【みんなの年金】「国民年金・厚生年金」平均月額はいくら?年金の受給開始時期は選択できる!《繰上げ受給・繰下げ受給》とは?
- 【2025年度】年金額は1.9%増額!シニアはいくら年金を受け取れる?
- 2025年度の「年金額例」をチェック
- 【増額だけど実質目減り】年金改定に重要な「マクロ経済スライド」とは?
- 「国民年金・厚生年金」平均月額!シニアのみんなは平均いくらもらってる?
- シニアは「国民年金(老齢基礎年金)」を平均いくらもらっているのか
- シニアは「厚生年金」を平均いくらもらっているのか
- 65歳からの年金無職暮らし「ひと月の収入&支出」は平均いくら?
- シニア世代の「平均貯蓄額」はどれくらいある?
- 年金の受給開始時期は選択できる!《繰上げ受給・繰下げ受給》とは?
- 【各年齢での累計受給額例】60歳・65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳
- 公的制度について正しく理解し「老後への備え」を検討しましょう
【増額だけど実質目減り】年金改定に重要な「マクロ経済スライド」とは?

【みんなの年金】「国民年金・厚生年金」平均月額はいくら?年金の受給開始時期は選択できる!《繰上げ受給・繰下げ受給》とは?
2025年9月になりました。今年も残すところあと4カ月です。
夏はエアコンの電気代やレジャー費用など出費がかさみやすい季節となっていますが、これから寒くなるにつれて暖房費用も気になるところです。
そのため、秋の気配とともに、今後の生活費が気になる方も多いのではないでしょうか。
2025年度の年金は、前年度から1.9%増額されています。
物価や賃金の上昇を背景に、年金が引き上げられるのはこれで3年度連続です。
この記事では、具体的な例を挙げながら、2025年度の年金額がどれくらいになるのかをご紹介します。
シニア世代の皆さんが現在どれくらいの年金を受け取っているのか、平均月額も見ていきましょう。
今後の生活設計を考える上で、ぜひ参考にしてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【2025年度】年金額は1.9%増額!シニアはいくら年金を受け取れる?
2025年度は前年度より1.9%の増額となっており、3年連続の引き上げとなりました。

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
2025年度の「年金額例」をチェック
・国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)
・厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※2)
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
厚生年金は、40年間「会社員として平均月額45万5000円を稼いだ夫」と「専業主婦または自営業だった妻」というモデル世帯を想定しています。
ここで示される年金額は、「夫の老齢厚生年金」と「夫婦2人分の老齢基礎年金」の合計です。
なお、年金は3年連続でプラス改定となったものの、実際には年金額は実質的に目減りしているのが現状です。
【増額だけど実質目減り】年金改定に重要な「マクロ経済スライド」とは?
公的年金額は、物価変動率や名目手取り賃金変動率に基づき、毎年度改定されます。
これは、物価やサービスの価格、現役世代の賃金動向を踏まえて年金額を調整する仕組みです。
2025年度の改定では、物価変動率(※1)が2.7%、名目手取り賃金変動率(※2)が2.3%となり、さらにマクロ経済スライドによる調整(※3)で▲0.4%が適用された結果、最終的な改定率が決まりました。
※1 物価変動率は2024(令和6年)の値
※2 名目手取り賃金変動率とは、2年度前から4年度前までの3年度平均の実質賃金変動率に前年の物価変動率と3年度前の可処分所得割合変化率(0.0%)を乗じたもの
※3 マクロ経済スライドとは、公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するもの

令和7年度の年金額の改定について
次章では、現代のシニア世代が実際に受け取っている年金額についても見てみましょう。
「国民年金・厚生年金」平均月額!シニアのみんなは平均いくらもらってる?
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、国民年金と厚生年金の平均年金月額を見ていきます。
シニアは「国民年金(老齢基礎年金)」を平均いくらもらっているのか

国民年金の月額ごとの受給権者数
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
シニアは「厚生年金」を平均いくらもらっているのか

厚生年金の月額ごとの受給権者数
〈全体〉平均年金月額:14万6429円
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金の金額を含む
平均年金月額は、国民年金のみの場合で5万円台、厚生年金を上乗せして受給する場合で14万円台となっています。
ただし、厚生年金では男女間で約6万円の差があります。
この差は、厚生年金の受給額が現役時代の賃金や加入期間によって決まるためであり、上限はあるものの、収入が多いほど現役時代に納める保険料も高くなり、その分老後の受給額も増えます。
自身の年金加入状況や将来の見込み額は、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認しておくことが大切です。
65歳からの年金無職暮らし「ひと月の収入&支出」は平均いくら?
総務省「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における毎月の実収入は25万2818円(うち9割が年金収入などの社会保障給付)となっています。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2024年)
一方、支出は28万6877円となっており、平均で毎月3万4058円の赤字となります。
ただし、この支出にはシニア世帯特有の出費である「介護費用」が含まれていません。
また、シニアの持ち家率を反映し、住居費は1万円台に抑えられています。
そのため、介護が必要になった場合や、老後も住宅ローンが残っている世帯、賃貸住宅で暮らす世帯では、さらに支出が増える可能性があります。
こうした点を踏まえ、自分の世帯に合った資金計画を立てることが重要と言えるでしょう。
シニア世代の「平均貯蓄額」はどれくらいある?
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、「世帯主が65歳以上の二人以上世帯(※)」の貯蓄現在高の平均は2509万円となっています。
※ここでは無職世帯、有職世帯の両方が含まれています。

世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布 (二人以上の世帯)
しかし、貯蓄を保有している世帯の中央値は1658万円にとどまり、平均値との差からも世帯ごとの貯蓄額に大きな幅があることがわかります。
リタイア後の生活費や介護費用の備えは、世帯構成や健康状態、将来予測される支出などを考慮しつつ、計画的に進めていくことが重要です。
年金の受給開始時期は選択できる!《繰上げ受給・繰下げ受給》とは?
老齢年金の受給開始年齢は通常65歳ですが、繰上げ受給や繰下げ受給の制度を利用すれば、60歳から75歳までの間で開始時期を調整できます。
・60歳~64歳で減額された年金を受け取る「繰上げ受給」
・66歳~75歳で増額された年金を受け取る「繰下げ受給」
厚生年金(国民年金部分を含む)の平均月額は14万6429円ですが、ここでは本来の年金額を15万円と仮定し、受給開始年齢を60歳・65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳とした場合の累計受給額を比較していきます。
【各年齢での累計受給額例】60歳・65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳

【各年齢での累計受給額例】60歳・65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳
70歳・75歳時点での累計受給額は、繰上げ受給のほうが有利ですが、80歳時点では65歳からの受給が優位となり、85歳以降は繰下げ受給が最も多くなります。
なお、一度決定した繰上げ・繰下げの減額率や増額率は、生涯にわたり固定されるため、繰上げ受給を選ぶと、65歳以降も減額された金額のまま受給が続く点は理解しておく必要があります。
また、繰下げ受給によって年金額が増えると、税金や社会保険料の負担が増加する可能性がある点も見落とせません。
資産状況や健康状態を踏まえ、自分にとって最適な受給開始時期を慎重に検討することが大切です。
※特別支給の老齢厚生年金には繰下げ受給の制度はありません。
公的制度について正しく理解し「老後への備え」を検討しましょう
今回は、年金制度の概要や、平均受給月額について詳しく見ていきました。
公的制度について正しく理解したうえで、老後への備えを検討することはとても大切です。
しかし、現役世代の方達が年金を受け取る頃には、制度が改正されている可能性もあります。
公的年金に頼った生活設計をするのではなく、ある程度自助努力で資産形成していく必要があるといえるでしょう。
長らく物価高が続いているため、今後生活費の負担が増していくことも考えられます。
安心して老後を迎えられるよう、安定した収入がある現役世代のうちから、計画的に対策しておきましょう。
参考資料
・厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
・総務省「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」
・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」
・日本年金機構「年金の繰上げ受給」
・日本年金機構「年金の繰下げ受給」
・カシオ計算機「keisan 生活や実務に役立つ計算サイト」