【いまどきの70歳代】“ふつう”の貯蓄額はどれくらい?貯蓄・年金・家計事情を詳しく紹介

【食費の現実】29歳以下~85歳以上、1カ月の平均額をチェック

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【いまどきの70歳代】“ふつう”の貯蓄額はどれくらい?貯蓄・年金・家計事情を詳しく紹介

新しい年を迎えるにあたり、お正月は家族と過ごす楽しい時間ですが、お年玉や帰省費などで出費が増える時期でもあります。そんな年末年始は、来年の家計やこれからのマネープランを見直す絶好のタイミングです。

特に、現役を退き年金生活が中心となる70歳代にとって、物価高が続く中での家計管理は切実な課題でしょう。「老後2000万円問題」が話題になる中、同世代の貯蓄額が気になる方も多いはずです。ただ、ニュースで目にする「平均貯蓄額」は、一部の富裕層が数字を押し上げていて、実感とはかけ離れていることもあります。実態を知るには「中央値」を見ることがポイントです。

本記事では、総務省や厚生労働省の最新データをもとに、70歳代・二人以上世帯の貯蓄額の平均と中央値、さらに気になる年金受給額の目安についてわかりやすく解説します。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

老後設計の鍵となる「平均寿命」と「健康寿命」のギャップとは

2025年6月13日に国会で可決・成立した年金制度改正法は、多くの人々の老後設計に影響を与える可能性があります。

この改正では、現役世代への保障拡充に加え、年金を受給しながら働く高齢者への配慮や私的年金制度の強化など、多岐にわたる見直しが行われました。

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年金制度改正の全体像

特に、在職老齢年金の支給停止基準が大幅に緩和されたことは、就労意欲のあるシニア世代にとって重要な変更点と言えるでしょう。

実際に、総務省「2024年(令和6年)労働力調査」によると、65歳以上の就業者数は前年から16万人増えて930万人に達しており、高齢者の就労が拡大していることがうかがえます。

一方で、厚生労働省の統計に目を向けると、平均寿命(※1)と健康上の問題なく日常生活を送れる期間を示す健康寿命(※2)には、男性で約8年、女性では約12年もの隔たりがあるのが現状です。

この期間は医療や介護のサポートを必要とする可能性が高まるため、老後の生活設計において「資金的な備え」の重要性が一層増す時期といえます。

このような背景を考慮すると、現役時代から計画的に貯蓄や資産形成に取り組むことが、70歳以降の安心した生活につながる鍵となります。

※1 平均寿命:2022年は男性81.05歳、女性87.09歳。2023年は男性81.09歳、女性87.14歳(厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」より)

※2 健康寿命:2022年は男性72.57歳、女性75.45歳(厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」より)

70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情:平均値と中央値から見る実態

次に、金融経済教育推進機構(J-FLEC)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」のデータを用いて、70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を持たない世帯を含む)の実態をグラフと共に見ていきましょう。

※ここでの金融資産保有額は、預貯金の他に株式、投資信託、生命保険などを含みます。ただし、日常的に出し入れする普通預金の残高は対象外です。

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【貯蓄額の一覧表】70歳代・二人以上世帯

調査によると、「70歳代・二人以上世帯」の平均貯蓄額は2416万円です。しかし、この平均値は一部の富裕層が数値を引き上げているため、必ずしも一般的な家庭の実情を正確に表しているとは限りません。

より実態に近いとされる中央値は1178万円であり、多くの世帯の貯蓄額がこの水準に近いと推測されます。

さらに詳しく世帯ごとの貯蓄状況を理解するために、以下の分布データを確認します。

・金融資産を保有していない:10.9%

・100万円未満:4.5%

・100万円以上200万円未満:5.1%

・200万円以上300万円未満:3.7%

・300万円以上400万円未満:3.9%

・400万円以上500万円未満:2.9%

・500万円以上700万円未満:6.4%

・700万円以上1000万円未満:6.7%

・1000万円以上1500万円未満:11.1%

・1500万円以上2000万円未満:6.7%

・2000万円以上3000万円未満:12.3%

・3000万円以上:25.2%

・無回答:0.6%

70歳代・二人以上世帯で最も割合が高いのは、「3000万円以上」の層で、全体の25.2%を占めています。

その一方で、金融資産を全く保有していない世帯も10.9%存在しており、資産状況に大きな格差があることが見て取れます。

老後の貯蓄額は、退職金の有無、現役時代の収入、相続、あるいは健康状態といった様々な要因に影響されます。

また、公的年金の受給額も現役時代の働き方によって個人差が大きいため、貯蓄が少ない世帯では年金収入だけで生活を維持することが困難なケースも考えられます。

安定した老後を送るためには、それぞれの家庭の状況に合わせた生活設計が不可欠です。

例えば、健康なうちはパートタイムで働く、不動産や投資から副収入を得る道を模索するなど、家計やライフプランに応じた備えをしておくことが将来の安心につながるでしょう。

厚生年金の平均受給月額はいくら?男女別のデータで確認

続いて、厚生労働省が発表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、厚生年金の平均的な受給月額を見ていきましょう。

厚生年金の被保険者にはいくつかの区分がありますが、ここでは主に民間企業に勤務していた方が受け取る「厚生年金保険(第1号)」の月額を紹介します。

※本記事で紹介する厚生年金保険(第1号)の月額には、基礎年金である国民年金部分が含まれています。

厚生年金の平均年金月額

・〈全体〉平均:15万289円

・〈男性〉平均:16万9967円

・〈女性〉平均:11万1413円

国民年金(老齢基礎年金)の平均受給月額をチェック

厚生年金への加入歴がなく、国民年金(老齢基礎年金)のみを受け取っている場合の平均月額についても見てみましょう。

国民年金の平均年金月額

・〈全体〉平均:5万9310円

・〈男性〉平均:6万1595円

・〈女性〉平均:5万7582円

例えば、夫が厚生年金の男性平均額(月額16万9967円)を受け取り、妻が国民年金の女性平均額(月額5万7582円)を受け取る夫婦の場合、世帯の年金収入は合計で月額22万7549円と試算できます。

65歳以上の無職夫婦世帯における家計収支の実態:月々約3万円の赤字

前の章で試算した「月額約22万円」の年金収入で、シニア夫婦の生活費はどの程度カバーできるのでしょうか。

ここでは、総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」を基に、「65歳以上の夫婦のみで構成される無職世帯」の標準的な家計収支を詳しく見ていきます。

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【65歳以上の無職夫婦世帯】老後の家計収支

65歳以上の無職夫婦世帯の収入:25万2818円

■うち社会保障給付(年金など):22万5182円

65歳以上の無職夫婦世帯の支出:28万6877円

■うち消費支出:25万6521円

・食料:7万6352円

・住居:1万6432円

・光熱・水道:2万1919円

・家具・家事用品:1万2265円

・被服及び履物:5590円

・保健医療:1万8383円

・交通・通信:2万7768円

・教育:0円

・教養娯楽:2万5377円

・その他の消費支出:5万2433円

■うち非消費支出:3万356円

・直接税:1万1162円

・社会保険料:1万9171円

65歳以上の無職夫婦世帯の家計収支:月3万4058円の不足

・毎月の赤字額:3万4058円

・エンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合):29.8%

・平均消費性向(可処分所得に占める消費支出の割合):115.3%

このモデル世帯の月間収入は25万2818円で、その大部分を公的年金などの社会保障給付が占めています。

それに対して、月々の支出は28万6877円と収入を上回る結果となっています。

支出の内訳は、食費や光熱費といった生活に直接かかる消費支出が25万6521円、税金や社会保険料などの非消費支出が3万356円です。

これらの結果から、この世帯の家計は毎月3万4058円の赤字であり、不足分を貯蓄から補填している状況がうかがえます。年間では約40万円を取り崩している計算になります。

高齢期は現役時代と比べて収入を増やす手段が限られるため、このような赤字が続くと貯蓄が想定より早く減少してしまう可能性があります。

現在の貯蓄額を正確に把握し、家計の見直しや健康状態に合わせて短時間の仕事を検討するなど、実行可能な対策を講じることが、老後の生活を安定させる上で重要な鍵となるでしょう。

年代別で見る食費の平均額:家計見直しのヒント

家計管理において、日々の生活で節約を意識しやすく、工夫次第で改善しやすい項目の一つが「食費」です。

ここでは、総務省統計局の「家計調査 家計収支編(2024年)」を基に、二人以上世帯における1カ月あたりの平均食費を年代別に見ていきます。

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年代別、1カ月あたりの平均的な食費

全体平均:7万5258円

・29歳以下:5万2413円

・30~39歳:6万9433円

・40~49歳:7万9900円

・50~59歳:8万1051円

・60~64歳:7万9831円

・65~69歳:7万7405円

・70~74歳:7万4322円

・75~79歳:6万8274円

・80~84歳:6万6257円

・85歳以上:6万3347円

二人以上世帯の月間食費は、50歳代が約8万1000円でピークとなり、その後は年齢を重ねるごとに緩やかに減少し、85歳以上では6万3347円となっています。

この傾向は、加齢に伴う食事量の変化や生活スタイルの変容が影響していると考えられます。

食費は世帯構成やライフステージによって変動しやすい費目ですが、一般的に家計に余裕がない世帯ほど「家計に占める食費の割合(エンゲル係数)」が高くなる傾向が見られます。

物価高が家計を圧迫する現在、食料品の価格動向を注視しつつ、無理のない範囲で食生活や家計全体を見直すことが重要です。

70歳代の家計は「中央値」で現在地を知り、年金+αの備えを

ここまで、70歳代二人以上世帯の家計の実態を見てきました。貯蓄額の平均(2416万円)と中央値(1178万円)には1000万円以上の差があり、平均だけを見て「うちは少ない」と落ち込む必要はありません。中央値を参考にすることで、より現実的な立ち位置がわかります。

年金収入については、厚生年金の平均が月15万円台、国民年金は約5万円台(1人あたり)。夫婦世帯なら月20万円強が目安ですが、ゆとりある生活には貯蓄の取り崩しが必要になるケースも少なくありません。

新しい年の始まりに向け、まずは自分の世帯の「資産寿命」を延ばすための計画を立ててみませんか?正確な収支を把握することが、安心できる老後への第一歩です。

※当記事は再編集記事です。

参考資料

・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

・金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」

・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

・総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」

・厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」

・厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」

・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

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