65歳以上【無職世帯の生活費】毎月の家計収支は赤字?《国民年金・厚生年金》平均月額はいくらか一覧で見る

65歳以上の人が失業した際に受け取れる「高年齢求職者給付金」も解説

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65歳以上【無職世帯の生活費】毎月の家計収支は赤字?《国民年金・厚生年金》平均月額はいくらか一覧で見る

7月に入り、本格的な夏を迎えました。冷房の使用が増えるほか、夏祭りやお盆などのイベントに伴う出費も重なり、家計への負担が大きくなる季節です。特に年金で生活している高齢夫婦にとって、こうした出費は無視できない問題です。

総務省の「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の「夫婦のみ・無職世帯」の家計収支では毎月の支出が収入を上回る「赤字家計」の傾向が続いています。

この記事では、こうした世帯の実際の家計収支や月々の赤字額、主な支出項目の内訳まで詳しく紹介します。シニア世代の平均貯蓄額や年金事情も解説しますので、参考にしてみてください。

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65歳以上【無職世帯の生活費】毎月の家計収支

総務省の「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」から、標準的な65歳以上の無職夫婦世帯の家計収支を確認します。

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65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2024年)

収入:25万2818円

■うち社会保障給付(主に年金)22万5182円

支出:28万6877円

■うち消費支出:25万6521円

・食料:7万6352円

・住居:1万6432円

・光熱・水道:2万1919円

・家具・家事用品:1万2265円

・被服及び履物:5590円

・保健医療:1万8383円

・交通・通信:2万7768円

・教育:0円

・教養娯楽:2万5377円

・その他の消費支出:5万2433円

■うち非消費支出:3万356円

・直接税:1万1162円

・社会保険料:1万9171円

家計収支

・ひと月の赤字:3万4058円

・エンゲル係数(※消費支出に占める食料費の割合):29.8%

・平均消費性向(※可処分所得に対する消費支出の割合):115.3%

この世帯の場合、毎月の収入は25万2818円、そのうち約9割(22万5182円)を占めるのが公的年金などの社会保障給付です。

一方で支出の合計は28万6877円。そのうち消費支出(いわゆる生活費)が25万6521円、非消費支出(税や社会保険料など)が3万356円でした。

なおエンゲル係数は29.8%、平均消費性向は115.3%。この夫婦世帯の場合、毎月3万4058円の赤字が発生します。これを、主に貯蓄の取り崩しなどでカバーしていく必要があります。

家計収支の注意点

先述の家計収支では、「住居費」が1万6432円である点や、「介護費用」が項目として含まれていないといった点に留意する必要がありそうです。

賃貸住宅に住まう場合は家賃分との差額を上乗せして考える必要があります。介護リフォームや住み替えが必要となるケースや、医療費や介護費用が想定外にかさむ世帯もあるでしょう。

そこで頼りになるのは、現役時代からコツコツと増やしてきた貯蓄です。次では世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上世帯)の貯蓄事情についても見ていきます。

65歳以上の無職世帯「貯蓄額の推移」と「資産種類の内訳」

世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上世帯)の、貯蓄額の推移や資産種類の内訳を見てみましょう。

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世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄の種類別貯蓄現在高の推移(二人以上の世帯)

65歳以上の無職世帯《平均貯蓄額》の推移

・2018年:2233万円

・2019年:2218万円

・2020年:2292万円

・2021年:2342万円

・2022年:2359万円

・2023年:2504万円

世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上世帯)の貯蓄額は、2018年から2020年までは2200万円台に落ち着いていましたが、2021年に2300万円台、2023年には2500万円台となりました。

資産の内訳の変化も気になりますね。

65歳以上の無職世帯《資産の内訳》の変化

65歳以上の無職世帯(二人以上世帯)の「資産の内訳」について、2018年と2023年を比べてみましょう。

通貨性預貯金

※主に普通預金

・金額:+249万円(505万円→754万円)

・割合:+7.5%(22.6%→30.1%)

定期性預貯金

※定額貯金、積立貯金、定期預金、定期積金など

・金額:▲125万円減(971万円→846万円)

・割合:▲9.7%減(43.5%→33.8%)

生命保険など

※民間保険会社が販売する積立型の生命保険、損害保険(積立型)、農業協同組合などが取り扱う各種共済、郵便局で取り扱う簡易保険(保険商品、年金商品)など。なお、掛け捨ての生命保険は含まれない。

・金額:+42万円(371万円→413万円)

・割合:▲0.1%減(16.6%→16.5%)

有価証券

※株式や有価証券など

・金額:+104万円(376万円→480万円)

・割合:+2.4%(16.8%→19.2%)

金融機関外

※社内預金、勤め先の共済組合への預金など

・金額:+1万円(10万円→11万円)

・割合:0%(0.4%)

合計

・金額:+271万円(2233万円→2504万円)

2018年と2023年ともに、貯蓄全体の約6割は比較的リスクが低い預貯金として保有されていることが分かります。

最も増え幅が大きかったのは「通貨性預貯金」の+249万円(+7.5%)、最も減り幅が大きかったのは「定期性預貯金」の▲125万円(▲9.7%)減。その一方で、有価証券は+104万円(+2.4%)と増加傾向にあります。

65歳以上の無職世帯にとって、貯蓄は老後生活の安心感に直結するものと言えるでしょう。

ただし、各世帯の貯蓄事情は、定年退職金や相続の有無、家族の健康状態などさまざまな要因をうけ、世帯差が出ます。現役時代の年収・貯蓄事情が人それぞれであるように、老後の年金額も個人差があります。

そこで次では、より確実な老後の収入源となる「公的年金(厚生年金・国民年金)」を、いまのシニアがどのくらい受け取れているかを見ておきましょう。

65歳以上《国民年金・厚生年金》平均受給額はいくら?

厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65歳以上の各年齢における平均年金月額は、国民年金のみの受給権者で5万円台、厚生年金(国民年金部分を含む)の受給権者で14万円台~16万円台となりました。

ただし一人ひとりが実際に受け取る年金額は、現役時代の年金加入状況により個人差があります。60歳~90歳以上の全受給権者の平均年金月額や個人差も見ておきましょう。

国民年金・厚生年金「平均月額と個人差」

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【老齢年金世代】国民年金・厚生年金「平均月額と個人差」

国民年金(老齢基礎年金)

・〈全体〉平均年金月額:5万7584円

・〈男性〉平均年金月額:5万9965円

・〈女性〉平均年金月額:5万5777円

厚生年金(国民年金部分を含む)

・〈全体〉平均年金月額:14万6429円

・〈男性〉平均年金月額:16万6606円

・〈女性〉平均年金月額:10万7200円

平均年金月額は、国民年金のみを受給する場合は男女ともに5万円台です。厚生年金を上乗せで受給する場合は男性16万円台、女性10万円台と、男女差があります。

老後の年金見込み額は「夫婦単位」で把握しておくことが大切です。「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を活用しましょう。

【豆知識】65歳以上の人が失業した際に受け取れる「高年齢求職者給付金」

一般的な年金受給開始年齢である65歳以降も、働き続けるシニアが増えています。しかし歳を重ねてからの求職活動は、必ずしもスムーズに進むケースばかりではないでしょう。

今回は、65歳以上の人が失業した際に受け取れる「高年齢求職者給付金」についてご紹介します。

高年齢求職者給付金【誰がもらえる?】支給要件

・対象者:高年齢被保険者(65歳以上の雇用保険加入者)で失業した人

・支給要件:下記の全ての要件を満たした人

高年齢求職者給付金【いくらもらえる?】給付金額

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高年齢求職者給付金の額

・給付金額

なお、65歳未満が受け取る「失業手当」は4週間に一度ずつ失業認定を受けてから給付されますが、高年齢求職者給付金は一括支給となります。

介護・修繕・突発費用まで見据えた備えを

今回は65歳以上の世帯の家計収支について詳しく見てきました。

老後の生活には、ある程度の貯蓄があっても安心とは言い切れません。特に介護の問題は多くの方が直面する可能性があり、年齢とともに体の自由が利かなくなると、介護サービスの利用や介護施設への入居が必要になるケースもあります。そのため、「日常生活にかかる費用」に加えて、「介護に備えた費用」もあらかじめ見込んでおくことが重要です。

さらに、持ち家の方の場合は「住宅の老朽化」に伴う修繕費が発生することも十分考えられます。これらは突発的な出費になることが多く、事前の備えがなければ家計を圧迫しかねません。

これは現役世代にも共通して言えることですが、「〇万円貯蓄があるから老後は安心」という訳ではありません。あらゆる事態を想定して、何が起こっても金銭面で困らないための老後資金準備をしておくことが大事でしょう。

※ご参考【年金早見表】厚生年金・国民年金「60歳~90歳代以上」各年齢の平均年金月額

厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、60歳から90歳代以上の各年齢における、厚生年金と国民年金の平均年金月額を知ることができます。

60歳から64歳までの平均年金月額は、繰上げ受給を選択した人や、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの人の年金額となるため、65歳以上よりも低めです。

厚生年金の平均年金月額《1歳刻み》

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厚生年金の平均年金月額《1歳刻み》

60歳~90歳以上(1歳刻み)

60歳:9万6492円

・61歳:10万317円

・62歳:6万3244円

・63歳:6万5313円

・64歳:8万1700円

65歳:14万5876円

・66歳:14万8285円

・67歳:14万9205円

・68歳:14万7862円

・69歳:14万5960円

70歳:14万4773円

・71歳:14万3521円

・72歳:14万2248円

・73歳:14万4251円

・74歳:14万7684円

75歳:14万7455円

・76歳:14万7152円

・77歳:14万7070円

・78歳:14万9232円

・79歳:14万9883円

80歳:15万1580円

・81歳:15万3834円

・82歳:15万6103円

・83歳:15万8631円

・84歳:16万59円

85歳:16万1684円

・86歳:16万1870円

・87歳:16万2514円

・88歳:16万3198円

・89歳:16万2841円

90歳以上:16万721円

60歳~90歳以上の全受給者

・全体平均:14万6429円

・男性平均:16万6606円

・女性平均:10万7200円

国民年金の平均年金月額《1歳刻み》

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国民年金の平均年金月額《1歳刻み》

60歳~90歳以上(1歳刻み)

60歳:4万3638円

・61歳:4万4663円

・62歳:4万3477円

・63歳:4万5035円

・64歳:4万6053円

65歳:5万9599円

・66歳:5万9510円

・67歳:5万9475円

・68歳:5万9194円

・69歳:5万8972円

70歳:5万8956円

・71歳:5万8569円

・72歳:5万8429円

・73歳:5万8220円

・74歳:5万8070円

75歳:5万7973円

・76歳:5万7774円

・77歳:5万7561円

・78歳:5万7119円

・79歳:5万7078円

80歳:5万6736円

・81歳:5万6487円

・82歳:5万6351円

・83歳:5万8112円

・84歳:5万7879円

85歳:5万7693円

・86歳:5万7685円

・87歳:5万7244円

・88歳:5万7076円

・89歳:5万6796円

90歳以上:5万3621円

参考資料

・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」

・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」

・日本年金機構「加給年金額と振替加算」

・厚生労働省「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」