米国への渡航は要注意? 各国が渡航者に注意を促す
米国への渡航は要注意?

米国への渡航には注意が必要かもしれない。第二次トランプ政権が始まって以来、有効なビザがあっても国境で拘束されるなどの事例が報告されているのだ。
電子機器が検査される

カナダは米国渡航時の注意点として、入国管理官が携帯電話やノートパソコンの中を探り得ることを指摘している。渡航者は「電子機器も含めて綿密な検査を受けることを予期しておくように」と言われている。
プライバシーが侵害される

カナダの放送局CBCによると、米国内で同様の調査をしようとすれば裁判所が発行した令状が必要になるが、国境ではそういった手続きなしに携帯電話の中を見て、ダウンロードされたファイルなどのデータを調査可能なのだという。移民手続き専門の弁護士らは、リスクを十分把握した上で、どのような個人情報なら見られても良いかよく検討するように、と述べている。
仮のデバイスを用意することが推奨される

プライバシーの専門家からは、望まない情報が米国政府にアクセス・保存されることを防ぐために、渡航時には普段から使っている携帯電話やノートパソコンではなく、仮のデバイスを用意するようにとのアドバイスもなされている。同じくCBCが報じている。
The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に
政治的傾向が調査を招き得る

デジタル社会での権利擁護を目的とする米国の非営利団体「電子フロンティア財団」でプライバシー関連訴訟担当を務めるアダム・シュヴァルツ氏によると、本来、入国管理官による検査は犯罪の証拠を探すことが目的だが、政治的な傾向を示すデータを見つけたことでさらなる調査に及ぶ可能性もあるとされている。渡航者は調査を拒否することもできるが、「独自に携帯電話のロックを解除しようと試みることはできるし、渡航者を数時間にわたって拘束することも可能だ」という。CBCが伝えている。
カナダからの長期滞在には登録が必須

さらに厄介なことに、30日以上米国に滞在しようとするカナダの渡航者は4月11日からオンラインでの登録が義務づけられた。これを怠ると罰則が適用されるだけでなく、軽犯罪として罪に問われるおそれもある。
常に最新の情報を確認

フランスは3月24日に渡航者向けの注意を更新し、米国渡航を予定しているフランス市民に対して大使館のウェブサイトおよび航空会社のホームページをみて「ルールの変更がないか、また、あらたな方式が適用されていないか」確認することを推奨している。とりわけ、トランスジェンダーの人々に強く注意を促している。
リスクを評価するよう促す

同様の動きは中国でも見られる。中国の文化観光部は次のように述べている:「昨今の米中間の経済的・通商的関係の悪化や米国内における治安の悪化に伴い、文化観光部としては、中国からの観光者においては米国渡航のリスクを十分に評価した上で、慎重に振る舞うよう推奨する」
有効なビザがあっても拘束され得る

ドイツも同様の警告を出しており、実際にアメリカ国境で足止め・送還されたドイツ国籍者も複数でている。CNNによると、あるタトゥー・アーティストは有効なビザを所有していたにもかかわらず、拘留後に送還されたという。ドイツ政府は、特に出生時に割り当てられた性別と現在の身分証の性別が異なる人に注意を促している。
パスポートの性別欄

ロイター通信によると、デンマーク政府も3月21日に警告を出している。パスポートの性別欄を変更したり、ノンバイナリーにしたりしている人は、渡航前に米国大使館に連絡することが強く推奨されている。
再入国も危険

ポルトガル政府は、いまや有効なビザを所有していても入国が保証されないと言い切っている。特に、ビジネスも絡んだ渡航を観光と申告することなどはしないよう警告されている。また、渡航後にカナダやメキシコに渡り、再び米国に入ることも推奨されていない。「再入国は疑われ得る」からだ。
厳格なルール運用

英国では、米国の入国ルールはいまや「厳格に」適用されており、少しでも疑問があれば米国大使館に問い合わせるようにと言われている。英国政府のガイダンスでは「ルールに違反していた場合、逮捕や拘留につながり得る」とされている。
わずかな滞在延長が逮捕につながり得る

ベルギー外務省は次のように警告している:「犯罪行為や渡航目的の虚偽申告、あるいはわずかな滞在延長でさえ、出入国時における逮捕拘留や訴追、強制送還につながり得る」また、性別は出生時に割り当てられたもので申告することを推奨し、LGBTQの人々に関する態度がベルギーと大きく異なり得ることにも注意を促している。
アイルランドでは

アイルランドでも、米国のビザは「出生時の生物学的性」を用いて申告することが求められると注意し、パスポートの性別欄をノンバイナリーにした人はダブリンの米国大使館に連絡するようアドバイスされている。
性的少数者の扱いに注意を促す

オランダ外務省も3月24日から「米国ではLGBTQ+の人々に対する態度がオランダとは異なる可能性があることに留意して下さい」と記している。『NLタイムズ』紙が報じている。
フィンランドでも

ロイター通信によると、フィンランドでも出生時割当性別とパスポートの性別欄が一致しない人は入国が許可されない恐れがあるとされているという。ここでも、ビザやESTAを申請していたとしても拒否される可能性があると言われている。
米国の観光業への影響も予測される

米国への入国に関しては混乱が激しく、専門家の間では米国観光に対する負の影響が予測されている。観光客としては、よりわかりやすく、安全で、インクルーシブな旅行先を選びたくなるのも当然だろう。
The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に