【年金生活者支援給付金】年金に上乗せ「月額約1万900円」支給される人は? 対象条件と給付額を整理
- 生活が苦しい年金世帯を支える制度「年金生活者支援給付金」とは?
- 【誰が対象?】年金生活者支援給付金の支給要件を整理
- 「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件をチェック
- 「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件をチェック
- 「年金生活者支援給付金」はいくらもらえる?給付基準額の考え方
- 【申請必須】「年金生活者支援給付金」の手続き方法
- 【申請方法1】これから老齢年金を受け取り始める人(緑の封筒)
- 【申請方法2】すでに年金を受給している人の場合(うす緑の封筒)
- 【申請方法3】老齢基礎年金を繰上げ受給中の場合(うすだいだい色の封筒)
- 【年金制度改正】働きながら年金を受け取る人にも影響がある?
- 1:短時間労働者の加入要件の見直し
- 2:個人事業所の適用対象の拡大
- 3:在職老齢年金の見直し
- 4:保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ
- まとめ|年金に上乗せされる給付制度と受給条件の最終チェック
老齢・障害・遺族年金ごとの支給要件を確認|年金に上乗せされる支援制度と2025年度の給付水準

【年金生活者支援給付金】年金に上乗せ「月額約1万900円」支給される人は?対象条件と給付額を整理
2月は年度末を前に家計の見直しを考える人が増える時期です。物価上昇が続くなか、年金収入だけで生活する世帯では家計の負担を感じやすくなっています。
こうした低年金世帯を支える制度として設けられているのが「年金生活者支援給付金」です。
日本年金機構の制度資料でも、所得が一定基準以下の年金受給者に対して年金へ上乗せして支給される仕組みとして紹介されています。
本記事では、老齢・障害・遺族年金ごとの支給要件や給付額、申請方法、制度改正のポイントまでをやさしく整理します。受給できるかどうかを確認する参考にしてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
生活が苦しい年金世帯を支える制度「年金生活者支援給付金」とは?

年金生活者支援給付金制度について
年金生活者支援給付金は、公的年金に加えて支給される給付で、大きく3つの区分に分かれています。
・老齢年金生活者支援給付金
・障害年金生活者支援給付金
・遺族年金生活者支援給付金
老齢・障害・遺族の各基礎年金を受給している人で、公的年金を含めた所得が一定の基準を下回る場合に、2カ月ごとに支給される仕組みです。
【誰が対象?】年金生活者支援給付金の支給要件を整理
年金生活者支援給付金は3種類それぞれに支給要件が設けられていますが、共通して確認されるのが、受給者本人の「前年の所得」です。
老齢年金生活者支援給付金については、この所得要件に加えて、さらにいくつかの条件が設定されています。
「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件をチェック

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者
・同一世帯の全員が市町村民税非課税
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件をチェック
・それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)の受給者である
・前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)
※ 障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く
各給付金において、上記の要件をすべて満たす場合、年金生活者支援給付金を受け取ることができます。
「年金生活者支援給付金」はいくらもらえる?給付基準額の考え方
2025年度の年金生活者支援給付金は、前年度の物価変動率を反映し、給付額が2.7%引き上げられました。

年金生活者支援給付金の給付額
・老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5450円
・障害年金生活者支援給付金:障害等級1級6813円・2級5450円
・遺族年金生活者支援給付金:月額5450円
なお、老齢年金生活者支援給付金については、示された基準額をもとに、保険料の納付済期間や免除期間に応じて、実際の支給額が算出されます。
【申請必須】「年金生活者支援給付金」の手続き方法

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金」
年金生活者支援給付金の支給対象と判断された場合、日本年金機構から請求書が送付されます。
年金の受給状況によって、届く書類の種類や郵送される時期は異なります。
本章では、想定される3つのケースに分けて、封筒の種類や手続きの流れを整理します。
【申請方法1】これから老齢年金を受け取り始める人(緑の封筒)

出所:日本年金機構「65歳の誕生日を迎え、老齢基礎年金を新規に請求する方」
これから老齢年金の受給を開始する人には、65歳の誕生日を迎える3か月前に、「年金請求書(事前送付用)」とあわせて「年金生活者支援給付金請求書」が同封されて送られてきます。
所定の項目を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金請求書と併せて年金事務所へ提出しましょう。
【申請方法2】すでに年金を受給している人の場合(うす緑の封筒)

出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)送付用封筒」
すでに基礎年金を受給しており、新たに年金生活者支援給付金の対象となる人には、2025年9月1日以降、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次送付されます。

出所:日本年金機構「令和7年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)の送付について」
所定の事項を記入したら、同封されている目隠しシールを貼付し、差出人欄に住所と氏名を記載します。
そのうえで切手を貼り、郵便ポストへ投函しましょう。
※支給要件に該当するか確認できない方には、年金生活者支援給付金請求書(A4型)および所得情報等を確認するための所得状況届が送付されます。
【申請方法3】老齢基礎年金を繰上げ受給中の場合(うすだいだい色の封筒)

出所:日本年金機構「65歳の誕生日を迎えた方で、老齢基礎年金を繰上げ受給している方」
老齢基礎年金を繰上げ受給している人のうち、年金生活者支援給付金の受給対象となる可能性がある場合には、65歳となる誕生月の初め(1日生まれの場合は前月初旬)に、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されます。
記入欄をすべて記載したうえで、同封の目隠しシールを貼り、差出人欄に住所と氏名を記入します。
切手を貼付し、郵便ポストへ投函してください。
※支給要件に該当するか確認できない方には、年金生活者支援給付金請求書(A4型)および所得情報等を確認するための所得状況届が届きます。
一度申請を行えば、支給要件を満たしている間は、原則として2年目以降の手続きを改めて行う必要はありません。
なお、所得の増加などにより要件を満たさなくなった場合には、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が送付され、給付金の支給は終了します。
また、2025年1月以降に65歳に達し、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき)」が届いた人については、電子申請が可能となりました。
電子申請を利用した場合、郵送での提出は不要です。
【年金制度改正】働きながら年金を受け取る人にも影響がある?

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
公的年金は、老後に受け取る金額だけの制度ではなく、働き方やキャリア形成、さらにはライフプラン全体とも密接に結びついています。
2025年6月13日には、国会で年金制度改正法が成立しました。
本章では、今回の見直しの中でも、働く人の「仕事」と「暮らし」に大きく関わるポイントを取り上げていきます。
1:短時間労働者の加入要件の見直し
・賃金要件の撤廃:3年以内にいわゆる「年収106万円の壁」撤廃へ
・企業規模要件の撤廃:10年かけて段階的に対象の企業を拡大(※)
※2025年7月時点では「51人以上」
2:個人事業所の適用対象の拡大
・2029年10月から個人事業所の社会保険の適用対象(※)が、従業員5人以上の全業種に拡大(2029年10月時点における既存事業所は当面除外)
※2025年7月現在「常時5人以上の者を使用する法定17業種」は加入必須。(法定17業種とは:①物の製造、②土木・建設、③鉱物採掘、④電気、⑤運送、⑥貨物積卸、⑦焼却・清掃、⑧物の販売、⑨金融・保険、⑩保管・賃貸、⑪媒介周旋、⑫集金、⑬教育・研究、⑭医療、⑮通信・報道、⑯社会福祉、⑰弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業)
3:在職老齢年金の見直し
2026年4月から、年金が減額される基準額(※)が「月収51万円(2025年度の金額)→62万円」に緩和され、働きながらでも年金を満額もらいやすくなります。
※支給停止調整額:年金を受給しながら働くシニアの「賃金+老齢厚生年金」の合計がこの金額を超えると、年金支給額が調整される。
4:保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ
厚生年金などの保険料や年金額の計算に使う賃金の上限(※1)を「月65万円→75万円」へ段階的に引き上げられ(※2)、従来よりも現役時代の賃金に見合った年金を受給できるようになります。
※1 標準報酬月額:厚生年金や健康保険の保険料、年金額を計算するために、月々の報酬と賞与を一定の幅で区切った基準額のこと
※2 2027年9月から68万円、2028年9月から71万円、2029年9月から75万円に引き上げ
まとめ|年金に上乗せされる給付制度と受給条件の最終チェック
年金生活者支援給付金は、所得が一定基準以下の年金受給者に対して年金に上乗せして支給される重要な支援制度です。
老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金の受給者も対象となる可能性があります。
2025年度の給付基準額では、老齢年金生活者支援給付金は満額で月額約1万900円が目安となります。
物価の上昇が家計に影響するなか、こうした制度の活用は生活の安定につながります。
年度末が近づくこの時期に、自分が対象になるかどうかや申請状況を確認しておくと安心です。
まだ申請していない場合は早めに手続き内容を確認しておきましょう。
参考資料
・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額をお知らせする「年金額改定通知書」、「年金振込通知書」の発送を行います」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
・厚生労働省「年金生活者支援給付金」
・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
・日本年金機構「個人の方の電子申請(年金生活者支援給付金請求書)」
・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
・厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」
・日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
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