【おひとりさまの老後生活】65歳以上単身無職世帯の「生活費」は月いくら?老後にもらえる年金額「国民年金・厚生年金」は月どれくらい?

現役時代の働き方で”けっこう異なる”年金額!5つのケースを比較してみる

【おひとりさまの老後生活】65歳以上単身無職世帯の「生活費」は月いくら?, 65歳以上《単身》無職世帯ひと月の家計収支, 老後にもらえる年金額「国民年金・厚生年金」は月どれくらい?, 【2025年度】国民年金と厚生年金の年金額例, 現役時代の働き方で”けっこう異なる”年金額!5つのケースを比較してみる, パターン①:男性・厚生年金期間中心, パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心, パターン③:女性・厚生年金期間中心, パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心, パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心, わたしたちの年金制度はどんな風に変わっていくの?【2025年6月13日年金制度改正法成立】, 社会保険の加入対象の拡大①短時間労働者の加入要件の見直し, 社会保険の加入対象の拡大②個人事業所の適用対象の拡大, 在職老齢年金の見直し, 保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ

【おひとりさまの老後生活】65歳以上単身無職世帯の「生活費」は月いくら?老後にもらえる年金額「国民年金・厚生年金」は月どれくらい?

老後をひとりで過ごす「おひとりさま世帯」は増加傾向にあります。

そんな中で気になるのが、老後のお金事情。

本記事では、総務省の最新データをもとに、65歳以上の単身無職世帯の収支状況や年金額の実態を詳しく解説します。

将来に向けた「備え」を考えるうえでの参考にしてください。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【おひとりさまの老後生活】65歳以上単身無職世帯の「生活費」は月いくら?

総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」から、65歳以上の単身無職世帯のひと月の家計収支データを見ていきます。

65歳以上《単身》無職世帯ひと月の家計収支

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出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

毎月の実収入:13万4116円

■うち社会保障給付(主に年金):12万1629円

毎月の支出:16万1933円

■うち消費支出:14万9286円

・食料:4万2085円

・住居:1万2693円

・光熱・水道:1万4490円

・家具・家事用品:6596円

・被服及び履物:3385円

・保健医療:8640円

・交通・通信:1万4935円

・教育:15円

・教養娯楽:1万5492円

・その他の消費支出:3万956円

■うち非消費支出:1万2647円

・直接税:6585円

・社会保険料:6001円

65歳以上《単身》無職世帯の家計は…

・ひと月の赤字:2万7817円

・エンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合):28.2%

・平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合):122.9%

老齢年金を受給して一人暮らしをするシニア世帯の家計は、どのような状況なのでしょうか。

この単身世帯のひと月の支出合計は16万1933円です。その内訳は、税金や社会保険料などの「非消費支出」が1万2647円、食費や住居費などの「消費支出」が14万9286円を占めます。

一方、ひと月の収入は13万4116円で、その約9割(12万1629円)は主に公的年金です。

エンゲル係数は28.2%、平均消費性向は122.9%。結果的に、この単身世帯は毎月2万7817円の赤字を抱えています。

ただし、この家計収支データには注意すべき点があります。まず、支出に「介護費用」が含まれておらず、住居費も1万円台と低めです。健康状態や住居環境によっては、これらの費用がさらに上乗せされることも考慮する必要があるでしょう。

また、「非消費支出」が示す通り、老後の年金暮らしが始まっても、税金や社会保険料の支払いは生涯続きます。

多くのシニアがこれらの費用を年金から天引きで納めている現実も踏まえ、年金収入と日常生活費だけではなく、こうした、固定費も考慮した生活設計が大切となるでしょう。

老後にもらえる年金額「国民年金・厚生年金」は月どれくらい?

現役時代の年金加入状況によって、老後の受給額は一人ひとり異なります。加えて、年金額は物価や現役世代の賃金動向を踏まえ、毎年改定がおこなわれます。

2025年度の年金額は前年度より1.9%引き上げられており、厚生労働省は以下の年金例を公表しています。

【2025年度】国民年金と厚生年金の年金額例

・国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)

・厚生年金(夫婦2人分):23万2784円(+4412円)

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)

※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

国民年金の年金保険料は全員一律ですが、厚生年金は会社員や公務員などが加入し、収入に応じた保険料を納めるため個人差が表れやすくなります。

現役時代の働き方で”けっこう異なる”年金額!5つのケースを比較してみる

働き方や生き方が多様化する今、「将来、自分はどのくらいの年金を受け取れるんだろう?」と気になっている人もいるでしょう。

厚生労働省は、今回の年金改定の発表と同時に、多様なライフコースに応じた年金額例も示しています。

ここでは、年金加入経歴を5つのパターン(男性2パターン、女性3パターン)に分類し、「2025年度に65歳になる人」を想定した年金額の概算が提示されています。

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出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

パターン①:男性・厚生年金期間中心

年金月額:17万3457円

・平均厚生年金期間:39.8年

・平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。

・基礎年金:6万8671円

・厚生年金:10万4786円

パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心

年金月額:6万2344円

・平均厚生年金期間:7.6年

・平均収入:36万4000円

・基礎年金:4万8008円

・厚生年金:1万4335円

パターン③:女性・厚生年金期間中心

年金月額:13万2117円

・平均厚生年金期間:33.4年

・平均収入:35万6000円

・基礎年金:7万566円

・厚生年金:6万1551円

パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心

年金月額:6万636円

・平均厚生年金期間:6.5年

・平均収入:25万1000円

・基礎年金:5万2151円

・厚生年金:8485円

パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心

年金月額:7万6810円

・平均厚生年金期間:6.7年

・平均収入:26万3000円

・基礎年金:6万7754円

・厚生年金:9056円

上記のデータからは、厚生年金に長く加入し、かつ収入が高かった人ほど、老後の年金額は多くなる傾向があることが分かります。

現役時代に「国民年金の期間が中心だったか」「厚生年金の期間が中心だったか」により、老後の年金水準が大きく変わるわけですね。

働き盛りの現役世代にとって、いまの働き方や収入は、目前の家計だけではなく、遠い将来の年金額を左右する重要な要素となるのです。

わたしたちの年金制度はどんな風に変わっていくの?【2025年6月13日年金制度改正法成立】

公的年金は「老後の受給額」だけの話ではなく、働き方やキャリアプラン、人生設計とも深い関わりがあります。

2025年6月13日、国会で年金制度改正法が成立しました。今回の改正の見直しポイントのうち、働く人々の「仕事と暮らし」に深く関わるものを紹介しましょう。

【おひとりさまの老後生活】65歳以上単身無職世帯の「生活費」は月いくら?, 65歳以上《単身》無職世帯ひと月の家計収支, 老後にもらえる年金額「国民年金・厚生年金」は月どれくらい?, 【2025年度】国民年金と厚生年金の年金額例, 現役時代の働き方で”けっこう異なる”年金額!5つのケースを比較してみる, パターン①:男性・厚生年金期間中心, パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心, パターン③:女性・厚生年金期間中心, パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心, パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心, わたしたちの年金制度はどんな風に変わっていくの?【2025年6月13日年金制度改正法成立】, 社会保険の加入対象の拡大①短時間労働者の加入要件の見直し, 社会保険の加入対象の拡大②個人事業所の適用対象の拡大, 在職老齢年金の見直し, 保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

社会保険の加入対象の拡大①短時間労働者の加入要件の見直し

・賃金要件の撤廃:3年以内にいわゆる「年収106万円の壁」撤廃へ

・企業規模要件の撤廃:10年かけて段階的に対象の企業を拡大(※)

※2025年7月時点では「51人以上」

社会保険の加入対象の拡大②個人事業所の適用対象の拡大

・2029年10月から個人事業所の社会保険の適用対象(※)が、従業員5人以上の全業種に拡大(2029年10月時点における既存事業所は当面除外)

※2025年7月現在「常時5人以上の者を使用する法定17業種」は加入必須。(法定17業種とは:①物の製造、②土木・建設、③鉱物採掘、④電気、⑤運送、⑥貨物積卸、⑦焼却・清掃、⑧物の販売、⑨金融・保険、⑩保管・賃貸、⑪媒介周旋、⑫集金、⑬教育・研究、⑭医療、⑮通信・報道、⑯社会福祉、⑰弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業)

在職老齢年金の見直し

2026年4月から、年金が減額される基準額(※)が「月収51万円(2025年度の金額)→62万円」に緩和。働きながらでも年金を満額もらいやすくなります。

※支給停止調整額(年金が減額される基準額):年金を受給しながら働くシニアの「賃金+老齢厚生年金」の合計がこの金額を超えると、年金支給額が調整される。

保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ

厚生年金などの保険料や年金額の計算に使う賃金の上限(※1)を「月65万円→75万円」へ段階的に引き上げ(※2)。従来よりも現役時代の賃金に見合った年金を受給できるようになります。

※1 標準報酬月額:厚生年金や健康保険の保険料、年金額を計算するために、月々の報酬と賞与を一定の幅で区切った基準額のこと

※2 2027年9月から68万円、2028年9月から71万円、2029年9月から75万円に引き上げ

まとめ

年金を主な収入源とするおひとりさま世帯の家計は、毎月平均で約3万円の赤字であることがわかりました。

医療費や住居費の増加も見込まれる中、年金だけに頼らず、現役時代から計画的な資産形成や支出の見直しが不可欠といえるでしょう。

本記事では、2025年6月13日に成立した年金制度改正法についても触れましたが、年金制度に限らずさまざまな制度が社会経済の変化に合わせて変わっていきます。

これから先、どのように変化するかも観察しながら、老後に向けた資産形成を進めていけると良いでしょう。

参考資料

・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2024年)」

・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

・厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」

・日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」