現在50代で貯金は「700万円」です。65歳までに「900万円」あれば老後のけがや病気に備えるのに足りますか?

老後に必要な医療費はいくらくらい?, 貯金900万円でも老後の医療費に足りる?, 老後の医療費を軽減できる制度はある?, 貯金が900万円あれば老後の医療費には足りると考えられるものの生活費は足りなくなる可能性がある

現在50代で貯金は「700万円」です。65歳までに「900万円」あれば老後のけがや病気に備えるのに足りますか?

老後は病気やけがにより意図せず大きな出費が発生することがあります。もしもに備えて、今から医療費がいくらくらいかかるか知りたい方もいるでしょう。老後の資金は、医療費以外に必要な支出も考えて用意しておくことが大切です。 今回は、老後に必要な医療費や、貯金900万円で足りるのか、また医療費の負担を軽減できる制度などについてご紹介します。

老後に必要な医療費はいくらくらい?

厚生労働省の公表している「令和4(2022)年度 国民医療費の概況」によると、65歳以上における、人口1人当たりの推計国民医療費は77万5900円でした。もし65歳から90歳まで生きると仮定し、医療費が毎年平均額の場合、25年間で1939万7500円です。

ただし、医療費の実負担は69歳までが3割、70~74歳は原則2割、75歳以上が原則1割と定められています。そこで、それぞれの負担割合に応じて平均額の負担分を計算すると90歳0ヶ月までの医療費負担額目安は以下の通りです。

65歳0ヶ月~69歳11ヶ月:116万3850円

70歳0ヶ月~74歳11ヶ月:77万5900円

75歳0ヶ月~90歳0ヶ月:116万3850円

合計:310万3600円

平均額を目安にすると、老後に必要な医療費は約310万円です。ただし、自由診療で治療を受けたりすると、医療費は多くなる可能性があります。

貯金900万円でも老後の医療費に足りる?

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要」によると、令和4年時点での単身無職世帯で、65歳以上の消費支出は月14万3139円、非消費支出は月1万2356円でした。実収入は平均で月13万4915円なので、毎月2万580円不足する計算です。

毎月2万580円が不足した状態で65歳を超えて90歳まで生きるとすると、617万4000円足りないことになります。生活費として620万円ほどの貯金が必要といえるでしょう。

もし貯金が900万円あれば、620万円を生活費に、残りの280万円をほかの費用に回せます。今回の計算だと、90歳までにかかる医療費は310万円ほどなので、少し足りない計算です。

総務省統計局の資料には「保健医療」の項目があるので、実際に医療費に回せる金額は少なくなる可能性があります。しかし、900万円だけで老後の医療費と生活費をすべて賄うのは厳しいといえるでしょう。

老後の医療費を軽減できる制度はある?

老後の医療費に不安を覚える場合は、医療費の負担を軽減できる制度をチェックしましょう。例えば、高額療養費制度は収入によって異なる1ヶ月の上限額を超えた場合に、その超えた金額分を支給してもらえる制度です。

厚生労働省によると、70歳以上の上限額は表1の通りです。

表1

出典:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」を基に筆者作成

多額の医療費の出費があったときは、上限額を超えていないか確認してみましょう。

貯金が900万円あれば老後の医療費には足りると考えられるものの生活費は足りなくなる可能性がある

厚生労働省の医療費に関する資料によると、90歳まで医療費が必要になった場合の65歳以降の必要な費用は310万3600円でした。また、同年の総務省統計局の資料を基にすると、65~90歳までで家計収支は617万4000円不足する計算です。

もし貯金が900万円あり平均支出と同じであれば、医療費のみなら賄えるかもしれませんが、生活費も工面するのは厳しい可能性があるでしょう。

もし老後の医療費を軽減して生活費に貯金を回したいなら、制度が利用できないかも調べておきましょう。

出典

厚生労働省 令和4(2022)年度 国民医療費の概況 結果の概要 5 年齢階級別国民医療費 表5 年齢階級別国民医療費(6ページ)

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2022年-(18ページ)

厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から) 上限額は、年齢や所得によって異なります (1)70歳以上の方(4ページ)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー