年金、確定申告が不要になる制度「どんな人が対象者?」60歳から89歳まで「みんなのもらえる平均はいくら?」

年金、働き方や加入経歴で変わる受取額とは?

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年金、確定申告が不要になる制度「どんな人が対象者?」60歳から89歳まで「みんなのもらえる平均はいくら?」

少しずつ肌寒さが増し、街路樹も色づき始める10月下旬となりました。街では冬の装いを見かけるようになり、本格的な冬の足音が聞こえてきます。さて、年金受給者の方にとって、今年最後の支給となるのは12月15日です。

シニア世代が受け取る年金月額は現役時代の働き方でどれほど変わるのか、今回は、厚生労働省の公表データをもとに詳しく解説します。さらに、年金受給者が知っておきたい確定申告不要制度についても確認しましょう。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

年金、確定申告が不要になる制度「どんな人が対象者?」

公的年金は「雑所得」に分類されますが、一定の条件を満たす場合には「確定申告不要制度」が適用され、確定申告をおこなう必要がなくなります。

確定申告が不要となる条件とは?

以下の両方に該当する場合、計算の結果、納税額がある場合でも所得税等の確定申告は不要です。

・公的年金等(※1)の収入金額の合計額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる

・公的年金等に係る雑所得以外の所得金額(※2)が20万円以下である

※1 国民年金や厚生年金、共済組合から支給を受ける老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金、老齢共済年金)、恩給(普通恩給)や過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金、確定給付企業年金契約に基づいて支給を受ける年金など

※2 生命保険や共済などの契約に基づいて支給される個人年金、給与所得、生命保険の満期返戻金など

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確定申告不要制度の対象者

ただし、所得税の還付を受けたい場合(※3)は確定申告が必要となります。

また、所得税の確定申告が不要な場合でも、生命保険料控除や地震保険料控除など、源泉徴収票に記載されていない控除を適用したい場合、公的年金などに係る雑所得以外の所得がある場合は住民税の申告が必要となる場合があります(※4)。

不明な点はお住まいの市区町村に問い合わせましょう。

※3 公的年金から源泉徴収された所得税を、医療費控除や雑損控除などにより取り戻したい場合

※4 一度確定申告をすれば、その情報が市区町村に送られるため、改めて住民税の申告をする必要はありません

確定申告はスマホでOK!令和7年分からさらに便利に

令和7年(2025年)分の確定申告は、スマートフォンとマイナンバーカードの連携が進み、さらに簡単になります。

スマートフォンのマイナンバーカードを利用すれば、マイナンバーカードをスマホで読み取らなくても、申告書の作成・e-Tax送信が可能です。

申告書は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で案内に沿って入力すると完成。自動計算機能によって計算ミスも防げます。

また、マイナポータル連携の機能を使うと、保険料控除証明書や源泉徴収票などの情報を自動取得し、確定申告書へ反映できます。書類を集めて入力する手間が省け、確定申告にかかる時間が大幅に短縮できるでしょう。

【要注意】マイナンバーカードと電子証明書の「有効期限切れ」には気をつけよう!

便利なサービスを継続して利用するために、マイナンバーカードと電子証明書の有効期限には注意が必要です。期限切れになるとe-Taxでの手続きができなくなります。

確定申告の時期は、市区町村の更新窓口が特に混み合うことが予想されます。時間に余裕をもって早めに更新手続きをおこないましょう。

年金、働き方や加入経歴で変わる受取額とは?

働き方や生き方が多様化する今、「将来、自分はどのくらいの年金を受け取れるんだろう?」と気になっている人もいるでしょう。

厚生労働省は、今回の年金改定の発表と同時に、「多様なライフコースに応じた年金額の例」も示しています。

ここでは、年金加入経歴を5つのパターン(男性2パターン、女性3パターン)に分類し、「2025年度に65歳になる人」を想定した年金額の概算が提示されています。

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出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

ケース①:男性・厚生年金期間中心

《年金月額》17万3457円

・平均厚生年金期間:39.8年

・平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。

・基礎年金:6万8671円

・厚生年金:10万4786円

ケース②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心

《年金月額》6万2344円

・平均厚生年金期間:7.6年

・平均収入:36万4000円

・基礎年金:4万8008円

・厚生年金:1万4335円

ケース③:女性・厚生年金期間中心

《年金月額》13万2117円

・平均厚生年金期間:33.4年

・平均収入:35万6000円

・基礎年金:7万566円

・厚生年金:6万1551円

ケース④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心

《年金月額》6万636円

・平均厚生年金期間:6.5年

・平均収入:25万1000円

・基礎年金:5万2151円

・厚生年金:8485円

ケース⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心

《年金月額》7万6810円

・平均厚生年金期間:6.7年

・平均収入:26万3000円

・基礎年金:6万7754円

・厚生年金:9056円

これらの年金額の例を見ても分かるように、厚生年金の加入期間や現役時代の平均収入によって、年金月額は大きく変動します。

特に、現役時代に国民年金と厚生年金のどちらを中心に加入していたかによって、老後の受給額は大きく変わることが見て取れます。

年金、60歳代「みんなのもらえる平均はいくら?」

ここからは、今のシニア世代が実際にどのくらいの年金を受け取れているかを見ていきましょう。60歳代~80歳代の各年齢の平均年金月額を、厚生年金と国民年金それぞれ確認します。

なお、ここで紹介する厚生年金の月額には、国民年金(老齢基礎年金)の月額部分が含まれます。

【厚生年金一覧表】60歳代の平均月額(60〜69歳)

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出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

・60歳:厚生年金9万6492円

・61歳:厚生年金10万317円

・62歳:厚生年金6万3244円

・63歳:厚生年金6万5313円

・64歳:厚生年金8万1700円

・65歳:厚生年金14万5876円

・66歳:厚生年金14万8285円

・67歳:厚生年金14万9205円

・68歳:厚生年金14万7862円

・69歳:厚生年金14万5960円

【国民年金一覧表】60歳代の平均月額(60〜69歳)

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出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

・60歳:国民年金4万3638円

・61歳:国民年金4万4663円

・62歳:国民年金4万3477円

・63歳:国民年金4万5035円

・64歳:国民年金4万6053円

・65歳:国民年金5万9599円

・66歳:国民年金5万9510円

・67歳:国民年金5万9475円

・68歳:国民年金5万9194円

・69歳:国民年金5万8972円

老齢年金の一般的な受給スタート年齢は原則65歳。

65歳未満は繰上げ受給(※1)を選んだ人や、特別支給の老齢厚生年金(※2)の報酬比例部分のみを受給している人の年金額となるため、厚生年金・国民年金ともに65歳以降よりも少なめです。

65歳から69歳までの平均年金月額は、厚生年金14万円台、国民年金5万円台となっています。

※1 繰上げ受給:老齢年金を60歳~64歳までで前倒しして受け取ること。繰上げた月数に応じて年金が減額(0.4%/月)され、一度決まった減額率は生涯変わりません。

※2 特別支給の老齢厚生年金:昭和60年の法改正により厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた際、受給開始年齢を段階的に引き上げるために設けられた制度。年齢など一定条件を満たす場合に受け取ることができます。

年金、70歳代「みんなのもらえる平均はいくら?」

70歳代の各年齢の平均年金月額を見ていきます。

【厚生年金一覧表】70歳代の平均月額(70〜79歳)

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出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

・70歳:厚生年金14万4773円

・71歳:厚生年金14万3521円

・72歳:厚生年金14万2248円

・73歳:厚生年金14万4251円

・74歳:厚生年金14万7684円

・75歳:厚生年金14万7455円

・76歳:厚生年金14万7152円

・77歳:厚生年金14万7070円

・78歳:厚生年金14万9232円

・79歳:厚生年金14万9883円

【国民年金一覧表】70歳代の平均月額(70〜79歳)

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出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

・70歳:国民年金5万8956円

・71歳:国民年金5万8569円

・72歳:国民年金5万8429円

・73歳:国民年金5万8220円

・74歳:国民年金5万8070円

・75歳:国民年金5万7973円

・76歳:国民年金5万7774円

・77歳:国民年金5万7561円

・78歳:国民年金5万7119円

・79歳:国民年金5万7078円

70歳代の平均年金月額は、厚生年金14万円台、国民年金5万7000~8000円台でした。

年金、80歳代「みんなのもらえる平均はいくら?」

80歳代の各年齢の平均年金月額はどうでしょう。

【厚生年金一覧表】80歳代の平均月額(80〜89歳)

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出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

・80歳:厚生年金15万1580円

・81歳:厚生年金15万3834円

・82歳:厚生年金15万6103円

・83歳:厚生年金15万8631円

・84歳:厚生年金16万59円

・85歳:厚生年金16万1684円

・86歳:厚生年金16万1870円

・87歳:厚生年金16万2514円

・88歳:厚生年金16万3198円

・89歳:厚生年金16万2841円

【国民年金一覧表】80歳代の平均月額(80〜89歳)

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出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

・80歳:国民年金5万6736円

・81歳:国民年金5万6487円

・82歳:国民年金5万6351円

・83歳:国民年金5万8112円

・84歳:国民年金5万7879円

・85歳:国民年金5万7693円

・86歳:国民年金5万7685円

・87歳:国民年金5万7244円

・88歳:国民年金5万7076円

・89歳:国民年金5万6796円

80歳代の平均受給額は、厚生年金15万円~16万円台、国民年金5万6000円~8000円台です。

いずれの年代においても、平均年金月額に大きな年齢差は見られませんでした。しかし、これはあくまでも「各年齢の平均」である点には留意が必要です。

老後に受け取る年金額は、現役時代の年金加入状況によって人それぞれとなっています。

年金額には個人差がある「これからの暮らしを支える資金計画を」

本記事では、ライフコース別の受給年金額について解説してきました。将来受け取ることができる年金額には個人差がありますので、ご自分の受給予定金額についてはしっかりと確認しておきましょう。

これから老後生活の準備を考えようとしている方は、年金額を基準に考えていくと資金計画を立てやすいかもしれません。

現在の生活費が受給予定金額を上回る場合は不足分を準備できるようなプランを考えてあげると具体的なイメージがしやすくなるでしょう。

まずは、準備する必要金額を算出した後に具体的な手段を考えていきましょう。

参考資料

・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況

・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」

・日本年金機構「厚生年金保険の保険料」

・日本年金機構「国民年金の第3号被保険者制度のご説明」

・政府広報オンライン「年金の手続。国民年金の第3号被保険者のかたへ。」

・政府広報オンライン「ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度」

・国税庁「令和7年分の確定申告はスマホとマイナポータル連携でもっと便利に!」