NISA制度改正「こどもNISA」に賛成は何割? 一方で「毎月分配型」を望む意外な年代とは<4000人の本音>

子どもNISAに6割超が前向き, 資金援助には慎重, 意外? NISAで毎月分配型は若い世代ほど関心, こどもNISAや毎月分配型に一定のニーズありも…

NISA制度改正「こどもNISA」に賛成は何割? 一方で「毎月分配型」を望む意外な年代とは<4000人の本音>

子どもNISAに6割超が前向き

金融資産の保有状況やNISA制度の利用状況などを個人投資家5000人に詳しく聞いた「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)の結果から新NISA制度への要望について見ていこう。

現行のNISA制度では18歳以上でないと口座開設ができない。この点について調査では、「未成年者でもNISA(つみたて投資枠)の口座開設ができるようになった場合、子や孫に口座開設を勧めたいか」という質問を行い、64.0%が「はい(開設を勧めたい)」と回答している。

未成年者のNISA口座開設推奨意向

子どもNISAに6割超が前向き, 資金援助には慎重, 意外? NISAで毎月分配型は若い世代ほど関心, こどもNISAや毎月分配型に一定のニーズありも…

※NISA口座開設者

出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)

年代別では、若い層ほど未成年者のNISA口座開設に積極的な意向があり、30代以下では実に80.5%が「はい」と回答している。対して70代以上では「いいえ」が53.5%と過半数を超えた。若い世代ほど早期からの資産形成の重要性を認識しているようだ。自身の投資経験から「もっと早くから始めておけば良かった」、あるいは「子どもの口座もあれば家族全体で非課税投資に取り組めそう」という思いが期待として表れているのかもしれない。

●前編「新NISAのメリットは「資産が増えたこと」と答えた人はどのくらい? 個人投資家4000人の「よかったこと」「よくなかったこと」ランキング」

資金援助には慎重

このように子どもや孫にNISA口座開設をすすめる意向はあっても、実際に資金援助をするかどうかについては慎重な意見が目立った。調査では、未成年の子どもや孫がNISA口座を開設できるようになったら資産運用のための資金を援助したいかという質問も行っている。結果、「はい(資金を援助したい)」が42.7%、「いいえ(資金を援助したくない)」が57.3%と、口座開設を勧めたい意向(64.0%)と比べると消極的な意見が増えている。

未成年者のNISA資産運用資金援助意向

子どもNISAに6割超が前向き, 資金援助には慎重, 意外? NISAで毎月分配型は若い世代ほど関心, こどもNISAや毎月分配型に一定のニーズありも…

※NISA口座開設者

出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)

この質問でも年代による回答差が見られ、30代以下では59.0%が援助に前向きな一方、70代以上では31.9%にとどまっている。若い世代ほど資金援助に積極的な理由としては、自身の子どもがまだ小さく、これからかかるであろう教育費などを作っていこうという意向があるのかもしれない。対して高齢世代では、すでに相続や生前贈与など別の形で資産移転を考えている可能性も考えられる。

口座開設をすすめる意向と資金援助を行う意向に差があるのはなぜだろうか。「投資の機会は提供したいが、お金の価値や運用の意味を理解するためには自分のお金で取り組むべき」という教育的な考えが背景にあるのかもしれない。あるいは、単純に援助できるほどの余裕がないという経済的事情もあるだろう。

意外? NISAで毎月分配型は若い世代ほど関心

NISA制度変更への要望として、もう一つ興味深い結果が出ている。毎月分配型の投資信託に関するニーズだ。毎月分配型の投資信託とは毎月行われる決算のたびに分配金が支払われるタイプの投資信託。ただしその分配金は必ずしも収益から支払われるとは限らず、元本から取り崩して分配される場合もある。なお、現在のNISA制度では毎月分配型の投資信託は、つみたて投資枠、成長投資枠のいずれでも認められていない。

調査では毎月分配型投資信託がNISAで購入できるようになった場合、購入したいかという質問を行っている。結果、53.4%が「購入したい」、46.6%が「購入したくない」と回答した。回答は二分されたが、購入したい層がやや上回った。

こちらも年代による差が顕著で、30代以下では64.0%が「購入したい」と回答した一方、70代以上では44.4%にとどまり、「購入したくない」(55.6%)が上回っている。

若い世代が毎月分配型に関心を示す理由としては、定期的な分配金が投資のモチベーション維持につながると考えている可能性がある。一方、高齢世代が比較的関心が低い理由としては、分配金が実質的には元本払い戻しの側面を持つ場合があることを理解している、あるいはすでにNISA以外で活用している人が多いのかもしれない。

こどもNISAや毎月分配型に一定のニーズありも…

調査結果からは、未成年者向けNISA(いわゆる「こどもNISA」)への期待が高いことがうかがえる。特に若い世代を中心に意識の高さが表れている。また、毎月分配型投資信託のNISA対象化についても一定のニーズがあることが分かった。

より多くの人が資産形成しやすい環境整備を求めているはずだが、その望む声の代表例ともいえそうだ。特に未成年向けNISA制度は、早期からの投資教育や資産形成の習慣化にもつながるかもしれない。

単に口座開設の可能年齢を引き下げるだけでなく、個人投資家の理解度を考慮した仕組みづくりが求められる。また、資金援助についての意見が分かれていることから、親や祖父母からの資金提供に過度に依存しない、子ども自身の小づかいやアルバイトなどの収入から積み立てられるような少額からの投資環境も重要だ。

調査概要 調査名:「個人投資家の証券投資に関する意識調査」 調査主体:日本証券業協会 調査報告書公表:2025年9月 調査実施期間:2025年4月15日~19日 調査対象:日本全国の 18 歳以上の有価証券保有者 5000 人

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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