知らないと損…年間195万円の控除も!サラリーマンが実践できる節税方法【FPが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)
会社員として給与を受け取る中で、「税金や社会保険料で手取りが減ってしまう……」と感じる人は多いでしょう。しかし、実は多くの会社員が見過ごしている「節税のチャンス」があることをご存じですか? 本稿では、横山光昭氏監修『いちからわかる!お金のきほん 2025年最新制度対応版』(インプレス)より、控除と社会保険制度の仕組みについて解説します。
控除額を増やせれば、会社員でも納税額を少なくできる
会社員の経費は一律で計算される
会社員の場合、納めるべき所得税や住民税は、収入から各種控除を差し引いた「課税所得」に対して課されます。そのため、所得控除が増えれば課税所得を少なくでき、所得税・住民税を減らせます。まずは、所得控除の仕組みを理解しましょう。ここでは、会社員のケースで解説します。
1つ目は「給与所得控除」。これは、会社員などの給与所得者全員に認められているものです。最低65万円(※1)が差し引かれ、収入に応じて金額は上がっていき、上限額は195万円となっています。これは、あくまでも“みなし経費”として、所得から差し引かれます。
個々の事情に配慮した控除が受けられる制度
その他の所得控除を(図表1)にまとめました。「基礎控除」「社会保険料控除」は、会社員なら誰もが受けられる控除です。また、「配偶者控除」「扶養控除」など、家族構成に応じて受けられる控除もあります。これらは、年末調整時に家族状況などを会社に申告すれば、自動で控除が受けられます。

[図表1]納税者の生活状況に合わせて受けられる控除
他にも、自ら申告することで受けられる所得控除もあります。まず、「生命保険料控除」「地震保険料控除」は、生命保険などに加入して支払った保険料分の控除が受けられます。ただし、上限額があるので、多くの場合、全額控除されるわけではありません。
「小規模企業共済掛金控除」。iDeCoの掛金分がこれに該当します。
「医療費控除」は、1年間にかかった医療費が10万円を超えた場合、超えた分が控除されます。扶養している家族がいれば、その分の医療費も合算することができます。
「寄附金控除」は、国や地方団体に寄附した場合の金額に対し受けられる控除で、代表的なものは「ふるさと納税」です。なお、医療費控除と寄附金控除は確定申告が必要ですが、ふるさと納税は条件を満たせば確定申告不要の制度を利用できます。

[図表2]条件が合えば誰でも利用できる控除
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※1 2025年以降の所得税から運用

[図表3]給与所得控除額は収入によって異なる
給与から差し引かれる社会保険料の使い道
病気やケガだけでなく老後の生活もサポートしてくれる国の制度
給与からは、税金や社会保険料が差し引かれています。中でも社会保険料は、年間何十万円もの金額が差し引かれています。この金額を意識すると、「負担が大きすぎる」と感じるかもしれませんが、このお金を支払っていることで、日常のトラブルが起きたときに、さまざまな公的サポートを受けられます。どんな保障を受けられるのかを事前に理解しておくことは、生活を守るためのお金を適切に備えることにもつながるので、その内容を確認していきましょう。
社会保険制度の保障は、病気やケガだけでなく、老後の生活や介護になったときなども対象です。国民が保険料を出し合い、お互いに支え合うという基本の仕組みがあります。
この社会保険には「公的医療保険」「公的年金」「雇用保険」「介護保険」「労災保険」の5つがあります。会社員の場合は、これらすべてに加入していますが、自営業者やフリーランスの場合は、公的医療保険、公的年金のみに加入します。

[図表4]人生に起こる「困った!」をカバーしてくれる保障
会社員の方が受けられる保障の種類が多い
「公的医療保険」は、病気やケガで医療機関を受診した際の自己負担額が、原則3割で済む制度。75歳未満(※2)の会社員やその家族などは、被用者保険(健康保険組合など)に加入。保険料は、月収に決められた保険料率を掛けて算出され、会社が半分負担します。自営業者などの場合は、国民健康保険に加入し、保険料は、前年の所得を基に、世帯単位で算出され、全額自己負担となります。
「公的年金制度」は、原則65歳から一生涯年金を受給できる制度。加入者が死亡した場合や障害を負った場合の保障もあります。会社員と自営業者では、加入する年金の種類が異なります。
「介護保険」は、40歳以上の全員が対象で、保険料は、加入している医療保険の保険料に上乗せされて40歳から徴収されます。要支援・要介護と認定されると、介護サービス費の一部を負担してもらえます。
「雇用保険」は、1週間あたりの所定労働時間が20時間以上などの要件を満たせば、パートやアルバイトでも加入できる制度ですが、企業側にも要件があります。失業中だけでなく、育児・介護などで休暇した場合にも保障を受けられます。
「労災保険」は、パートやアルバイト、日雇い労働者なども含む会社に雇用されて働くすべての人が加入でき、勤務中・通勤中の事故や事件(労働災害)などの病気やケガ、死亡に対し補償を受けられます。
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※2 75歳以上は、職業などに関係なくすべての人が「後期高齢者医療保険」に加入する
横山 光昭
株式会社マイエフピー
代表