アナログなのに品切れ続出…「泥棒が近寄らない家」には必ずある!防犯グッズの選び方【プロが教える】

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防犯対策に欠かせない「防犯グッズ」。各社からさまざま出ているが、わが家に必要なのは何で、どんな機能があるものだろうか。ホームセンターを訪ね、ベテラン店員に最新情報を聞いた。(取材・文・写真/フリーライター 杉山正博)

「これ使えない…」とならないために

購入前に怠ってはいけないこと

「防犯グッズを選ぶとき、失敗しないためにまず行ってほしいことが、家の状況確認です。これを怠ると、せっかく買ったのに使えないという残念な結果になりかねません」

 そう話すのは、ホームセンター「DCM21熱田店」店長の河本大地さん。入社して19年目、これまでに全国11店舗を経験してきたこの道のプロフェッショナルだ。河本さんに、代表的な防犯グッズと購入の際のチェックポイントを聞いた。

 防犯グッズにはさまざまあるが、まず思い浮かぶのが防犯カメラだろう。購入時にチェックすべき機能には、主に3つある。

 まずは「スマホ連動機能」だ。スマホ連動機能があることで、専用アプリを使って遠隔地からリアルタイムの映像を確認したり、録画映像を見たりできる。特に両親が離れてくらす実家など、遠隔地の防犯対策には欠かせない機能だといえる。

「以前はモニター付きが主流でしたが、スマホで映像が確認できるようになったことでモニターが不要になり、価格もずいぶん手頃になりました」(河本さん)

 ここで重要なのが、自宅のWi-Fi環境。Wi-Fi環境があるかないかはもちろん、防犯カメラを設置したい場所までWi-Fiの電波がしっかり届くかを確認しておこう。

「電波が弱い場合は、Wi-Fi中継機などを活用して設置する方法もあります」

 2つ目は「動体検知」機能。カメラの撮影範囲内で動きがあった場合に、自動で録画を開始したり、スマホに通知を送ったりする機能のことだ。

「DCM21熱田店」店長の河本大地さん

「スマホ連動機能がついているものなら、動きを検知したときにスマホに通知が届くよう設定できます。もし不審者が写っていた場合はすぐに通報できるメリットがあります」(※通信状況などにより若干のタイムラグが生じることがある)

 ただし、屋外では風で木が揺れたり、猫が横切ったりするだけでも反応してしまうことがある。そこでおすすめなのが、より精度の高い「AI検知」機能。AIが映像を解析し、「人物」や「車両」など特定の対象だけを識別して通知してくれるため、不要な通知を大幅に減らすことができる。

 3つ目は、不審者が写っていたときに、アプリからサイレンを鳴らしたり、通話機能で威嚇したりできる「サイレン・通話機能」の有無(スマホ連動型を選んだ場合)。侵入窃盗を未然に防ぐために威力を発揮する。

「壁の材質はどんなんだっけ…」

設置方法も事前にチェック

 設置のしやすさもチェックしたい。設置方法は、ビスやベルトでの固定、クリップ式などさまざまだが、壁に固定するタイプの防犯カメラを選んだ場合、壁の材質によって取り付け方が変わる。

「壁が木材であれば、ドライバー1本で比較的簡単に設置できますが、コンクリートの場合、ドリルで下穴を開ける必要があるなど、作業のハードルが多少上がります」

 事前に材質を確認して必要な工具を準備したり(ホームセンターでレンタルできる工具もある)、ホームセンターの取り付けサービスを利用したりと、対策を立てよう。

 設置のしやすさにも影響してくるが、「電源方式」も重要な確認事項だ。屋外に防犯カメラをセットする場合、製品によってはACコンセントが必要なものもある。もし、屋外にコンセントがない場合は、ソーラー充電式やバッテリー式、乾電池式のいずれかが選択肢となる。

「ソーラー式やバッテリー式のほうが、コンセントや配線が不要で手軽に設置できますが、ソーラー充電式を選ぶなら設置場所の日当たりを確認しましょう。バッテリー式や乾電池式の場合は、一度の充電や電池交換で何カ月持つかもチェックしておくと安心です」

 ただし、ソーラー式の場合、梅雨時や冬場など日照時間が短いと、いざというときに充電切れで録画ができていないというリスクがある。乾電池式も同様に、電池がなくなっていないか定期的な確認が必要であることは考慮しておこう。

「録画方法とランニングコスト」も調べておきたい。録画方法は、microSDカードとクラウドストレージの2種類があり、スマホ連動の防犯カメラの場合、クラウドストレージを選択できるケースが多い。しかし、月額使用料が発生するため、利用する場合は料金体系を事前に確認するようにしよう。

遠隔確認、動体検知、サイレンでの威嚇、双方向通話など、現代の防犯カメラに求められる機能を網羅したスマホ連動型の一台/「カシムラ 屋外用スマートカメラ KJ-188」(6578円)※2025年9月時点の「DCM21熱田店」税込店頭価格(以下同)

乾電池式で配線工事不要。専用金具やベルトで簡単に設置できることで人気。動体検知により撮影・録画を行い、動画や静止画はSDカードに保存。本体内側に小型のモニターがあり、その場で映像を確認できる/「キャロットシステムズ MOVE SHOT AT-1」(1万6280円)

 訪問者と最初に顔を合わせる玄関は、防犯の最重要拠点だ。顔が見える安心感はもちろん、近年ではスマホと連動し、離れた場所からでも来客対応ができるテレビドアホン(スマートドアホン)が主流になっている。

 訪問時にインターホンが押されると、自動で画像や動画を記録する「自動録画機能」も大半の製品が備えており、留守中の来訪者を確認できる。製品によっては専用アプリを通じて、テレビドアホンの録画映像を家族で共有することも可能だ。

「さらに、室内モニターと玄関子機をつなぐ配線工事が不要で、手軽に設置できるドアホンが増えています。『ワイヤレスタイプ』のほうが短時間で設置できますが、玄関子機は電池で電源を確保することになります。もし、もともと家にドアホンが付いていて配線があるなら、それを利用したほうが玄関子機の電池切れの心配はなくなります」

ワイヤレスで、既存のチャイムからでも簡単に交換できる。別売りの「ホームユニット」を追加すれば、スマホでの遠隔応答も可能に/「パナソニック ワイヤレステレビドアホン VL-SGZ30」(2万7280円)

秋の夜長に需要が伸びる

「光」で不審者を驚かせるアイテム

 突然の光で不審者を驚かせ、姿を照らし出すセンサーライトは、防犯の基本かつ非常に効果的なアイテムだ。

「毎年、夜が長くなる秋口になると防犯意識が高まり、センサーライトの需要がぐっと伸びます」

 センサーライトは種類が豊富。電源方式はソーラー式、電池式、ACコンセント式があり、明るさも幅広く何段階かに調整できるタイプもある。設置方法については、結束バンドやマグネットで簡単に設置できる製品が主流だ。

 角度を調節して照らす場所を調整できるものや、スマホ連動型カメラが一体になったものもあるので、自宅の環境などによって選びたい。

ソーラータイプで、日が当たる場所ならどこでも簡単に設置できる/「オーム電機 ソーラーセンサーウォールライト LS-B400JW-SD2」(1408円)

闇バイト強盗のニュースで品切れに

アナログ防犯の威力とは

 デジタル防犯と組み合わせることで真価を発揮するのが、補助錠防犯フィルムといったアナログ的な防御だ。侵入に時間をかけさせ、犯行そのものを諦めさせる効果が期待できる。

「昨年秋頃、闇バイト強盗のニュースが大きく報じられた後、補助錠は一時、品切れになるほど売れました。窓ガラスを割られても、クレセント錠(窓の鍵)を開けられただけでは侵入させない、時間を稼ぐ手段として注目されています」

 頻繁に開け閉めしない窓や、寝室などの特に防犯性を高めたい場所におすすめなのが、つまみ(鍵)が取り外しできてロックできる補助錠。万が一、犯人が補助錠の存在に気づいても、つまみがなければ回して開けることができない。

 リビングの窓のように毎日開け閉めする場所には、両面テープで貼るだけで設置でき、レバーの上げ下げにより簡単に施錠・解錠できるものもある。

窓を少し開けたままロックできる「換気機能」も備えているので、網戸にして過ごすことが多い夏の時期に特に人気/「ノムラテック サッシロックSLIM」(4個入/987円)

「防犯フィルムも、闇バイト強盗の報道があった後、一時期売り切れが続出した商品。補助錠と並び、侵入に時間をかけさせ、犯行を諦めさせる効果が期待できます」

 防犯フィルムは厚く、ハンマーで叩かれたとしても、ガラスが割れて穴が開くのを防いでくれる。侵入者は、クレセント錠の周りのガラスを割って、鍵を開けて侵入してくるのが常套手段。クレセント錠の周りを守れるサイズがあれば、防犯効果は十分に期待できる。

泥棒が侵入したら音で警告

家の周りに敷くだけでOKの「防犯砂利」

 泥棒が嫌がる「音」による対策も有効だ。特に、窓ガラスへの衝撃や、窓の開閉を検知して大音量で知らせる防犯アラームは、1個1000円程度から導入できる最も手軽な防犯グッズの一つだ。

「窓用のアラームには、ガラスへの破壊や衝撃を検知して鳴る『振動検知式』と、窓が開けられたことを検知する『開放検知式』があります」

「振動」と「開放」だけでなく、その両方に反応する製品もある。窓の開閉の邪魔にならず、両面テープで貼るだけで工事は不要。「警戒中/解除」が一目で把握でき、電池寿命が近づくとLEDランプが点灯して知らせてくれる機能が付いているものがおすすめだ。

 防犯砂利も、夜が長くなる秋口になると需要が伸びる、スタンダードな防犯対策の一つだ。

「泥棒は、音が鳴って見つかるリスクが高い家を避けます。家の周りに敷くだけで、“泥棒に選ばれない家”にする効果が期待できます」

踏むと石同士が擦れ合って「ジャリ!ジャリ!」と大きな音が出る。リサイクルガラスを高温で溶かし発泡させた軽石状のため、見た目よりも軽く、敷き詰めることで防草効果も/「防犯ジャリ 60L ミックス」(3058円)

「防犯グッズは、非常食などの防災グッズと似ていると感じることがある」と話す河本さん。

「もちろん、何も起こらず使わないままが一番いいのですが、『万一への備えがある』という事実が、日々の生活に安心感をもたらしてくれます」

 自宅や離れて暮らす家族の家などに必要な防犯グッズを取り入れて、穏やかな暮らしを実現したい。