トヨタの実験都市「ウーブン・シティ」 スタートから2か月の街の様子は? 入居者が口をそろえて話す「強み」とは?(2025年11月取材)

中京テレビNEWS ©中京テレビ
静岡県裾野市、トヨタ自動車が手がける「ウーブン・シティ」。
自動運転技術の活用など、未来のテクノロジーの実証実験を行う場所です。街中には実際の道路環境と同じような信号機や横断歩道があり、「e-Palette」や「パーソナルモビリティ」が走ります。

中京テレビNEWS ©中京テレビ
中で実証に取り組む人たちはどのように感じているのか。
2025年9月にスタートしてから2か月が経過した、街の様子を取材しました。(取材は2025年11月)

中京テレビNEWS ©中京テレビ
「新しいシェアカーサービスを紹介したいと思います。皆様が持っているアプリで車を呼んだら自動的に車を運んでくれる、そんなサービスを実証しています」
こう話すのは、シェアカーサービスを開発中のトヨタ自動車の畑さん。
前を走る自律走行ロボット「Guide Mobi」が、後続する車にハンドル操作やアクセル・ブレーキの指示を出して、自動運転で走らせるサービスです。利用者はシェアカーを置き場まで取りに行かなくても、アプリを操作することで、自律走行ロボットが自分のいる場所まで運んできてくれます。

中京テレビNEWS ©中京テレビ
トヨタ自動車 畑建正 さん
「普段の生活の中で、自動運転ロボットを動かすのは非常に難しいです。公道は走れない中、ウーブン・シティの環境があるので、自動運転のサービスを思い切って実証できるのは非常にありがたいことです。」
"トヨタの私有地"だからこそ、大胆なチャレンジもしやすいとのこと。新たな課題もすぐに出てきます。
■トヨタ自動車 畑建正 さん
「今の課題は雨での対応についてです。機械なので雨だと使えません。まさに技術開発を進めているところです」

中京テレビNEWS ©中京テレビ
入居しているのはトヨタだけではありません。現時点でトヨタグループを含めた約20社がウーブン・シティで実証を行っています。
自称"町内会長"の豊田章男会長は、オープン時にこんな話をしていました。
トヨタ自動車 豊田章男会長
「ウーブン・シティで起こしていくのは『カケザン』です。掛け算は1社だけだと成り立ちません。最低でも2社必要なんです。2以上だったらいくらでも掛けることができます。みんなで笑顔の2を掛けてまいりましょう。」
企業と住民、企業と企業での議論を活発に行い、「カケザン」していくことで新たな価値を生み出したい考えです。

中京テレビNEWS ©中京テレビ
この「真っ白な壁」のようなものは、自動販売機。自動販売機サービスを手がけるダイドードリンコが開発した「HAKU」です。
商品サンプルやボタン、お金の投入口もありません。「自動販売機の見た目が、設置場所の雰囲気に合わない」との声を受け、開発をスタート。真っ白なデザインにすることで、そこにディスプレイを投影したり、絵を描いたりすることも可能。あらゆる空間や場所に調和させることができます。
利用者は、二次元コードを読み取って専用のスマートフォンアプリから購入できるということです。
ダイドードリンコ 古門義浩さん
「通常の市場だと何かを変えるには少し時間がかかったり、実行するためのハードルが高かったりするんですけど、新しいものを取り入れることに許容していただける、この街ならではのテストができると考えています。」
ウーブン・シティでは、このデザインでも自動販売機と認識して、通常と同じように客が購入してくれるのかどうかを確認し、1年半後にはウーブン・シティ外にも設置していきたい考えです。

中京テレビNEWS ©中京テレビ
ダイドードリンコ 古門義浩さん
「色々な企業から『このデザインなら今すぐ置きたい』と想定通りのコメントをいただいています。一方で、スマホで読み取ると、1人が自動販売機の前にいる時間が長いので、行列ができてしまう課題がある。お客様からの生の声をしっかり聞いて、ユーザビリティについてこれから改善していこうと思います。」
すぐ隣に住民が暮らしていて、直接フィードバックを受け取れるため、短い時間で実装までつなげられると話します。

中京テレビNEWS ©中京テレビ
実証開始から約2か月。ウーブン・シティについて、入居者が口をそろえて話すのは、"トヨタの私有地で、チャレンジしやすい環境であること"と、"利用者からの声を直接聞けること”。この2点が、ウーブン・シティの大きな強みのようです。
ウーブン・シティを運営するウーブン・バイ・トヨタは、「まだ入れる人が限定的になってしまっている。来年度以降は一般の人も入れるように計画中なので、より多くの人を迎えて、実証の場としてよりよい環境を作っていきたい」と今後について話しています。

中京テレビNEWS ©中京テレビ
今はまだ第一期が始まったばかり。住んでいるのはまだ数世帯で入居企業は約20社。最終的には、今の6倍の大きさになり、2000人が生活する予定とのこと。
実証を通して、この街からいったいどんな技術が生まれるのでしょうか。