ソニーG「3Q過去最高益」もメモリー高騰で株価横ばい。質疑で言及した「テレビ事業」と「Xperia」のゆくえ

ソニーはゲーム、音楽、センサー製造事業の好調さを決算で報告した。

ソニーグループ(以下、ソニーG)は2月5日、2025年度第3四半期決算を発表。売上高は前年同期比1%増の3兆7137億円、営業利益は22%増の5150億円といずれも第3四半期として過去最高となった。通期業績見通しは、2025年度に入って3回目の上方修正を実施し、売上高を12兆3000億円(前回比3%増)、営業利益を1兆5400億円(同8%増)に引き上げた。

業績を牽引したのは、ゲーム、音楽、センサーの3事業だ。

ゲームおよび関連ネットワークサービスを含むG&NS領域では、ハードウェア販売台数は減っているものの、ネットワークサービスや自社制作タイトルの増収により、営業利益が前年同期比19%増。

音楽はストリーミング売り上げの伸長で13%増収。センサー事業のI&SS領域ではモバイルセンサーの販売数量増と単価上昇により売上高で21%の増収、営業利益は35%増益と、いずれも過去最高益を更新した(いずれも前年同期比)。

各セグメントごとの業績。

一方で、決算発表当日の2月5日のソニーGの株価は始値が3250円、終値が3345円とほぼ横ばい。ソニーGの陶琳(タオ リン)CFO氏は「メモリー供給に対する懸念が業界として存在する」「エンターテインメント銘柄全般でキャピタルがAI関連銘柄に移動している」との見方を示し、事業の基礎体力の強化と収益性の向上に力を入れる姿勢を強調した。

BRAVIAブランドはTCLとの合弁会社へ。Xperiaは?

ソニーはテレビとホームエンターテイメント事業をTCLとの合弁会社に移す。

今回の決算で注目すべきトピックは2つある。「テレビ事業・BRAVIAの行方」と昨今続いている「メモリーの価格高騰に関する経営への影響」だ。

テレビ事業について、ソニーGは1月20日、中国のディスプレイ大手・TCLとホームエンターテインメント領域における戦略的提携に向けた基本合意書を締結したことを明らかにしている。

テレビを含むホームエンターテインメント事業を、両社が出資する合弁会社が運営する方向で3月末の確定契約締結を目指して協議を進めている。

ソニー本体から分離される対象となるのは、テレビとホームオーディオ領域。ソニーの高画質・高音質技術、ブランド力、オペレーションマネジメント力と、TCLの先端ディスプレイ技術、コスト競争力、垂直統合されたサプライチェーンをかけ合わせて、持続的な事業成長を目指すとしている。

ソニーグループの陶琳CFO。

ただ、陶氏は今後始まる合弁会社での事業の詳細について多くは語らなかった。

会見では「Crystal LED」に代表されるディスプレイ関連の研究開発基盤の扱いについての質問が出たが「現時点では基本合意の段階であり、どのような技術や資産を合弁会社に移管するかは詳細協議中」(陶CFO)と、確定契約に向けて詰めの作業を進めていると説明した。

なお、テレビと同じく、ソニーGとして事業変革が必要領域として挙げられていたスマートフォン事業(Xperia)については「(外部資本連携などの決まった)予定はない」とし、これまでの状況に変化がないことを明言した。