小池百合子ら30名超の女性首長が集結! 社会を変えるリーダーたちの対話

「女性の力の非活用は、社会の損失」, 「台所に立つのは女性」の意識は変えて, 若い世代にロールモデルを示そう, 「恐れず進め」各首長からのメッセージ

画像提供:第7回女性首長によるびじょんネットワーク

高市早苗氏が日本初の女性総理大臣に就任し、女性リーダーの存在がこれまで以上に注目を集めている。政治・経済・地域のあらゆる場で、女性たちがどのように力を発揮し、社会を変えていけるのか。

2025年10月18日、日本の女性首長と女性経営者、そして女性の駐日大使が一同に会したオンライン会議「第7回女性首長によるびじょんネットワーク」が開催された。テーマは「女性活躍の輪を広げるために〜変わる社会、変えるリーダーたち〜」。男性も女性も自分らしく働ける社会の実現に向け、パネリストたちが活発な意見を交わした。

「女性の力の非活用は、社会の損失」

「女性の力の非活用は、社会の損失」, 「台所に立つのは女性」の意識は変えて, 若い世代にロールモデルを示そう, 「恐れず進め」各首長からのメッセージ

小池百合子 東京都知事

冒頭の挨拶では、小池百合子 東京都知事が次のように述べた。

『びじょんネットワーク』は7回目を迎えた。立ち上げは令和元年で、この間に女性首長は36人から74人に増えた。とはいえ、日本の自治体は約1700。女性活躍はまだ長い道のりだが、国政の変化が大きな転換点になると感じている。(小池百合子 東京都知事)

続いて、吉村美恵子 山形県知事が「人口の半分を占める女性の力が発揮されないのは、社会の損失」と明言。

「女性の力の非活用は、社会の損失」, 「台所に立つのは女性」の意識は変えて, 若い世代にロールモデルを示そう, 「恐れず進め」各首長からのメッセージ

吉村美恵子 山形県知事

『男女共同参画社会基本法』の施行から約25年が経つが、日本のジェンダーギャップ指数は148カ国中118位と低迷している。国力を高めるには、ジェンダー平等の推進が不可欠だ。共に学びながら、前向きに進んでいきたい。(吉村美恵子 山形県知事)

「台所に立つのは女性」の意識は変えて

「女性の力の非活用は、社会の損失」, 「台所に立つのは女性」の意識は変えて, 若い世代にロールモデルを示そう, 「恐れず進め」各首長からのメッセージ

右から、小林洋子 東京都小平市長、逢󠄀坂伸子 大阪府大東市長、メルバ・プリーア 駐日メキシコ合衆国大使。

パネルディスカッション「変わる意識や制度~男性も女性も、自分らしく働ける社会とは~​」に登壇したのは、メキシコ、ブルガリア、ドイツ、アルメニアの女性駐日大使と、日本の自治体の女性首長ら。まず、「自分らしく働ける社会実現を阻むもの」をテーマにディスカッションした。󠄀

大阪府大東市の逢󠄀坂伸子市長は、「テレビや映画を通じて刷り込まれてきたジェンダーバイアスも一因では?」と指摘する。

教育や仕事の分野では男女平等がかなり進んだが、家事・育児はまだ女性に委ねられている。日本では『台所に立つのは女性』というジェンダーバイアスが、メディアを通じて刷り込まれてきた。ここが変わらないと社会も変わらないと感じている。(逢󠄀坂伸子 大阪府大東市長)

東京都小平市の小林洋子市長は、女性自身の思い込みをマインドセットするべきだと言う。

社会が『女性だから』『男性だから』という思い込みで動いていることが、女性活躍を妨げていると感じている。この思い込みは男性だけでなく、女性の中にもある。意識を変えていく必要があると思っている」(小林洋子 東京都小平市長)

ドイツのジグムント大使は、女性に内在する「自信の欠如」も問題だと説いた。

自分らしく働くためには、女性自身が自信を持つことが大切だ。多くの女性は『私にこの仕事をする資格があるだろうか』と考えてしまいがちだ。自信のなさを乗り越えてほしいと思っている。(ペトラ・ジグムント 駐日ドイツ連邦共和国大使)

自分らしく働き、持続可能な世界にするためには、社会が作ったジェンダーバイアスだけでなく、女性の中にあるバイアスを壊す必要もありそうだ。

若い世代にロールモデルを示そう

「女性の力の非活用は、社会の損失」, 「台所に立つのは女性」の意識は変えて, 若い世代にロールモデルを示そう, 「恐れず進め」各首長からのメッセージ

右から、マリエタ・アラバジエヴァ 駐日ブルガリア共和国大使、ペトラ・ジグムント 駐日ドイツ連邦共和国大使、モニカ・シモニャン 駐日アルメニア共和国大使。

後半は、前半の議論を元に「誰もが生きやすく働きやすい社会のために必要なこと」を討論。

「令和5年度雇用均等基本調査」によると、日本で課長相当職以上の管理職等に就く女性の割合は12.7%。世界から遅れをとっているため、是正に向けた法律の整備が急がれる。メキシコのプリーア大使と港区の清家区長は、「意思決定をする場面に女性がいること」の重要性を述べた。

女性が意思決定に関わることに加え、経済的に自立していることも重要だと考えている。(メルバ・プリーア 駐日メキシコ合衆国大使)

 

港区では女性が挑戦しやすい環境を整え、管理職登用の制度も整備している。意思決定に関わる女性が増えれば、社会の風土も制度も変わっていくはずだと感じている。(清家愛 東京都港区長)

また、アルメニアのシモニャン大使とブルガリアのアラバジエヴァ大使はともに、大きな変化を起こす鍵は「教育」だと話す。

最も重要なのは教育だ。変化を起こすには、若い世代が意識を変えなければならない。『権利は自らの手で勝ち取るもの』と幼少期から教えることが必要だと考えている。(モニカ・シモニャン 駐日アルメニア共和国大使)

 

子どもたちには幼い頃から、性別にかかわらず多様な選択肢があると教える必要がある。女の子がエンジニアや政治家を目指してもよい。そうしたロールモデルを示すことが大切だと考えている。(マリエタ・アラバジエヴァ 駐日ブルガリア共和国大使)

「恐れず進め」各首長からのメッセージ

「女性の力の非活用は、社会の損失」, 「台所に立つのは女性」の意識は変えて, 若い世代にロールモデルを示そう, 「恐れず進め」各首長からのメッセージ

画像提供:第7回女性首長によるびじょんネットワーク

最後に、モデレーターの谷本有⾹さんからの問い、「女性リーダーになるために必要なことは?」に、各パネリストは「自分の能力を信じること」と回答。

自分には他人と同じ能力があると、自分をトレーニングして恐れを克服すること。(ペトラ・ジグムント 駐日ドイツ連邦共和国大使)

 

人と違うことを恐れず、前に進むことが大事だ。『とにかく進め』という気持ちを持ってほしい。(メルバ・プリーア 駐日メキシコ合衆国大使)

今回の会議では、アンコンシャス・バイアスの払拭、法整備の推進、そしてジェンダー平等教育の強化が、女性活躍を進める上での重要な課題として示された。

これらの取り組みが進むことで、次世代がより生き生きと輝ける社会の実現が期待される。

(取材・文:石上直美)