60歳~90歳以上、みんな老齢年金を平均いくらもらっている? 各年齢の平均からは見えない「年金格差」グラフで丸わかり
- 2025年度(4月分~)の年金額は、3年連続プラス改定。前年より1.9%増額
- 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
- 現役時代の年金加入経歴別《65歳のモデル年金》5パターンで紹介
- ケース①:男性・厚生年金期間中心
- ケース②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
- ケース③:女性・厚生年金期間中心
- ケース④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
- ケース⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
- 【年金一覧表】60歳代「国民年金・厚生年金」各年齢の平均はいくら?(60歳~69歳)
- 【厚生年金一覧表】60歳代の平均月額(60〜69歳)
- 【国民年金一覧表】60歳代の平均月額(60〜69歳)
- 【年金一覧表】70歳代「国民年金・厚生年金」各年齢の平均はいくら?(70歳~79歳)
- 【厚生年金一覧表】70歳代の平均月額(70〜79歳)
- 【国民年金一覧表】70歳代の平均月額(70〜79歳)
- 【年金一覧表】80歳代「国民年金・厚生年金」各年齢の平均はいくら?(80歳~89歳)
- 【厚生年金一覧表】80歳代の平均月額(80〜89歳)
- 【国民年金一覧表】80歳代の平均月額(80〜89歳)
- 厚生年金・国民年金各年齢の平均からは見えない「年金格差」グラフで丸わかり
- 厚生年金《平均月額の男女差・個人差に着目》
- 国民年金《平均月額の男女差・個人差に着目》
- 2026年4月~、在職老齢年金の「年金カット基準」が大幅緩和(51万円→62万円)
- 「在職老齢年金制度」の見直し
【ポイント解説】2026年4月~、在職老齢年金の「年金カット基準」が大幅緩和(51万円→62万円)

60歳~90歳以上、みんな老齢年金を平均いくらもらっている?各年齢の平均からは見えない「年金格差」グラフで丸わかり
カレンダーも最後の一枚となり、忘年会や新年の準備など、何かと出費がかさむ季節を迎えました。今年も相次ぐ食品や公共料金の値上げが続き、家計の管理に苦心した一年だったという方も多いのではないでしょうか。
こうした物価高に直面するなか、私たちの暮らしを支える「年金」をめぐる環境も刻々と変化しています。2025年度の年金額は引き上げが行われましたが、実質的な購買力が維持されているかについては、慎重に見極める必要があります。
また、6月に成立した年金制度改正法には、働く意欲のあるシニア世代を後押しする「在職老齢年金」の基準緩和など、将来に関わる重要な制度改正も盛り込まれています。
この記事では、いまのシニア世代の年金受給状況、働き方による受給額の違いや、今のシニア世代が実際に受け取っている平均額などについて解説します。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
2025年度(4月分~)の年金額は、3年連続プラス改定。前年より1.9%増額
公的年金の受給額は、物価や賃金の動向を踏まえて年度ごとに見直しがおこなわれます。
2025年4月からの年金額の改定について確認してみましょう。

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
2025年度の年金額は、前年度から1.9%引き上げられました。
2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
・国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)
・厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
年金支給日
公的年金は、「偶数月の15日(土日の場合は直前の平日に前倒し)」に、前月までの2カ月分がまとめて支給されるルールです。
そのため、この改定率は6月に支給された「2025年4月分・5月分」の年金から適用されています。
なお、今回の改定内容公表時、「多様なライフコースに応じた年金額」として、現役時代の働き方や収入別での年金額の例も提示されています。
現役時代の年金加入経歴別《65歳のモデル年金》5パターンで紹介
働き方や生き方が多様化する今、「将来、自分はどのくらいの年金を受け取れるんだろう?」と気になっている人もいるでしょう。
厚生労働省は、今回の年金改定の発表と同時に、「多様なライフコースに応じた年金額の例」も示しています。
ここでは、年金加入経歴を5つのパターン(男性2パターン、女性3パターン)に分類し、「2025年度に65歳になる人」を想定した年金額の概算が提示されています。

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
ケース①:男性・厚生年金期間中心
《年金月額》17万3457円
・平均厚生年金期間:39.8年
・平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
・基礎年金:6万8671円
・厚生年金:10万4786円
ケース②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
《年金月額》6万2344円
・平均厚生年金期間:7.6年
・平均収入:36万4000円
・基礎年金:4万8008円
・厚生年金:1万4335円
ケース③:女性・厚生年金期間中心
《年金月額》13万2117円
・平均厚生年金期間:33.4年
・平均収入:35万6000円
・基礎年金:7万566円
・厚生年金:6万1551円
ケース④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
《年金月額》6万636円
・平均厚生年金期間:6.5年
・平均収入:25万1000円
・基礎年金:5万2151円
・厚生年金:8485円
ケース⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
《年金月額》7万6810円
・平均厚生年金期間:6.7年
・平均収入:26万3000円
・基礎年金:6万7754円
・厚生年金:9056円
上記の5つのケースからは、老後の受給額が「現役時代の加入制度」と「期間」によって、月額10万円以上の大差が生じる現実が見て取れます。
最大の要因は、厚生年金への加入状況です。会社員として長く働き、厚生年金に厚く加入してきた層が月額13万〜17万円台に達する一方、国民年金(第1号・第3号)が中心の層は6万〜7万円台に留まっています。
この月々数万円の差は、年間では数十万円の開きとなり、老後の生活水準を左右する決定的な差となります。
年金は決して一律ではなく、「現役時代の働き方の対価」がそのまま老後の収入として反映されるしくみです。
多様なキャリアパスがある現代だからこそ、自分の年金見込み額を早めに把握し、不足分をどうカバーするかを考えていくことが大切となるでしょう。
【年金一覧表】60歳代「国民年金・厚生年金」各年齢の平均はいくら?(60歳~69歳)
ここからは、今のシニア世代が実際にどのくらいの年金を受け取れているかを見ていきましょう。60歳代~80歳代の各年齢の平均年金月額を、厚生年金と国民年金それぞれ確認します。
なお、ここで紹介する厚生年金の月額には、国民年金(老齢基礎年金)の月額部分が含まれます。
【厚生年金一覧表】60歳代の平均月額(60〜69歳)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・60歳:厚生年金9万6492円
・61歳:厚生年金10万317円
・62歳:厚生年金6万3244円
・63歳:厚生年金6万5313円
・64歳:厚生年金8万1700円
・65歳:厚生年金14万5876円
・66歳:厚生年金14万8285円
・67歳:厚生年金14万9205円
・68歳:厚生年金14万7862円
・69歳:厚生年金14万5960円
【国民年金一覧表】60歳代の平均月額(60〜69歳)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・60歳:国民年金4万3638円
・61歳:国民年金4万4663円
・62歳:国民年金4万3477円
・63歳:国民年金4万5035円
・64歳:国民年金4万6053円
・65歳:国民年金5万9599円
・66歳:国民年金5万9510円
・67歳:国民年金5万9475円
・68歳:国民年金5万9194円
・69歳:国民年金5万8972円
老齢年金の一般的な受給スタート年齢は原則65歳。
65歳未満は繰上げ受給(※1)を選んだ人や、特別支給の老齢厚生年金(※2)の報酬比例部分のみを受給している人の年金額となるため、厚生年金・国民年金ともに65歳以降よりも少なめです。
65歳から69歳までの平均年金月額は、厚生年金14万円台、国民年金5万円台となっています。
※1 繰上げ受給:老齢年金を60歳~64歳までで前倒しして受け取ること。繰上げた月数に応じて年金が減額(0.4%/月)され、一度決まった減額率は生涯変わりません。
※2 特別支給の老齢厚生年金:昭和60年の法改正により厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた際、受給開始年齢を段階的に引き上げるために設けられた制度。年齢など一定条件を満たす場合に受け取ることができます。
【年金一覧表】70歳代「国民年金・厚生年金」各年齢の平均はいくら?(70歳~79歳)
70歳代の各年齢の平均年金月額を見ていきます。
【厚生年金一覧表】70歳代の平均月額(70〜79歳)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・70歳:厚生年金14万4773円
・71歳:厚生年金14万3521円
・72歳:厚生年金14万2248円
・73歳:厚生年金14万4251円
・74歳:厚生年金14万7684円
・75歳:厚生年金14万7455円
・76歳:厚生年金14万7152円
・77歳:厚生年金14万7070円
・78歳:厚生年金14万9232円
・79歳:厚生年金14万9883円
【国民年金一覧表】70歳代の平均月額(70〜79歳)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・70歳:国民年金5万8956円
・71歳:国民年金5万8569円
・72歳:国民年金5万8429円
・73歳:国民年金5万8220円
・74歳:国民年金5万8070円
・75歳:国民年金5万7973円
・76歳:国民年金5万7774円
・77歳:国民年金5万7561円
・78歳:国民年金5万7119円
・79歳:国民年金5万7078円
70歳代の平均年金月額は、厚生年金14万円台、国民年金5万7000~8000円台でした。
【年金一覧表】80歳代「国民年金・厚生年金」各年齢の平均はいくら?(80歳~89歳)
80歳代の各年齢の平均年金月額はどうでしょう。
【厚生年金一覧表】80歳代の平均月額(80〜89歳)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・80歳:厚生年金15万1580円
・81歳:厚生年金15万3834円
・82歳:厚生年金15万6103円
・83歳:厚生年金15万8631円
・84歳:厚生年金16万59円
・85歳:厚生年金16万1684円
・86歳:厚生年金16万1870円
・87歳:厚生年金16万2514円
・88歳:厚生年金16万3198円
・89歳:厚生年金16万2841円
【国民年金一覧表】80歳代の平均月額(80〜89歳)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・80歳:国民年金5万6736円
・81歳:国民年金5万6487円
・82歳:国民年金5万6351円
・83歳:国民年金5万8112円
・84歳:国民年金5万7879円
・85歳:国民年金5万7693円
・86歳:国民年金5万7685円
・87歳:国民年金5万7244円
・88歳:国民年金5万7076円
・89歳:国民年金5万6796円
80歳代の平均受給額は、厚生年金15万円~16万円台、国民年金5万6000円~8000円台です。
いずれの年代においても、平均年金月額に大きな年齢差は見られませんでした。しかし、これはあくまでも「各年齢の平均」である点には留意が必要です。
先述のとおり、老後に受け取る年金額は現役時代の年金加入状況によって一人ひとり違います。
厚生年金・国民年金各年齢の平均からは見えない「年金格差」グラフで丸わかり
ここからは、全受給権者(60歳~90歳以降)の年金月額の個人差・男女差も確認していきます。

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
厚生年金《平均月額の男女差・個人差に着目》
〈全体〉平均年金月額:14万6429円
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
年金月額階級ごとの受給者数
・1万円未満:4万4420人
・1万円以上~2万円未満:1万4367人
・2万円以上~3万円未満:5万231人
・3万円以上~4万円未満:9万2746人
・4万円以上~5万円未満:9万8464人
・5万円以上~6万円未満:13万6190人
・6万円以上~7万円未満:37万5940人
・7万円以上~8万円未満:63万7624人
・8万円以上~9万円未満:87万3828人
・9万円以上~10万円未満:107万9767人
・10万円以上~11万円未満:112万6181人
・11万円以上~12万円未満:105万4333人
・12万円以上~13万円未満:95万7855人
・13万円以上~14万円未満:92万3629人
・14万円以上~15万円未満:94万5907人
・15万円以上~16万円未満:98万6257人
・16万円以上~17万円未満:102万6399人
・17万円以上~18万円未満:105万3851人
・18万円以上~19万円未満:102万2699人
・19万円以上~20万円未満:93万6884人
・20万円以上~21万円未満:80万1770人
・21万円以上~22万円未満:62万6732人
・22万円以上~23万円未満:43万6137人
・23万円以上~24万円未満:28万6572人
・24万円以上~25万円未満:18万9132人
・25万円以上~26万円未満:11万9942人
・26万円以上~27万円未満:7万1648人
・27万円以上~28万円未満:4万268人
・28万円以上~29万円未満:2万1012人
・29万円以上~30万円未満:9652人
・30万円以上~:1万4292人
厚生年金(国民年金を含む)の場合、月額1万円未満となるケースから、30万円以上の高額受給者まで、幅広い受給額ゾーンに分布しており、個人差の大きさが分かります。
また、男女全体の平均年金月額は14万円台ですが、男性平均は女性平均よりも6万円ほど多くなっています。
国民年金《平均月額の男女差・個人差に着目》
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
年金月額階級ごとの受給者数
・1万円未満:5万8811人
・1万円以上~2万円未満:24万5852人
・2万円以上~3万円未満:78万8047人
・3万円以上~4万円未満:236万5373人
・4万円以上~5万円未満:431万5062人
・5万円以上~6万円未満:743万2768人
・6万円以上~7万円未満:1597万6775人
・7万円以上~:227万3098人
国民年金の平均年金月額は、男女ともに5万円台です。
3万円未満の低年金となる人も一定数存在するものの、ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」。満額に近い受給額を受け取る人が少なくないことがうかがえます。
2026年4月~、在職老齢年金の「年金カット基準」が大幅緩和(51万円→62万円)
2025年6月13日、国会で年金制度改革関連法が成立しました。多様化する働き方やライフスタイルにフィットする年金制度を目指すものです。
この改正にはパートなどで働く人の社会保険加入対象の拡大(いわゆる「106万円の壁」の撤廃が関連)、遺族年金の見直し(遺族厚生年金の男女差解消、子どもの遺族基礎年金受給の要件緩和)など、注目すべきポイントがいくつかあります。
今回は、その中でも働くシニアへの影響が大きい「在職老齢年金制度の見直し」について見ていきましょう。
「在職老齢年金制度」の見直し

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
在職老齢年金とは、60歳以降で老齢厚生年金を受給しながら働いている場合、年金額(※)と報酬(給与・賞与)の合計が基準額を超えると、年金の一部または全額が支給停止となる制度のことです。
(※)老齢基礎年金は対象外となり、全額支給されます。
支給停止調整額(年金が全額支給される基準額)
支給停止調整額は年度ごとに少しずつ見直しがおこなわれてきました。
・2022年度:47万円
・2023年度:48万円
・2024年度:50万円
・2025年度:51万円
・2026年度:62万円
今回の改正(2026年4月から適用)では、51万円(2025年度金額)から62万円へと大幅に引き上げられることが決まりました。
厚生労働省の試算では、新たに約20万人が年金を全額受給できるようになるとされています。
この引き上げにより、年金の減額を気にして「働き控え」をするシニア世代が、より自由に働き方を選べるようになると考えられるでしょう。
まとめにかえて
今回は、年齢別や男女別の平均年金受給額について解説していきました。特に厚生年金の受給額には個人差があります。
加入期間や年収などによって受給額が異なるため、ご自身の見込み額については、年金定期便やねんきんネットで確認してみましょう。
前年度と比較して、今年は物価上昇の影響により1.9%増額となりました。しかし、物価上昇率には追い付いていないため、実質的には目減りしているといえます。
物価上昇や少子高齢化も今後進んでいくと、より一層年金だけでは老後の生活が難しくなる時代となるでしょう。安心した老後を迎えるためには、現役世代のうちから老後資金の準備に取り掛かることが重要です。
ぜひ自分に合った老後対策を、早めのうちから始めていきましょう。
参考資料
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・政府広報オンライン「年金の手続。国民年金の第3号被保険者のかたへ。」
・日本年金機構「国民年金の第3号被保険者制度のご説明」
・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
・日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
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