【60歳代の無職世帯】ひと月の生活費+みんなの貯蓄は平均いくら?《年金の一覧表で見る》厚生年金・国民年金の平均と個人差
- 【65歳以上】無職夫婦世帯の家計収支は《毎月約3.4万円赤字に》
- 65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2024年)
- 【持ち家率】65歳以上は「持ち家率」が84.5%
- 【平均貯蓄額】65歳以上の貯蓄「二人世帯なら平均2462万円」
- 世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高(二人以上世帯)平均・中央値
- 世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高の金額別世帯分布 (二人以上世帯)
- 【無職世帯】65歳以上の貯蓄「二人世帯なら平均2504万円」
- 【国民年金・厚生年金】平均と個人差を一覧表でチェック
- 【老齢年金世代】国民年金・厚生年金「平均月額と個人差」
- 【シニアの収入事情】公的年金だけに頼るシニア世帯の割合は約4割
- 【総所得に占める公的年金・恩給の割合別 世帯構成】
- 年金+貯蓄にあわせて「保障」も用意を
【最新統計】年金受給世帯では”約4割”が公的年金収入のみに頼って生活している実態

【60歳代の無職世帯】ひと月の生活費+みんなの貯蓄は平均いくら?《年金の一覧表で見る》厚生年金・国民年金の平均と個人差
仕事をリタイアし、年金が主な収入となるシニア世帯。「収入と支出のバランスはどうなっているのか?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
現役時代と違い、家賃や食費、医療費、交際費など、かかるお金の内容が変わってくる一方で、収入源は限られてきます。年金だけで生活できるのか、それとも貯蓄を取り崩して補う必要があるのかを考えることは、老後の暮らしを考えるうえで避けては通れません。
この記事では、65歳以上・無職夫婦世帯の家計収支を紹介しながら、老後の生活設計について考えていきます。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【65歳以上】無職夫婦世帯の家計収支は《毎月約3.4万円赤字に》
2025年3月11日に総務省が公表した「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」から、65歳以上無職夫婦世帯のひと月の家計収支を見てみましょう。
完全リタイア後は、一般的には現役時代よりも少ない収入でやりくりをする必要があります。標準的なリタイア夫婦世帯の家計はどのようになっているのでしょうか。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2024年)

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2024年)
毎月の実収入:25万2818円
■うち社会保障給付(主に年金):22万5182円
毎月の支出:28万6877円
■うち消費支出:25万6521円
・食料:7万6352円
・住居:1万6432円
・光熱・水道:2万1919円
・家具・家事用品:1万2265円
・被服及び履物:5590
・保健医療:1万8383円
・交通・通信:2万7768円
・教育:0円
・教養娯楽:2万5377円
・その他の消費支出:5万2433円
■うち非消費支出:3万356円
・直接税:1万1162円
・社会保険料:1万9171円
毎月の家計収支
・3万4058円の赤字
この世帯の場合、ひと月の収入は25万2818円、その約9割(22万5182円)を公的年金などの社会保障給付が占めます。
一方で支出の合計は28万6877円。そのうち社会保険料や税などの「非消費支出」が3万356円、いわゆる「生活費」にあたる消費支出が25万6521円でした。
この夫婦世帯の場合、毎月3万4058円の赤字となり、不足分を貯蓄の取り崩しなどでカバーしていく必要があります。
なお、支出の内訳のうち「住居費」は1万6432円と、比較的低く抑えられています。これはシニア世帯の持ち家率と関係がありそうです。そこで次では65歳以上の住居形態に関するデータものぞいてみましょう。
【持ち家率】65歳以上は「持ち家率」が84.5%
内閣府が公表する「令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果」では、65歳以上の男女を対象に、暮らしや住まいに関するリアルな数字を見ることができます。
これによると、65歳以上の「持ち家率」は全体で84.5%、配偶者と同居の場合は90.5%と高くなっていました。

65歳以上の住居形態
住居形態の内訳は以下の通りです。
・持家(一戸建て):82.4%
・持家(分譲マンション等の集合住宅):8.1%
・賃貸住宅(民営のアパート、マンション):3.5%
・賃貸住宅(公営・公社・UR等の集合住宅):2.8%
・賃貸住宅(一戸建て):1.9%
・高齢者向け住宅:0.1%
・その他:0.5%
・不明・無回答:0.7%
一方で、現在の住居の問題点としては、以下のような回答が上位に挙がっています。
・住まいが古くなり、いたんでいる:29.5%
・地震、風水害、火災などの防災面や防犯面で不安がある: 24.4%
・断熱性や省エネ性能が不十分:16.9%
・家賃、税金、住宅維持費など住宅に関する経済的負担が重い: 15.5%
・段差や階段等があり使いにくい :12.7%
・住宅が広すぎる:10.4%
高齢者の持ち家率は8割を超えていますが、老朽化や防災・防犯面の問題、維持費の高さなどの問題点も、持ち家・賃貸を問わずあることが分かります。
修繕工事やバリアフリー改装などが必要となり、大きな支出に繋がる可能性もあるでしょう。そこで頼りになるのはやはり「貯蓄」です。次では65歳以上世帯の貯蓄事情についても見ていきます。
【平均貯蓄額】65歳以上の貯蓄「二人世帯なら平均2462万円」
総務省が発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」によると、65歳以上の世帯主がいる二人以上世帯の平均貯蓄額は2462万円です。

世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布 (二人以上の世帯)
世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高(二人以上世帯)平均・中央値
・平均値:2462万円
・貯蓄保有世帯の中央値:1604万円
平均値は一部の大きな値(今回でいうと一部のお金持ち)に引き上げられる傾向があります。そこでより実態に近い貯蓄保有世帯の中央値を見ると、1604万円にまで下がります。
世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高の金額別世帯分布 (二人以上世帯)
棒グラフから貯蓄額の世帯分布も見てみましょう。
・~100万円未満:7.9%
・100万円~200万円未満:4.1%
・200万円~300万円未満:3.2%
・300万円~400万円未満:3.7%
・400万円~500万円未満:3.0%
・500万円~600万円未満:4.1%
・600万円~700万円未満:3.1%
・700万円~800万円未満:3.1%
・800万円~900万円未満:2.9%
・900万円~1000万円未満:2.3%
・1000万円~1200万円未満:5.5%
・1200万円~1400万円未満:4.3%
・1400万円~1600万円未満:4.3%
・1600万円~1800万円未満:4.2%
・1800万円~2000万円未満:3.2%
・2000万円~2500万円未満:7.1%
・2500万円~3000万円未満:6.6%
・3000万円~4000万円未満:8.7%
・4000万円以上:18.8%
貯蓄額2000万円超の世帯が全体の41.2%を占め、4000万円超の世帯も18.8%存在する一方で、200万円未満の世帯が12.0%存在します。また、中央値に近い1600万円に満たない世帯は51.5%となりました。
次では無職世帯に絞って貯蓄事情を深掘りします。
【無職世帯】65歳以上の貯蓄「二人世帯なら平均2504万円」
次は、世帯主が65歳以上の「無職世帯」に絞って、貯蓄額の推移や内訳について見ていきます。

世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄の種類別貯蓄現在高の推移(二人以上の世帯)
【65歳以上の無職夫婦世帯】平均貯蓄額の推移
・2018年:2233万円
・2019年:2218万円
・2020年:2292万円
・2021年:2342万円
・2022年:2359万円
・2023年:2504万円
世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上世帯)の貯蓄額は、2018年から2020年までは2200万円台でしたが、2021年に2300万円台、2023年には2504万円となりました。
2023年の貯蓄内訳のうち、最も割合が大きいのは定期性預貯金846万円(33.8%)です。そして普通預金などの通貨性預貯金が754万円(30.1%)、有価証券(株式や投資信託など)が480万円(19.2%)と続きます。
貯蓄全体の約6割は低リスクの預貯金で保有されていますが、定期性預貯金は19万円減(▲2.9ポイント)となり、有価証券は前年より80万円増(+2.2ポイント)となっています。
老後資金の貯蓄目標を設定する際に、年金がどの程度受け取れるかを知っておくことは大切です。次では、今の老齢年金世代の受給額事情についても触れておきましょう。
【国民年金・厚生年金】平均と個人差を一覧表でチェック
国民年金・厚生年金ともに、現役時代の年金加入状況によって老後の年金額は人それぞれです。
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65歳以上の平均年金月額は、国民年金のみの受給権者は5万円台、厚生年金(国民年金部分を含む)の受給権者は14万円台~16万円台となりました。
【老齢年金世代】国民年金・厚生年金「平均月額と個人差」

【老齢年金世代】国民年金・厚生年金「平均月額と個人差」
なお、60歳~90歳以上の全受給権者の平均年金月額は、国民年金(老齢基礎年金)で5万7584円、厚生年金保険(国民年金部分を含む)で14万6429円です。
ただし国民年金のみを受け取る場合は男女ともに5万円台ですが、厚生年金を受け取る場合は男性16万円台、女性10万円台と差があります。
【シニアの収入事情】公的年金だけに頼るシニア世帯の割合は約4割
厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯(※)の収入の実態を見ていきましょう。
まず、高齢者世帯全体の平均的な所得構成を見ると、収入の63.5%を「公的年金・恩給」が占めており、次いで仕事による収入である「稼働所得」が25.3%、「財産所得」が4.6%となっています。
しかし、これはあくまで全体の平均値です。
「公的年金・恩給を受給している世帯」に絞ると、収入のすべてが「公的年金・恩給」である世帯が43.4%にものぼることがわかっています。
※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯
【総所得に占める公的年金・恩給の割合別 世帯構成】

出所:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:43.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が80~100%未満の世帯:16.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:15.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:12.9%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~40%未満の世帯:8.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.0%
このようにシニア全体で見れば稼働所得なども一定の割合を占めていますが、年金受給世帯に絞ると、その半数近くが公的年金収入のみに頼って生活しているという実態が浮き彫りとなっています。
年金+貯蓄にあわせて「保障」も用意を
ここまで、65歳以上の年金世帯を参考に、老後の生活費と収支のバランスについて見てきました。
公的年金は、現役時代のように毎月入ってくる給与とは違い、偶数月に2ヵ月分まとめて支給される仕組みです。年金だけで足りなければ、生活費の一部は、これまでに貯めてきた資産からまかなう必要も出てきます。
そのため老後は、衣食住を中心とした毎月の支出をしっかり管理することが、より重要になります。
また、年金や資産があっても、予期せぬ出費や万が一の事態に備えた「保障」も用意しておくことが大切です。
ただし、現役時代と違って、老後は過剰に保障を持つ必要はありません。自分の状況に合った、無理のない金額での備えを考えていきましょう。
参考資料
・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」
・内閣府「令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果」第2章 調査結果の概要 -3 3.住宅の状況
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明