株価上昇で「日経225」に人気集中! 一方で「S&P500」「オルカン」と3年来・5年来成績を比べてみたら...

株価上昇で「日経225」に人気集中! 一方で「S&P500」「オルカン」と3年来・5年来成績を比べてみたら…

各販売会社が公開するデータをもとに、編集部独自の分析で投資信託の売れ筋を考察する連載。今回は、三菱UFJ銀行のデータをもとに解説。

三菱UFJ銀行の投信売れ筋ランキング2025年10月のトップ2は前月と同じく「eMAXIS 日経225インデックス」、「MUFGウェルス・インサイト・ファンド(標準型)」になった。また、前月第7位の「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」が第3位に、前月第6位だった「三菱UFJインデックス225オープン」が第4位に上がった。国内株インデックスファンドがランキングの上位に3ファンドも入っている。また、前月は第9位だった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が第6位に上がった。一方、前月は第5位に上がった「三菱UFJ純金ファンド」は第10位に後退した。

「日経225」に集中した人気はいつまで?

三菱UFJ銀行の売れ筋ランキングで「eMAXIS 日経225インデックス」がトップになったのは、単純に年初来のパフォーマンスが米国株「S&P500」インデックスファンドや全世界株(オール・カントリー)インデックスファンドより優れていたという実績を評価したものと考えられる。「eMAXIS 日経225インデックス」の年初来リターンは12月12日時点で29.18%と、「オルカン」の19.29%や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の14.91%を大きく上回っている。11月の売れ筋ランキングで人気を高めたのは、これまでの上昇のみならず、これからも国内株式について強気に考えているからだろう。

一方、パフォーマンスの点では年初来リターンが61.49%と抜群に高い「三菱UFJ純金ファンド」の人気は衰えている。この背景には、10月に基準価額が一気に30%程度も上昇し、その後に20%近くも急落するという大波乱を演じたことがあると考えられる。純金ファンドは過去5年間で3.4倍に基準価額が上昇している。その高値で起こった波乱だけに高値警戒感が高まった。しかし、その後も純金(ゴールド)価格は堅調な値動きを続けている。ファンドの基準価額も10月の高値には届かないものの徐々に値上がりしているところだ。株式と違って好不況の影響を受けにくい純金の価値に変化はないだけに、現在の底堅い価格推移が続けば、遠からず再人気化することも考えられる。

また、2025年のパフォーマンスこそ「日経225」や「オルカン」に負けている「S&P500」だが、中長期のパフォーマンスでは圧倒的な強さがある。2025年11月末時点で「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の過去1年間のトータルリターンは19.24%と、「eMAXIS 日経225インデックス」の33.46%、「オルカン」の23.02%に劣っているが、過去3年、5年では101.16%、199.88%と、「日経225」の87.80%、104.33%、また、「オルカン」の92.19%、163.09%を大きく上回っている。「S&P500」の人気は、売れ筋トップ10の下位に沈んでいるが、このまま人気が衰えていくとは考えにくい。

安定したパフォーマンスの「ウェルス・インサイト」

そして、「日経225」がもっとも良いパフォーマンスをあげているのは過去1年程度の期間でしかない。今後、3年、5年という期間においても現在の優位性を保てるのか、11月の集中人気がどこまで続くのか注目したい。その点では、世界の株式、債券、リート(不動産投信)、純金を含むコモディティなどに分散投資する「MUFGウェルス・インサイト・ファンド」が常にトップ10に入っているのは、「どの資産がもっとも良いパフォーマンスになるのかわからないから全てを保有する」考えを具体化している。同ファンドの場合は、目標とするリスク水準によって各資産の組み入れ比率を調整している。「標準型」は年率リスクを10%程度、「積極型」は同14%程度にしている。

2025年のパフォーマンスは「標準型」で米国「S&P500」インデックスファンドに近い成績を残している。このパフォーマンスの確かさが同ファンドをランキング第2位に押し上げる力になっているのだろう。

投資信託の購入は「最も良いパフォーマンスを的中させる」ことに目的があるのではない。「預貯金よりも資産が増えて、インフレによる物価上昇に負けない資産価値を実現する」ということが第一義だろう。その点では「MUFGウェルス・インサイト・ファンド(標準型)」の年初来のリターンは12月12日時点で11.17%になっている。当然、ゼロ%台の預金利回りに勝っているし、国内の物価上昇率3%程度を大きく上回っている。こういった実績があるからこそ、根強い人気につながっている。

執筆/ライター・記者 徳永 浩

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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