2カ月に一度年金に上乗せ支給される「年金生活者支援給付金」、みんなどのくらいもらってるのか?

2カ月に一度年金に上乗せ支給される「年金生活者支援給付金」、みんなどのくらいもらってるのか?
秋の気配が感じられる2025年9月。老後の生活設計について改めて考える人も多いのではないでしょうか。公的年金制度は、老後の生活を支える大切な柱ですが、それだけで十分なゆとりを確保できるのか不安に感じる方も少なくありません。
特に最近の物価上昇を考えると、将来の年金生活に漠然とした不安を抱えている方もいることでしょう。公的年金の受給額の平均は、国民年金が月5万円台、厚生年金が月14万円台ですが、実際の受給額には大きな個人差があり、中には平均を大きく下回るケースもあります。
この記事では、公的年金の現状を踏まえつつ、年金に上乗せして受け取れる「年金生活者支援給付金」という心強い制度について、その支給要件や手続き方法を詳しく解説します。将来の備えを考える上で、ぜひ役立ててください。
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厚生年金と国民年金「平均月額」はいくらか
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。

国民年金と厚生年金《平均月額と個人差》
ただしグラフのように、厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満の低年金となる人まで、幅広い受給額帯に分布しています。
2カ月に一度年金に上乗せ「年金生活者支援給付金」、平均給付月額はいくらか
「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者を支援する目的で、2カ月に一度、年金に上乗せして支給される給付金です。
受給中の年金の種類により「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3つに分かれており、それぞれで支給要件や支給額などが決められています。
【2025年度】年金生活者支援給付金は2.7%増える
2025年度の年金生活者支援給付金の給付金額は、前年度から2.7%引き上げとなりました。

【2024年→2025年】年金生活者支援給付金の支給金額
【2025年度】
・老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円
・障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
・遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
老齢年金生活者支援給付金については、この基準額に基づき保険料納付済期間等に応じて実際の給付額が計算されます。
上記はいずれも「月額」の金額です。支給日には2カ月分まとめて、年金に上乗せされます。上記の金額通り受給できる場合、1回の支給で約1万円、年額にすると約6万円受け取れます。
なお、「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年3月における平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金4014円、障害年金生活者支援給付金5555円、遺族年金生活者支援給付金5057円です。
※2024年3月において認定されている平均給付金額です。
年金生活者支援給付金の支給要件とは?
3種類ある年金生活者支援給付金について、それぞれの支給要件を整理しましょう。
「老齢年金生活者支援給付金」の支給対象となる要件
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金※3」が支給されます。
※3「補足的老齢年金生活者支援給付金」とは?
老齢年金生活者支援給付金は、一定の所得以下の人を対象とした制度ですが、基準額をわずかに超えると給付を受けられず、基準額ギリギリで支給対象となる人よりも総所得が低くなるという問題がありました。
この不公平を解決するために設けられているのが「補足的老齢年金生活者支援給付金」です。この給付金は、所得が基準額を超えても一定範囲内であれば受給でき、所得が増えるにつれて給付額は減ります。
「障害年金生活者支援給付金」の支給対象となる要件
・障害基礎年金の受給者である
・前年の所得が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 障害年金等の非課税収入は除く
「遺族年金生活者支援給付金」の対象者となる要件
・遺族基礎年金の受給者である
・前年の所得が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 遺族年金等の非課税収入は除く
それぞれの給付金において、上記の要件をすべてを満たす場合に支給対象となります。次では給付額についても見ていきましょう。
申請しないともらえない年金生活者支援給付金の請求手続きは?
年金生活者支援給付金を受け取るためには、公的年金と同様に請求手続をおこなう必要があります。

はがき(年金生活者支援給付金請求書)の記入例
これから65歳を迎える人には、誕生日の3カ月前に、老齢基礎年金の請求書に同封されて給付金請求書が届きます。同封された給付金請求書に必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書とともに提出しましょう。
すでに年金を受給中の人で、所得が下がり年金生活者支援給付金の対象となった場合は、毎年9月1日以降、順次年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が送付されます。請求書の太枠内を記入し、郵便ポストに投函すれば手続きできます。
なお、すでに年金を受け取っている方の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なります。
一度請求書を提出すれば、支給要件を満たす限り2年目以降の手続きなしで継続して受給が可能です。継続支給の判定結果は前年の所得に基づき、毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。
なお、給付額の改定に際しては「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」が、支給対象外となった場合は「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送されます。
年金ではゆとりがないと考える世帯「不安を感じる理由」とは何か
最後に、年金に対するシニアの意識についても見てみましょう。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024」によると、二人以上世帯のうち60歳代の32.6%、70歳代の30.6%が「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と答えています。

「年金にゆとりがない」と感じる理由とは?
また、年金ではゆとりがないと考える世帯が「不安を感じる理由」としては、下記のような項目が挙げられています。
・物価上昇で支出が増えると見込んでいるから:60歳代63.3%、70歳代62.8%
・医療費の個人負担が増えるとみているから:60歳代28.3%、70歳代34.8%
・介護費の個人負担が増えるとみているから:60歳代18.1%、70歳代26.4
まとめ
老後生活では計画的にやりくりをしていくことが大切です。
公的年金の金額を考慮して生活水準を調整してく必要がありますが、ゆとりを持った生活を実現しようとすると、年金だけに頼ることなく資金を貯めておかないといけません。
また、最近は物価高が続いており、より一層老後の備えが重要視されています。
そのため、今後は効率よく資金を貯めるために「お金に働いてもらう」ことも視野に入れて資産運用を検討していくこともひとつでしょう。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金制度について」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
・厚生労働省「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和6年度)」
・金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」