【家計調査】「65歳以上無職夫婦の平均貯蓄額は2500万円超!」約7747万人いる年金受給者の「平均的な暮らし」を解説
- 【65歳以上年金暮らしの夫婦】家計調査でみる「ひと月いくらで生活してる?」
- 【世帯主65歳以上の年金暮らし夫婦】「みんないくら貯金してる?」
- 【世帯主65歳以上の二人以上世帯】有職・無職問わず「貯金額の平均は?」
- 65歳以上の二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)
- 【2025年度の年金制度】受給額は1.9%増額
- 2025年度の年金額
- 国民年金と厚生年金(国民年金を含む)の平均受給額
- 国民年金(老齢基礎年金):平均年金月額
- 厚生年金(国民年金部分を含む):平均年金月額
- 【年金制度改正法が成立】「これからの暮らし、どんな影響がある?」
- 年金制度改正の全体像《主な見直しポイント》
- 年金生活を前向きに!家計と貯蓄の賢い見直し方
毎年微増する年金受給者、令和5年度末時点で約7747万人「どんな生活してる?貯金はいくら?」総務省の家計調査で明らかに!

【家計調査】「65歳以上無職夫婦の平均貯蓄額は2500万円超!」約7747万人いる年金受給者の「平均的な暮らし」を解説
「年金だけで毎月どれくらい生活できるのだろう?」「老後の生活費は一体いくら必要なの?」と、漠然とした不安を感じていませんか?公的年金の受給者の延べ人数は令和5年度末で約7747万人いますが、総務省の最新の家計調査によると、65歳以上の夫婦世帯の年金暮らしでは毎月約3万4000円の赤字が生じていることが明らかになりました。この記事では、具体的なデータをもとに、年金生活の家計収支の内訳、貯蓄の平均額と中央値、さらには2025年度の年金制度改正まで、あなたの老後生活を考える上で役立つ情報をお届けします。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【65歳以上年金暮らしの夫婦】家計調査でみる「ひと月いくらで生活してる?」
総務省統計局が2025年3月11日に公表した「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」から、65歳以上無職夫婦世帯のひと月の家計収支データをのぞいてみましょう。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2024年)
毎月の実収入:25万2818円
■うち社会保障給付(主に年金)22万5182円
毎月の支出:28万6877円
■うち消費支出:25万6521円
・食料:7万6352円
・住居:1万6432円
・光熱・水道:2万1919円
・家具・家事用品:1万2265円
・被服及び履物:5590円
・保健医療:1万8383円
・交通・通信:2万7768円
・教育:0円
・教養娯楽:2万5377円
・その他の消費支出:5万2433円
■うち非消費支出:3万356円
・直接税:1万1162円
・社会保険料:1万9171円
毎月の家計収支
・3万4058円の赤字
この世帯の場合、支出の合計は28万6877円。そのうち社会保険料や税などの「非消費支出」が3万356円、いわゆる「生活費」にあたる消費支出が25万6521円です。
一方で、ひと月の収入は25万2818円。その約9割(22万5182円)を社会保障給付(主に公的年金)が占めますが、結果的には毎月3万4058円の赤字となり、貯蓄の取り崩しなどでカバーが必要です。
ただし上記の支出の内訳には「介護費用」がなく、住居費も1万円台となっています。世帯構成や健康状態により、さらに上乗せの出費を想定しておく必要もあるでしょう。
【世帯主65歳以上の年金暮らし夫婦】「みんないくら貯金してる?」
総務省統計局が2025年5月16日に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-」から、シニア世代の貯蓄事情を見ていきます。
同資料によると、2024年時点での「世帯主が65歳以上の無職世帯」の貯蓄の平均貯蓄額は2560万円に。前年より56万円増加となっています。

世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄の種類別現在高の推移(二人以上の世帯)
過去5年を見ると、2019年 2218万円→2020年 2292万円→2021年 2342万円→2022年 2359万円→2023年 2504万円→2024年 2560万円と、右肩上がりで推移しています。
金融資産の種類別では、2024年に最も多かったのは定期性預貯金の859万円。次いで通貨性預貯金が801万円、有価証券(※1)が501万円、「生命保険など」が394万円、金融機関外(※2)が6万円です。
前年からの増え幅を見ると、通貨性預貯金が+47万円(+6.2%)、有価証券が+21万円(+4.4%)となっています。
※1 有価証券:株式、債券、株式投資信託、公社債投資信託、貸付信託、金銭信託など(いずれも時価)
※2 金融機関外:金融機関以外への貯蓄のことで、社内預金、勤め先の共済組合への預金など
【世帯主65歳以上の二人以上世帯】有職・無職問わず「貯金額の平均は?」
同じ資料から、有職・無職を問わず「世帯主が65歳以上・二人以上世帯」全体の貯蓄事情についても見てみましょう。

世帯主が65歳以上の世帯の現在貯蓄高階級別世帯分布(二人以上の世帯)ー2024年ー
65歳以上の二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)
・平均:2509万円
・貯蓄保有世帯の中央値(※):1658万円
勤労世帯も含めた「世帯主が65歳以上の二人以上世帯」の平均貯蓄額は2509万円。無職夫婦のみ世帯よりもやや少なめですが、51万円と僅差です。
ただし貯蓄保有世帯の中央値(※)に目を向けると1658万円にまで下がり、貯蓄の世帯差がうかがえる結果となりました。
老後の貯蓄額は、現役時代からコツコツ貯めた預貯金、資産運用の結果、定年退職金や相続資産によっても世帯差がつくでしょう。
※貯蓄保有世帯の中央値:貯蓄が0円の世帯を除いた世帯を、貯蓄現在高の少ない方から順番に並べたときに真ん中に位置する世帯の貯蓄現在高
【2025年度の年金制度】受給額は1.9%増額
公的年金の金額は、現役世代の賃金や物価を考慮して、毎年度見直しがおこなわれる決まりです。2025年度分(4月分以降)は、前年度より1.9%の引き上げとなっています。
2025年度の年金額

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
・国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)
・厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※2)
ただし上記は「年金例」に過ぎず、実際に支給される年金額は、現役時代の年金加入状況により人それぞれです。
また、前年より1.9%の引き上げにはなりましたが、マクロ経済スライド(※3)の発動により、実質的には目減りしている点には留意が必要です。
この改定率は、6月13日(金曜日)支給の、2025年4月分・5月分の年金から適用されています。
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
※3 「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ
国民年金と厚生年金(国民年金を含む)の平均受給額

出所:厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、2023年度末の国民年金・厚生年金(※)の平均年金月額を見ていきます。
※厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。また、厚生年金の月額には国民年金(老齢基礎年金)部分が含まれています。
国民年金(老齢基礎年金):平均年金月額
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
厚生年金(国民年金部分を含む):平均年金月額
〈全体〉平均年金月額:14万6429円
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
平均年金月額は、国民年金のみを受け取る場合で5万円台。厚生年金(国民年金部分を含む)を受け取る場合は、男性16万円台、女性10万円台と開きがあります。
また、グラフが示すように、国民年金、厚生年金それぞれの受給権者の中でも個人差が出ます。
【年金制度改正法が成立】「これからの暮らし、どんな影響がある?」
2025年6月13日、年金制度改正法が成立しました。働き方や家族構成などの多様化に合わせた年金制度の整備、私的年金制度の拡充などにより、老後の暮らしの安定や、所得保障機能の強化に繋げていくことが主な狙いです。
今回の改正の主な見直しポイントを整理していきましょう。
年金制度改正の全体像《主な見直しポイント》

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
社会保険の加入対象の拡大
・短時間労働者の加入要件(賃金要件・企業規模要件)の見直し(年収「106万円の壁」撤廃へ)
在職老齢年金の見直し
・支給停止調整額「月62万円」へ大幅緩和(2025年度は月51万円)
遺族年金の見直し
・遺族厚生年金の男女差を解消
・子どもが遺族基礎年金を受給しやすくする
保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ
・標準報酬月額の上限を、月65万円→75万円へ段階的に引き上げ
私的年金制度
・iDeCo加入年齢の上限引き上げ(3年以内に実施)
・企業型DCの拠出限度額の拡充(3年以内に実施)
・企業年金の運用の見える化(5年以内に実施)
こうした内容からも、公的年金制度は現役世代の働き方やライフプランと深い関わりを持つことが分かります。
年金生活を前向きに!家計と貯蓄の賢い見直し方
今回は、総務省の家計調査データや厚生労働省の発表をもとに、65歳以上の年金暮らし夫婦の家計収支や貯蓄の実態、そして2025年度の年金改定や年金制度改正について解説しました。
まとめると、以下の3点が重要です。
・公的年金だけでは毎月赤字になる可能性あり
年金以外の収入源や貯蓄の取り崩しが不可欠となるケースが多いことを認識しておきましょう。
・老後の資金は世帯差が大きい
平均貯蓄額はあくまで目安。ご自身のライフスタイルや健康状態に合わせて、現実的な貯蓄目標を立てることが大切です。
・年金制度は変化する
常に最新の情報を確認し、必要に応じてライフプランを見直す柔軟な姿勢が求められます。
老後の生活は、現役時代の努力と準備が実を結ぶ大切な時期です。今回のデータを参考に、あなたらしい豊かなセカンドライフをデザインするための第一歩を踏み出してみませんか?
参考資料
・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
・総務省統計局「第3 家計調査の貯蓄・負債編の見方」
・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」