【申請しないともらえない】シニア・高齢者向けの「給付金・手当」には何がある?主な制度5選をピックアップ!

〈年金暮らしでも使える〉年金・雇用保険関連の”もらうために申請が必要なお金”を紹介

【申請しないともらえない】年金に上乗せ支給されるお金2選, その1「加給年金」, その2「老齢年金生活者支援給付金」, 【申請しないともらえない】雇用保険関連のお金3選, その1:65歳未満がもらえる「再就職手当」, その2:60歳以上65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」, その3:65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」, 2025年6月13日、年金制度改正法が成立。見直しのポイントを解説, 年金制度改正の全体像《主な見直しポイント》, 制度に頼るだけでは不十分?自分で備える老後資金の考え方

【申請しないともらえない】シニア・高齢者向けの「給付金・手当」には何がある?主な制度5選をピックアップ!

朝晩の空気に秋の気配を感じる9月。家計を見直すこの時期、シニア世代にとって「自分の老後資金」は大きなテーマです。

実は、国や自治体にはシニア世代を支える給付金や手当が数多く用意されていますが、その多くは申請しなければ受け取れないのをご存じでしょうか。

年金生活者支援給付金や加給年金、再就職手当など、知って動いた人から得をする制度ばかり。本記事では、働くシニアや年金シニア向けの給付金・手当をわかりやすく紹介します。

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【申請しないともらえない】年金に上乗せ支給されるお金2選

老齢年金を受給中のシニアが一定要件を満たす場合、通常の老齢年金に上乗せして受け取れるお金を「2種類」紹介します。

その1「加給年金」

加給年金は「年金の扶養手当(家族手当)」と例えられることがある制度です。

一定要件を満たした場合、老齢厚生年金を受給中の人が年下の配偶者や子どもを扶養する場合に年金に上乗せして受け取ることができます。

加給年金《支給要件》

厚生年金加入期間が20年(※)以上ある人:65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)

65歳到達後(もしくは定額部分支給開始年齢に到達した後)に被保険者期間が20年(※)以上となった人:在職定時改定時、退職改定時(または70歳到達時)

(※)または、共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が40歳(女性と坑内員・船員は35歳)以降15年から19年

それぞれ、上記で示したタイミングで、「65歳未満の配偶者」または「18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子」がいる場合、年金に上乗せされます。

ただし、配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上あるもの)、退職共済年金(組合員期間が20年以上あるもの)を受給する権利がある場合、または障害厚生年金、障害基礎年金、障害共済年金などを受給している場合、配偶者加給年金額は支給停止されます。

加給年金《2025年度の年金額》

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出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」

「加給年金」の年金額(2025年度の年額)は以下のとおりです。

・配偶者:23万9300円

・1人目・2人目の子:各23万9300円

・3人目以降の子:各7万9800円

なお、老齢厚生年金を受給中の人の生年月日により、配偶者の加給年金額に3万5400円~17万6600円の特別加算額が支払われます。

振替加算とは

加給年金は対象となる配偶者が65歳になると支給は終わります。ただしその配偶者が老齢基礎年金を受け取る場合、一定の要件を満たせば老齢基礎年金に「振替加算」されます。

その2「老齢年金生活者支援給付金」

年金生活者支援給付金は、基礎年金を受給する人が一定の所得要件を満たす場合に受け取れるお金です。「老齢」「障害」「遺族」それぞれに給付金があり、支給要件が設けられています。

ここでは「老齢年金生活者支援給付金」にフォーカスしていきます。

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出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」

老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。

65歳以上の老齢基礎年金の受給者

・同一世帯の全員が市町村民税非課税

・前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く

※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される

老齢年金生活者支援給付金の給付基準額

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出所:日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」

2025年度、老齢年金生活者支援給付金の給付基準額は月額5450円で、前年度より2.7%増額されました。

この基準額をもとにして、保険料納付済状況により給付金額が算出されます(下記①と②の合計額)。

老齢年金生活者支援給付金の給付額の計算式

・①保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5450円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月

・②保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1151円 × 保険料免除期間 / 被保険者月数480月

例)国民年金保険料を全期間(40年間)納付した場合、2025年度は「月額5450円=年額6万5400円」の給付金が支給されます(昭和16年4月1日生まれまでの人は計算が異なります)。

なお、保険料免除期間に乗ずる金額は、毎年度の老齢基礎年金の額の改定に応じて変わります。

【申請しないともらえない】雇用保険関連のお金3選

働き続けるシニアが気になる、就労に関連する給付金や手当についても見ていきます。

シニアの就労を支援する制度は整いつつありますが、一般的には60歳を境に収入が下がる傾向があります(※)。また、就職活動や就労継続が、若い頃のようにスムーズに進む人ばかりではないでしょう。

そこで、シニアが知っておきたい雇用保険に関連する手当や給付金についても「3種類」紹介します。

※国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」による年齢階層別の平均給与:50歳代後半男性712万円、女性330万円、60歳代前半男性573万円・女性278万円、60歳代後半男性456万円・女性222万円

その1:65歳未満がもらえる「再就職手当」

再就職手当は、早期の再就職を促進するための手当で、「失業~再就職」「失業~事業開始」までの期間が短いほど、支給額が多くなります。

再就職手当【支給要件】

・対象者:雇用保険受給資格者で基本手当の受給資格がある人

・支給要件:対象者が雇用保険の被保険者となる、または事業主となって雇用保険の被保険者を雇用する場合で、基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給

再就職手当【給付率】

・手当の額:就職等をする前日までの失業認定を受けた後の基本手当の支給残日数により下記のとおり給付率が異なります。(1円未満の端数は切り捨て)

【申請しないともらえない】年金に上乗せ支給されるお金2選, その1「加給年金」, その2「老齢年金生活者支援給付金」, 【申請しないともらえない】雇用保険関連のお金3選, その1:65歳未満がもらえる「再就職手当」, その2:60歳以上65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」, その3:65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」, 2025年6月13日、年金制度改正法が成立。見直しのポイントを解説, 年金制度改正の全体像《主な見直しポイント》, 制度に頼るだけでは不十分?自分で備える老後資金の考え方

再就職手当の額

なお、再就職手当を受け取り再就職先で6カ月以上雇用され、かつ再就職先での6カ月間の賃金が離職前の賃金よりも少ない場合は「就業促進定着手当」の対象となります。

その2:60歳以上65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」

高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満の人が就労を続ける際、賃金が60歳到達時よりも減少した場合に支給される給付金です。

高年齢雇用継続給付【支給要件】

・対象者:雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者

・支給条件:賃金が60歳時到達時の75%未満となった状態で働き続ける場合

高年齢雇用継続給付【支給率】

・支給額:最高で賃金額の10%(※)相当額

※2025年3月31日以前に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たす人は15%

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【早見表】高年齢雇用継続給付(2025年4月1日以降)

老齢年金を受給しながら、厚生年金に加入して「高年齢雇用継続給付」を受け取る場合、在職による年金の支給停止に加え、最大で標準報酬月額の4%(※)に相当する金額が支給停止となる点に留意しておく必要があります。

※2025年3月31日以前に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たす人は6%

その3:65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」

高年齢求職者給付金は、65歳以上の人が失業した際に支給される給付金です。

高年齢求職者給付金【支給要件】

・対象者:高年齢被保険者(65歳以上の雇用保険加入者)で失業した人

・支給要件:下記の全ての要件を満たした人

高年齢求職者給付金【いくらもらえる?】給付金額

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高年齢求職者給付金の額

・支給額

なお、65歳未満が受け取る「失業手当」は4週間に一度ずつ失業認定を受けてから給付されるのに対し、この高年齢求職者給付金は一括で支給されます。

2025年6月13日、年金制度改正法が成立。見直しのポイントを解説

2025年6月13日、年金制度改正法が成立しました。働き方や家族構成などの多様化に合わせた年金制度の整備、私的年金制度の拡充などにより、老後の暮らしの安定や、所得保障機能の強化に繋げていくことが主な狙いです。

今回の改正の主な見直しポイントを整理していきましょう。

年金制度改正の全体像《主な見直しポイント》

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出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

社会保険の加入対象の拡大

・短時間労働者の加入要件(賃金要件・企業規模要件)の見直し(年収「106万円の壁」撤廃へ)

在職老齢年金の見直し

・支給停止調整額「月62万円」へ大幅緩和(2025年度は月51万円)

遺族年金の見直し

・遺族厚生年金の男女差を解消

・子どもが遺族基礎年金を受給しやすくする

保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ

・標準報酬月額の上限を、月65万円→75万円へ段階的に引き上げ

私的年金制度

・iDeCo加入年齢の上限引き上げ(3年以内に実施)

・企業型DCの拠出限度額の拡充(3年以内に実施)

・企業年金の運用の見える化(5年以内に実施)

こうした内容からも、公的年金は現役世代・シニア世代どちらにとっても、働き方や生活設計に深く関わる制度であることがわかります。

制度に頼るだけでは不十分?自分で備える老後資金の考え方

本記事では、シニア向けの申請が必要なお金について解説してきました。

生活を支えるための施策は用意されていますが、これらは自動的に支給されるわけではなく、自分で申請する必要があります。申請方法はしっかり確認しておきましょう。

また、このような制度は永続的に続くとは限らず、急に変更や打ち切りとなる可能性もあります。そのため、早めに自分自身の資産形成を進めておくことも大切です。

最近は資産運用を活用する方も増えていますが、資産運用は元本保証のないリスクを伴う仕組みでもあります。無理のない範囲で仕組みを理解したうえで、老後資金づくりの選択肢の一つとして検討していきましょう。

参考資料

・日本年金機構「か行 加給年金額」

・日本年金機構「加給年金額と振替加算」

・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」

・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」

・厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」

・厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」

・厚生労働省「年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整」

・厚生労働省「再就職手当のご案内」

・厚生労働省「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」

・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」