生活保護「カットは違法」が確定したのに…補償しない政府 「もう食べる量を減らすしか」当事者ら抗議の決起
生活保護費の基準額引き下げを違法と断じた最高裁判決から4カ月。政府がいまだ謝罪せず、減額分の補償の方向性も示さない中、原告や支援者らによる「いのちのとりで裁判全国アクション」が28日、大決起集会を東京都港区で開いた。全国からオンライン参加も含めて1400人が集まり、「一刻も早い補償を」「再発防止の検証を」と訴えた。

最高裁判決後に生活保護減額訴訟の原告側が開いた記者会見
あわせて読みたい
論点がわかる「生活保護引き下げ訴訟判決」 最高裁が「違法」と断じたもの これまでの経過と今後の課題は?
◆委員会では基準引き下げがテーマに
厚生労働省は8月から、有識者による専門委員会を6回開き、対応を議論している。しかし、引き下げの影響を受けた対象者の規模や金額、具体的な補償の方向性などは示していない。

「まずは謝罪を!」「当事者の声を聴け」とプラカードを掲げる集会の参加者たち
原告・弁護団は、2013年以前の基準額との差額をさかのぼって支給するよう求めているが、委員会では基準を違法ではないように引き下げる「再調整」が議論のテーマに上がっている。
集会では小久保哲郎弁護士が、「(司法の)次は、行政や政治が問われる。バッシングで分断と対立をあおる社会から、誰もが安心して人間らしい生活を送れる社会へと転換しよう」と呼びかけた。
◆「国の恩恵という意識を変えないと」
北海道訴訟の原告・鳴海真樹子さんは2013年の基準額削減などで、食事は1日2回に減り、冷蔵庫の廃棄処分代もためられていないと説明。さらに昨今の物価高で「もう削るところは何もなく、食べる量を減らす以外にない」と訴えた。

被害回復に向けた補償や再発防止を求めて発言する原告ら
富山訴訟の原告・村山和弘さんは、「貧困が自分の責任で、情けないことだとずっと刷り込まれ、声をあげにくかった。(生活保護は)国の『恩恵』というような旧態依然とした意識を変えないと」と訴えた。
1000人を超える原告のうち、230人以上が既に亡くなっている。(中村真暁)
【関連記事】"生活保護「違法カット」されたおカネはいつ被害者の手に? 「3000億円支給」役所のハードルが多すぎて
【関連記事】"「生活保護利用者の声を聞け」 霞が関に響いた怒り 基準引き下げは「違法」…でも厚生労働省はだんまり
【関連記事】"論点がわかる「生活保護引き下げ訴訟判決」 最高裁が「違法」と断じたもの これまでの経過と今後の課題は?