全樹脂電池開発APBが破産手続き開始 税滞納、補助金5億円未返還

全樹脂電池の研究開発にあたっていたAPB本社。門は閉ざされ臨時休業のお知らせが掲示されていた=2025年4月17日、福井県越前市、久保智祥撮影
次世代型のリチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発・製造を手がけるスタートアップ企業APB(福井県越前市)が23日、福井地裁から破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は約34億8500万円。3月には県税・市税の滞納により、企業立地促進補助金の交付金約5億円の返還命令を受けたが、まったく返還されていないという。
破産管財人の寺田昇市弁護士や帝国データバンク福井支店、東京商工リサーチ福井支店などによると、APBは2018年10月に電気自動車用電池の研究開発を手がけていた堀江英明氏が創業。全樹脂電池は、従来のリチウムイオン電池より安全性が高く、エネルギー密度も高いとして期待されていた。
21年5月には越前市内に工場を開設。量産化に向けて資金調達を進めたが、技術面で難航し赤字が続いていた。22年には筆頭株主が三洋化成工業からトリプルワンに交代した。24年6月には堀江氏が社長を解任され、トリプルワン役員の大島麿礼氏が就任。25年2月には全従業員への退職勧奨と4月末までの休業を告知していた。(久保智祥)