抹茶ブームは「八女茶」にも 需要に応え増産へ ブランド力につなげるには 福岡
世界的に抹茶ブームが巻き起こる中、お茶どころ、福岡県八女市にもその波が押し寄せています。市は、このチャンスに八女茶の市場価値を高めたいと、新たなステージへと向かおうとしています。

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健康志向や日本食への関心の高まりを背景に世界に広がる抹茶ブーム。茶畑を一望できる人気の観光スポット、八女中央大茶園には、この日も外国人観光客の姿がありました。
■香港から訪れた人
「すばらしい!みんな興奮しているよ。香港にはこんな茶畑はない。私たちは抹茶が好きです。」
海外からはバイヤーたちも続々と八女茶の買い付けに八女市を訪れ、その人気は世界に広がっています。

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お茶の栽培から製造、販売まで行う八女美緑園製茶が手がけるカフェでは。
■中村安里アナウンサー
「カフェのメニューを見てみますと、英語で書かれています。」
抹茶ブームを機に去年、外国人観光客がおととしと比べおよそ10倍に増えたため、新たに英語のメニューを導入しました。
抹茶の豊かな香りを堪能できる「最高級抹茶(1000円)」が人気です。
■中村アナウンサー
「濃厚!飲んだ瞬間に抹茶のうまみが口いっぱいに広がります。とてもまろやかです。」
■八女美緑園製茶・江島一信 代表理事
「抹茶が急速にこんなふうになったのは、ここ数年のうちです。私はもう40年ぐらいお茶関係にいますが、抹茶ブームは初めてです。」

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農林水産省によりますと、抹茶を含む緑茶の輸出額は、おととし364億円と過去最高額となりました。さらに去年は1月から10月だけで、過去最高を上回る539億円となっています。

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八女美緑園製茶ではこれまで、煎茶が7割、抹茶が3割でしたが、去年は抹茶ブームによる需要の増加に応えるため、その割合が逆転しています。

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抹茶の工場を案内してもらいました。
■江島 代表理事
「これがレンガを組んで作った、てん茶炉です。」
抹茶は、このてん茶炉で抹茶用に育てられた茶葉を乾燥させ、石うすなどで粉末状にしたものです。茶葉から抹茶となるのは、多くてもわずか2割程度です。
急激に増加する需要に生産が追いついていないと言います。
■江島 代表理事
「朝から製造を始めてフルに動かしても、それだけ。あと2倍ぐらいは処理能力が上がればいいなと、次の増産に向けた計画を今やっているところです。」

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これまで、国内消費の低迷や生産者の高齢化、生産コストの上昇などに悩まされてきたお茶業界。JAふくおか八女によりますと、八女市内のお茶の生産者は年々減少し、10年前のおよそ半分になっています。
■JAふくおか八女 茶業部会・松延伸治 部会長
「畑の機械にも、軽油やガソリンを使います。それも高騰しているし、人件費も高騰してなかなか価格に転嫁できない状態が続きました。30年近く右肩下がりできていて、それが廃業につながる。」
先が見えなかったお茶業界にとって、抹茶によるお茶の消費拡大はまさに明るい兆しです。
■松延 部会長
「秋の四番茶は、今までは畑に刈り捨てていた部分でも、ものすごく値段がついて。」
去年の秋の四番茶の価格は、おととしに比べ3倍以上の価格で取引されるなど、異例の事態となっています。

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こうした中、八女市の簑原悠太朗市長は今回の抹茶ブームを勝機と捉え、自ら万博で国の内外に向けトップセールスを行うなど、ブランド力の底上げを進めています。
■八女市・簑原悠太朗 市長
「抹茶ブームは八女茶にとってチャンス。八女茶としてのブランド力をさらに上げる。抹茶ブームをきっかけに、八女伝統本玉露や急須で淹(い)れるお茶の魅力を、改めて国内外の人に知ってもらう大きなチャンスだと思います。」
さらに、世界での市場価値を高めるため八女市は、農産物として全国で初めて、八女茶が育った環境の良さなどを数値化する「ESG評価」に去年、取り組み始めました。
抹茶ブームを追い風に、八女茶本来の強み、伝統的な「玉露」や「煎茶」など、八女茶ブランドの底上げが期待されます。
※FBS福岡放送めんたいワイド2026年1月14日午後5時すぎ放送