2026年発売決定!小さなランクル「FJ」の中身

これまでになかったサイズの「ランドクルーザーFJ」を発表(写真:トヨタ自動車)
トヨタ自動車が「ランドクルーザーFJ」を、2025年10月29日に日本で初公開。舞台は東京ビッグサイトでの「ジャパン・モビリティ・ショー2025」だ。
【写真】ジャパンモビリティショー2025でかねて噂されていた小さなランドクルーザー「FJ」が発表に!
【写真】カワイイだけじゃない!ランドクルーザーFJのデザイン(40枚以上)
「2年前にランドクルーザー250を発表したとき“これは始まりにすぎない”とお話ししました」
トヨタ自動車のブランドクリエーションオフィサー(グループのデザイン統括)のサイモン・ハンフリーズ氏は、このタイミングでメディアに向けて上記のように語った。

「ランドクルーザーFJ」の説明をするサイモン・ハンフリーズ氏(写真:トヨタ自動車)
世界的なSUVの人気を背景に、ランドクルーザーブランドの市場が拡大するのを見越した発言だ。
2021年の「ランドクルーザー300」をはじめ、上記の「250」、そして改良をほどこした「70」も、高い市場価値を維持している。
これからの作業は、ニッチ(すきま)を埋めていくこととばかりに今回、全長4575mm×全幅1855mm×全高1960mm(ホイールベース2580mm)とコンパクトなFJを投入した。
FJクルーザーとは異なる成り立ちと世界観
プラットフォームは、新興国の市場向けに開発された「IMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)」用。ピックアップトラック、ミニバン、SUVの3車型に対応するものだ。
プラットフォーム自体は2002年に発表されたもので、たとえばタイで生産されている「ハイラックス」が成功しているように、世界各地の生産拠点を効率的に使うという目的を達成している。

日本で販売される「ハイラックス」もタイで生産される(写真:トヨタ自動車)
今回のランドクルーザーFJも、その一翼を担うもので、一見するとやや寸詰まり感のあるキュートなもの。しかし、FJという車名のオリジンは、1960年から84年まで生産された2ドアの「FJ40」だろう。

24年もの長きにわたり販売された「ランドクルーザー40(FJ40)」(写真:トヨタ自動車)
FJ40は、小回りの利く車体サイズとトルクのあるエンジンのおかげで、日本の森林でサービスカーとしても重宝されていて、実直なエンジニアリングで作られた車両だった。
その後、2006年に「FJクルーザー」としてFJの名が復活。ただし、この車両はFJ40のイメージを現代的にまとめた“企画モノ”だ。
レトロスペクティブなデザインは、当時はあまり評判がよくなかったと記憶しているが、いまはおもしろがって買うユーザーも少なからずいて、それなりの市場性を誇っている。

「ランドクルーザー40」をモチーフにした「FJクルーザー」(写真:トヨタ自動車)
今回のランドクルーザーFJは、「ランクルにふさわしい優れた悪路走破性を実現」(トヨタのプレスリリース)と機能性がまっ先にうたわれている。
「IMVシリーズで鍛えたプラットフォームを活用し、地上高やアプローチアングルの確保。“70”シリーズ同等のホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)」
開発では、オフロード試験で弱点を徹底的に洗い出してランクルネス(信頼性・耐久性・悪路走破性)をつくり込み、さらに「床下へのブレース追加、ボディの高剛性化により、優れた操縦安定性を確保」したそうだ。

車体は小さくても中身は本格的なオフロードカーとして作られている(写真:トヨタ自動車)
ランクルネスとは興味深い造語だが、つまり、新世代のFJはクロスカントリー4WDとしての悪路走破性が追求されているということ。
この悪路走破性はFJにおける大きな特徴で、既存のランドクルーザーのラインナップにない性能をうたう。
「ホイールベースの縮小(250シリーズ比マイナス270mm)による、最小回転半径5.5mの取り回しの良さ」が強調されたが、トヨタはこれを「ランクルに新たな魅力を付与」とする。

4575mmの全長を持つボディは真横から見ると明らかに短い(写真:トヨタ自動車)
オフロードでは、コンパクトな車体のほうが役に立つ、というのは誰もが知るところ。このように、サイズを利したオフロードでの走破性をセリングポイントとしている。
「フロント・リアともにコーナーバンパーを取り外し可能な分割タイプとすることで、壊れた部分のみ交換可能とし修理性を向上させる」とした。
若い人にもアピールするデザイン
デザインの審美性についても、独自の存在感の確立を目指したという。「サイコロをモチーフにした直方体ボディ」というだけあって、前後から見ると、正方形のようだ。
「TOYOTA」とロゴが大きく入るフロントマスクやサイドウインドウのグラフィクスなど、ランドクルーザー・ファミリーであることが、すぐにわかる。

発表会では「ランドクルーザー70」「250」「300」のファミリーが並べられた(写真:トヨタ自動車)
ただし、車体下部はフロントからサイドをまわってリアにいたるまで、ぐるりと黒色のクラディングを装着。大きなルーフレールも目をひく。
デザイン的にも、若々しい市場にアピールできそうだ。
「常に最新技術を導入し、フラッグシップとして進化を担うステーションワゴン(“300”シリーズ)、高い耐久性と整備性でワークホースを担うヘビーデューティモデル(“70”シリーズ)、質実剛健を追求し、お客様の生活と実用を支えるという原点に回帰し2024年に誕生したランクルの中核モデル(“250”シリーズ)の3つのシリーズ」
トヨタでは従来のランドクルーザー・ラインナップをこのように定義。今回のFJでは「自分らしく楽しむ自由『Freedom&Joy』という新たな価値を提供」するとしている。
カスタマイズも楽しめる
ちょうどこの原稿を書いているとき、私はオーストラリア・クイーンランド周辺に滞在していた。
彼の地ではランドクルーザーが多く走っていて、しかも、Aピラーに沿って煙突のように突き出しているスノーケルを装着しているオフロード仕様がやたら目についた。
渡河などの際、エンジンへの空気採り入れとして機能するパーツで、つまり働きは煙突とは真逆。ランドクルーザーによく似合う。
FJでは、コンセプトの段階からスノーケル装着モデルも提案したという。

水深がある場所でも空気を吸い込めるように吸い口を車体上部へ持っていくスノーケル(写真:トヨタ自動車)
「より個性的にランクルを楽しめるカスタマイズへの対応にも配慮」としているので、ここでの「個性」の中に積極的なオフローディングも含まれるのだろう。
トヨタでは「今後、カスタマイズの楽しさが拡がるオプションを導入」とする。
たとえば、歴代のランクルを彷彿とさせる丸型ヘッドランプ、アウトドア用品などを取り付けられ、多様な用途に応じた荷室を作り出すモールパネル、そしてランクルらしい「どこへでも行く」オフロードスタイルを支える堅牢な外装・機能アイテム。

専用デザインのルーフキャリアなどアクセサリーも豊富に用意される見込み(写真:トヨタ自動車)
現時点では、この3つがあげられている。
これらが販売店オプションになるのか、メーカーによるライン装着になるのかは未発表だが、カスタマイズ市場は拡大が見込まれている分野なので、トヨタの出方に注目したい。
ランドクルーザーFJの日本での発売は2026年の年央を予定しているというが、具体的な日程はまだ。価格も現時点では未定である。
とはいえ、日本で発売されることは間違いない。ファンの心情を代表していえば、そのときには年単位にもなる、長いウェイティングリストができないようにしてもらいたい。
<ランドクルーザーFJ>
全長×全幅×全高:4575×1855×1960mm
ホイールベース:2580mm
エンジン:2693cc4気筒ガソリン(2TR-FE)
最高出力:120kW
最大トルク:246Nm
変速機:6段オートマチック
駆動方式:パートタイム4WD
乗車定員:5名
価格:未定