65歳以上「おひとりさま」の年金生活、毎月約2.7万円の赤字家計のリアル。2025年 年金改正で《働き方×老後の年金》はどう変わる?

40歳代・50歳代必見!家計収支の現実と年金額を徹底分析。あなたの未来を守る「自助努力」と「この冬考えたい」お金の準備とは

【家計収支】65歳以上「おひとりさま」の年金生活、毎月赤字が2.7万円超のリアル, 公的年金だけでは不足!65歳以上「おひとりさま」リタイア後の平均的な収支内訳データを見る, 【公的年金】いまどきシニアの年金額。2025年度の年金目安はいくら?, 【2025年度】国民年金と厚生年金の年金額例, 【国民年金・厚生年金】「加入期間×収入」で老後の年金額はこんなに変わる!, パターン①:男性・厚生年金期間中心, パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心, パターン③:女性・厚生年金期間中心, パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心, パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心, 現役世代も要チェック!「年金制度改正法」で《働き方×老後の年金》はどう変わる?, 40・50歳代が「この冬考えたい」お金の準備

65歳以上「おひとりさま」の年金生活、毎月約2.7万円の赤字家計のリアル。2025年 年金改正で《働き方×老後の年金》はどう変わる?

日増しに寒さが身に染みるようになり、冬の訪れを感じる11月となりました。

年末が近づくと、ご自身の家計や来年の計画と同時に、遠いようで近い「老後」について考える方も多いのではないでしょうか。

特に40代、50代の働き盛りの方々にとって、「親世代である65歳以上の人たちは、実際いくら年金をもらい、どんな生活をしているのか」は、ご自身のライフプランを考える上で非常に気になるところです。

本記事では、お金の専門家であるFPの視点から、最新の公的データを徹底分析。

65歳以上のリアルな家計収支(赤字額)から、働き方によってどれだけ年金額が変わるのか、さらに2025年の年金改正が私たちにどう影響するのかを深掘りします。

まずは「平均的な現実」を知り、ご自身の将来設計を考える第一歩としましょう。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【家計収支】65歳以上「おひとりさま」の年金生活、毎月赤字が2.7万円超のリアル

総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」から、65歳以上の単身無職世帯のひと月の家計収支データを見ていきます。

公的年金だけでは不足!65歳以上「おひとりさま」リタイア後の平均的な収支内訳データを見る

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出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

毎月の実収入:13万4116円

■うち社会保障給付(主に年金):12万1629円

毎月の支出:16万1933円

■うち消費支出:14万9286円

・食料:4万2085円

・住居:1万2693円

・光熱・水道:1万4490円

・家具・家事用品:6596円

・被服及び履物:3385円

・保健医療:8640円

・交通・通信:1万4935円

・教育:15円

・教養娯楽:1万5492円

・その他の消費支出:3万956円

■うち非消費支出:1万2647円

・直接税:6585円

・社会保険料:6001円

65歳以上《単身》無職世帯の家計は…

・ひと月の赤字:2万7817円

・エンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合):28.2%

・平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合):122.9%

老齢年金を受給して一人暮らしをするシニア世帯の家計は、どのような状況なのでしょうか。

この単身世帯のひと月の支出合計は16万1933円です。その内訳は、税金や社会保険料などの「非消費支出」が1万2647円、食費や住居費などの「消費支出」が14万9286円を占めます。

一方、ひと月の収入は13万4116円で、その約9割(12万1629円)は主に公的年金です。

エンゲル係数は28.2%、平均消費性向は122.9%。結果的に、この単身世帯は毎月2万7817円の赤字を抱えています。

ただし、この家計収支データには注意すべき点があります。まず、支出に「介護費用」が含まれておらず、住居費も1万円台と低めです。健康状態や住居環境によっては、これらの費用がさらに上乗せされることも考慮する必要があるでしょう。

また、「非消費支出」が示す通り、老後の年金暮らしが始まっても、税金や社会保険料の支払いは生涯続きます。

多くのシニアがこれらの費用を年金から天引きで納めている現実も踏まえ、年金収入と日常生活費だけではなく、こうした、固定費も考慮した生活設計が大切となるでしょう。

【公的年金】いまどきシニアの年金額。2025年度の年金目安はいくら?

現役時代の年金加入状況によって、老後の受給額は一人ひとり異なります。加えて、年金額は物価や現役世代の賃金動向を踏まえ、毎年改定がおこなわれます。

2025年度の年金額は前年度より1.9%引き上げられており、厚生労働省は以下の年金例を公表しています。

【2025年度】国民年金と厚生年金の年金額例

・国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)

・厚生年金(夫婦2人分):23万2784円(+4412円)

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)

※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

国民年金の年金保険料は全員一律ですが、厚生年金は会社員や公務員などが加入し、収入に応じた保険料を納めるため個人差が表れやすくなります。

【国民年金・厚生年金】「加入期間×収入」で老後の年金額はこんなに変わる!

働き方や生き方が多様化する今、「将来、自分はどのくらいの年金を受け取れるんだろう?」と気になっている人もいるでしょう。

厚生労働省は、今回の年金改定の発表と同時に、多様なライフコースに応じた年金額例も示しています。

ここでは、年金加入経歴を5つのパターン(男性2パターン、女性3パターン)に分類し、「2025年度に65歳になる人」を想定した年金額の概算が提示されています。

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出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

パターン①:男性・厚生年金期間中心

年金月額:17万3457円

・平均厚生年金期間:39.8年

・平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。

・基礎年金:6万8671円

・厚生年金:10万4786円

パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心

年金月額:6万2344円

・平均厚生年金期間:7.6年

・平均収入:36万4000円

・基礎年金:4万8008円

・厚生年金:1万4335円

パターン③:女性・厚生年金期間中心

年金月額:13万2117円

・平均厚生年金期間:33.4年

・平均収入:35万6000円

・基礎年金:7万566円

・厚生年金:6万1551円

パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心

年金月額:6万636円

・平均厚生年金期間:6.5年

・平均収入:25万1000円

・基礎年金:5万2151円

・厚生年金:8485円

パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心

年金月額:7万6810円

・平均厚生年金期間:6.7年

・平均収入:26万3000円

・基礎年金:6万7754円

・厚生年金:9056円

上記のデータからは、厚生年金に長く加入し、かつ収入が高かった人ほど、老後の年金額は多くなる傾向があることが分かります。

現役時代に「国民年金の期間が中心だったか」「厚生年金の期間が中心だったか」により、老後の年金水準が大きく変わるわけですね。

働き盛りの現役世代にとって、いまの働き方や収入は、目前の家計だけではなく、遠い将来の年金額を左右する重要な要素となるのです。

現役世代も要チェック!「年金制度改正法」で《働き方×老後の年金》はどう変わる?

2025年6月13日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が参議院本会議で可決され、法律として成立しました。

この改正は多様化する働き方や家族構成、ライフスタイルを踏まえた年金制度を目指すものです。また、私的年金制度の拡充や所得再分配の強化などによって、シニアの暮らしの安定に繋げることなども大切な狙いです。

今回の改正の全体像を見ておきましょう。

主な改正内容

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出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

社会保険の加入対象の拡大

・中小企業において短時間で働く人などが、厚生年金や健康保険に加入し、年金増額などのメリットを受けられるようにする

在職老齢年金の見直し

・年金を受け取りながら働くシニアが、年金を減額されにくくなり、より多く働けるようにする

遺族年金の見直し

・遺族厚生年金の男女差を解消。子どもが遺族基礎年金を受給しやすくする

保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ

・月収が一定以上となる人が、賃金に応じた年金保険料を負担し、現役時代の賃金に見合った年金を受給しやすくする

その他の見直し

・子どもの加算などの見直し、脱退一時金の見直し

・私的年金の見直し:iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)加入年齢の上限引き上げなど

上記の改正内容からも、公的年金は「老後の受給額」だけの話ではなく、現役世代の働き方やキャリアプラン、人生設計とも深い関わりを持つことが分かります。

40・50歳代が「この冬考えたい」お金の準備

今回は、65歳以上単身無職世帯の家計収支の現実と、現役時代の働き方が老後の年金額に与える影響、そして最新の2025年年金制度改正の主要ポイントを解説しました。

総務省の平均データが示すように、年金収入だけでは毎月2万7817円の家計赤字となるという厳しい現実が明らかになりました。しかし、これはあくまで平均値です。

最も重要なのは、読者であるご自身の状況を正確に把握することにあります。40歳代、50歳代の今だからこそ、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用し、ご自身の正確な年金見込額を必ず確認してください。

その上で、公的年金に頼るだけでなく、老後に向けた「自助努力」が不可欠であるという結論が見えてきます。2025年の年金改正では、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入年齢上限の引き上げも決定しました。

今の働き方を見直すこと、そしてNISAやiDeCoなどを活用した資産形成を早期に始めることが、将来の経済的な安心に直結します。寒さ厳しき折、暖かい室内で、ご家族と将来のお金について話し合ってみてはいかがでしょうか。

参考資料

・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2024年)」

・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

・厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」

・日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」

・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」