平均677万円 中央値180万円
・貯蓄100万円未満の割合37.6%(うち貯蓄ゼロ世帯24.5%)
40歳代
・平均944万円 中央値250万円
・貯蓄100万円未満の割合36.9%(うち貯蓄ゼロ世帯25.7%)
50歳代
・平均1168万円 中央値250万円
・貯蓄100万円未満の割合37.9%(うち貯蓄ゼロ世帯29.2%)
60歳代
・平均2033万円 中央値650万円
・貯蓄100万円未満の割合27.0%(うち貯蓄ゼロ世帯20.5%)
70歳代
・平均1923万円 中央値800万円
・貯蓄100万円未満の割合26.2%(うち貯蓄ゼロ世帯20.8%)
貯蓄の平均値や中央値を見ると、年齢が上がるほど貯蓄額も増加しています。
しかし、どの年齢層でも、貯蓄額が100万円未満の世帯が30%~40%程度存在しています。
特に、中央値が平均値の3分の1から4分の1程度となっており、貯蓄額には大きなばらつきがあることがわかります。
少数の高額貯蓄世帯が平均値を引き上げている可能性が高いのでしょう。
【知っておきたい年金改正】遺族厚生年金が改正「原則5年間の有期給付」に?
2025年6月13日に成立した「年金制度改革法」の大きな狙いの一つは、働き方や家族構成の多様化に応じた年金制度の整備です。
今回の改正では、いわゆる「106万円の壁」撤廃に関連する社会保険加入要件の拡大のほか、遺族年金に関する見直しも盛り込まれました。

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
現在の遺族厚生年金のしくみでは、受給者の性別によって下記のような男女差がありました。
現在のしくみ
・女性
・男性
こうした男女差の解消に向けた見直しは、男性については2028年4月から実施、女性は2028年4月から20年かけて段階的に実施されます。
見直し後
・男女共通
なお、今回の改正では「遺族基礎年金」の見直しも盛り込まれました。
同一生計にある父または母が遺族基礎年金を受け取れなかったケースでも、2028年4月からは、こどもが単独で「遺族基礎年金」を受け取れるようになります。
平均にとらわれすぎず、コツコツ老後資産を備えよう
今回は、住民税非課税世帯の要件や各世代の平均貯蓄額を見てきました。
平均よりも多く貯蓄できている人、平均を下回っている人、個人の経済状況はさまざまでしょう。
現状に一喜一憂するのではなく、老後に向けて今から計画的に貯蓄を進めていくことがとても大切です。
老後は少ない年金収入でやりくりしている世帯も多く、住民税非課税世帯の割合も高くなっていきます。
それまでの貯蓄を取り崩して生活していくことになるため、現役世代のうちにある程度の蓄えを用意しておく必要があります。
資産形成にはある程度の「期間」も必要です。
老後から逆算し、今からできることを始めてみましょう。
参考資料
・内閣府特命担当⼤⾂(経済財政政策)「国⺠の安⼼・安全と持続的な成⻑に向けた総合経済対策」
・総務省「個人住民税」
・札幌市「個人市民税」
・厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」
・金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
・日本年金機構「年金Q&A (年金相談)」
・日本年金機構「年金相談や手続きを代理人に委任するとき」
・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」