【現地ルポ】巨額を投じるも空きテナントばかり...「渋谷サクラステージ」の悲しすぎる現在

オープン時、渋谷サクラステージの目玉とされていた4階のビアホールエリアは客足がまばらだった

渋谷に″日本一新しい廃墟″が誕生

6月のある日のランチタイム――ピカピカのビルに足を踏み入れたFRIDAY記者の視界にまず飛び込んできたのは、「テナント募集」の貼り紙だった。地下1~2階の飲食店フロアだけで1つ、2つ……計10件ほどの空きテナント。「KALDI」や「KATE」など、オープンしている店はあるものの、いずれも40~50代の男女が5~6人ポツポツといる程度。1時間歩いたなかで、人とすれ違ったのはほんの数回。買い物袋を提げている客もほとんど見かけなかった。

東急グループが6000億円の巨費を投じ、 ’12年から本格的に始まった渋谷再開発。その締めくくりとして華々しく開業した「渋谷サクラステージ」がSNS上で″日本一新しい廃墟″と揶揄されている。実態を確かめるため、現地に向かった記者が目にしたのが、冒頭の光景である。

高層階のオフィスフロアで働いているという40代の男性はこうコボす。

「飲食店の価格が高すぎる。ランチでも1500~2000円ぐらいするので、たまにしか行けません。インバウンド客なら払えるのかもしれないけど、ここには外国人客もいない(笑)。コスメやアパレルが充実していないから若者も集まりません。テナント料が高いのか、オープンから一向に飲食店の数が増えない。バリエーションが少なすぎて、″仕事終わりに一杯飲むのも難しい″って嘆きの声が上がってますよ」

形状と立地が悪すぎる

不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏がサクラステージの苦境を分析する。

「サクラステージは細長い形状をしていて、回遊性が低い。施設全体をグルッと1周できないんです。奥まで行ったら、いちいち引き返さないといけない。若者やインバウンド客で賑わうセンター街から外れたオフィスエリアにあるという立地も、人を遠ざける要因になっている。

一連の再開発で渋谷は一変しました。独自のカルチャーやファッションを求めてセンター街に来ていた若者は、歌舞伎町や新大久保へと移りました。’27~’31年度にはスクランブルスクエアの中央棟・西棟が竣工予定で、ここには新たな商業施設がオープンする。“渋谷商業”が復権できるか注目されます」

サクラステージの現状は、″シブヤの未来″を映し出しているのかもしれない。

こちらも目玉とされた「KATE」初のグローバル旗艦店。写真の通り、取材時の店内は閑散としていた

飲食店やイベントスペースが立ち並ぶエリア。親子連れや男性客の姿を確認できたが、盛況とは程遠い

スクランブルスクエア東棟の横では中央棟と西棟が建設中。’31年度の完成を予定している

『FRIDAY』2025年7月18日・25日合併号より